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留学を終え、東京で就職し社会人になった時、仕事やプライベートで、さまざまな出会いがあり、左の人、右の人…色んな人とあった。それで、中国について語ると、今とあまり変わらず、右とか左の立場が先行しすぎて、リアルの中国なんかみんなどうでもいいのが透けて見えて、バカバカしくなって旅に出た
東京で出会う人々と中国について話す度に、本当の中国はそうじゃないんだと言いながらも、自分が本当にそれを知ってるのか自信がなかった。どこに行けばそれがわかるというアテもなく、上海から西を目指して、長い旅に出た。わかるまで帰ってこなくていい、みたいな。投げやりで、無計画な旅だった。
「物見遊山」的ではなく、「人」の中に入っていきたかった。まだ21世紀の初頭は、日本人と中国人民の間には、貧富の差が大きかったし、反日感情もあったし、「見えない壁」みたいなのが間にあって、その外側から見てきたフリをして、中国をわかったフリをしているようで、その「壁」を越えてみたかった
東京で働きながら「世の中」を知る内に、テレビ見て、新聞や本読んで、それで何もかもわかったようなフリをしている社会の薄っぺらさに気づいて、何もかも嫌になってた。「じゃあ、自分はどこまで出来るのか」限界を試してみたかった。「美味しかった」、「楽しかった」じゃない、武者修行のような旅を
…で、出発したらすぐにバスが故障してw、この時はパンクだったけど、後で3回ぐらいエンジントラブルがあった。乗客は中国人の他に外国人も多かったけど、故障の度に、みんなで文句いって、治ったらみんなで歓声をあげて、最後の方は謎の一体感があるのな。今でもこういうバス、中国で走ってるのかな。
今まで全然行ったことのない場所に行って、人の中に入って行って、話をしてみたかった。こういう自分勝手な理由でいきなり行って大丈夫なのかな…と心配だったけど、行く先々で歓迎された。なぜなんだろう。みんな、「遠いところからよく来なすった」と喜んでくれた。なんだか嬉しそうだった。
村の子供とも遊んだり。こういう時に、カメラはとても役立った。撮影してあげて、液晶画面を見せてあげると、それだけで大興奮して、みんなで「もっと撮って!」となるのね。日本だと、知らないオッサンがいきなり来て、子供撮影したら犯罪者扱いだけどね。どっちがおかしい社会なのかわからなくなる。
チベット仏教の寺院に入っていって、僧侶に片っ端に話しかけていたら、中に漢民族だけど出家してきた…という青年がいた。私は漢民族は「弾圧する側」と思ってたけど、話を聞いてみたら、社会出て人間関係で苦しくなって、それで会社ヤメて出家した…らしい。私も彼も似た者同士ですぐ仲良くなれた。
この辺りから、自分の中のリミッターが完全に外れてしまって、世界の果てまで行けそうな気がして、もうどこでもいいから、もっと遠くへ行こうと思って、更に西へ西へと旅を続けた。
闇バスに乗って、十数時間ぐらい走ったのかな…今となっては地名も覚えてない。そもそも地名があったのかもわからない小さな村で降りて、そこでお寺に泊まり込んで数日間過ごした。こんな感じだから、もちろん電気は通ってない。商店もない。村人の大半は普通話ができない。牧民たちの小さな村である。
私がフラフラ歩いていると、遠くの方で私を見つけた人が「おーい!」と手を振るので、近寄っていくと家に入れてくれて、お茶とお菓子をごちそうしてくれる。滅多に外来の客が来ないので珍しいのだ。そこを出るとまた隣の家の人が「おーい!」と呼んでくれる。満腹なので断ると、残念そうな顔で落ち込む
「あの外国人は、お隣さん家には来たのに、ウチにはこなかった」ということになるらしい。不公平なのは良くないので、呼ばれる限りなるべく訪問するようにした。お陰で、たくさんの家の中に入れて、色んな話が出来た…とはいえ、普通話はほぼ通じず、かなりアバウトな会話なのだが。
カマド。無論ガスは通ってないし、LPガスも持ってこれない遠い場所なので、燃料は木と家畜の糞を乾燥させたもの。東京からやってくると、21世紀になっても、カマドで煮炊きしている!というのが驚きだったけど、中国の内陸や少数民族地域では、こういうのがまだ珍しくなかった。今でもそうなのかな。
ここは、チベット族の村なんだけど、1500人が住んでいても学校がない。聞いた話では、あまり親政府的ではない村らしく、ゴタゴタあって、政府が嫌がらせに学校を作らないらしい。だからこの子供たちはずっと家にいて、親の仕事の手伝いをするそうだ。私が行った時は、さっき作ってた料理を寺に運んでた
ダラダラとツイートを続けてきたが、本題に入る。最近、「中国では6億人の月収が千元」という李克強の発言が話題になり、ここでも色々言われてたけど、私が行ったこの村は、たぶん月収千元もないと思う。というより、現金が必要な生活をほとんどしてないのね。中国にはこういう場所がまだあるだろう。
日本みたいに小さな国ではないので、中国は広すぎて、地域によって全然違う生活のスタイルがある。「月収おいくら」という尺度で、14億人を一律に区分して、貧困云々という話をするのも強引だ。無論、格差は改善されるべきだが、「6億人が月収千元」で鬼の首を取ったように喜ぶ人達に違和感があった。
中共は軍拡をやめ、貧困地域の生活を改善すれば、人民も喜ぶだろうし、諸外国も中国を見直すだろうが、なかなかそうならない。我々外国人が、そんな中共を批判する時に必要なのは、6億の人民がどういう生活をしているかを知ることではないか。反中の者こそ中国へ入っていかねばならぬ…と思うのである
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