※ 火曜深夜にもツイートしました。
N1=西浦博 @nishiurah 「『8割おじさん』の数理モデル」(ニューズウィーク日本版6月9日号 pp.18-23)
N2=西浦博×國井修「対談 日本のコロナ対策は過剰だったのか」(同上 pp.24-26)
N2 はウェブで読めます。
newsweekjapan.jp/stories/world/…
N1で論じられていることの前半部分は,日本における新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のリスク評価に用いられた数理モデルの解説です(後半は集団免疫獲得条件,本スレッドでは略)。
=全員に感染可能性がある(=全員に感受性がある)集団で,1人が次に何人に感染させるかの平均値。R0(アール・ノート)という。
《この稿続く》
R あるいは Rt と表現されます。
【基本再生産数】(10で「基本再生産者数」とミスタイプしてました。多謝。)
=全員に感染可能性がある(=全員に感受性がある)集団で,1人が次に何人に感染させるかの平均値。
【実効再生産数】
=ある時点における実際の再生産数
この2つ,よく出てきますので理解しとくと便利です。
contactmodel/COVID19-Japan-Reff - GitHub
github.com/contactmodel/C…
さて,N1 において,西浦教授は「『何もしなければ』42万人が死亡する」とシミュレートした SIR モデル(pp.19-20),また各変数の根拠,基本再生産数(R0)を2.5とした根拠につき詳しく述べています(pp.20-21)。
個人的には,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する政策,その評価に関心がある人は必読の記事と思います。
以上が,N1(西浦博「『8割おじさん』の数理モデル」)について。
西浦博×國井修「対談 日本のコロナ対策は過剰だったのか」 - ニューズウィーク日本版
newsweekjapan.jp/stories/world/…
國井:5月4日に緊急事態宣言を延長したことが解せないという声があるらしいが?
西浦:4日に先立つ評価として,接触をほぼ追える状態に至っていなかった。十分に減るまで待とうということだった(N2 pp.24-25)。
newsweekjapan.jp/stories/world/…
國井:新規感染者数は減ったように見えるが,要検査者・陽性率・医療提供体制も逼迫状況があった。
西浦:感染者数がある程度下がってきても,自然に下がってそのままゼロになるという考えは理論的に支持されない。いつでも再流行が起こり得る状況にある。
newsweekjapan.jp/stories/world/…
國井:基本再生産数を欧州並みの2.5にしているのはなぜか? 日本はもっと低いという見方もあるが?
西浦:東京で,瞬間風速で数日間,実効再生産数が2.6程度だった。接触削減下のでこの数字であるのだから,基本再生産数2.5が特に高いとは考えていない。
newsweekjapan.jp/stories/world/…
編集部:悲観的な予測によって生じた経済的犠牲が大きすぎるとの批判もあるが?
西浦:行動変容には被害想定は不可欠なので,あの発表はしなければならなかったと思っている。ただ,対策をすれば数字は下げられる,という点をちゃんと伝えるべきだった。
newsweekjapan.jp/stories/world/…
ニューズウィーク日本版 @Newsweek_JAPAN の6月9日号記事のの一読を強くお勧めするゆえんです。
感染症対策と経済は必ずしもトレード・オフにはないでしょう。
批判者の批判の論点を踏まえ,より効果的,かつ経済へのダメージが少ない方法感染症対策が必要だと思います。
全ての人が,新型コロナウイルス感染症と対峙・共存する社会のあり方を模索していかなければならないと思います。《この稿終わり》
雑誌「ニューズウィーク日本版 2020年6月9日号」に載った,西浦博先生が執筆した記事,6月11日にウェブでも読めるようになったようです。
西浦博「『8割おじさん』の数理モデルとその根拠」 - ニューズウィーク日本版 @Newsweek_JAPAN
newsweekjapan.jp/stories/world/…