成人男性って単体でいるときよりも複数が集まってホモソーシャルと化した際に付与される役割(role)を務めているときの方がキャラが色濃く出たりするし、たまにその自身に託された役目や立場を放棄する瞬間にこそ個性が発露したりするから、
たとえ問題点やバグが多々あったとしても、個人で存在しているより団体になってホモソ化しているときの方が(シッピングの有無は関係なく)魅力も高まるというジレンマはあったりするんだよな。
もはやネガティブな印象でしかなくなった“男らしさ”という概念だけど、ホモソーシャル内の別個体から相互監視的に加えられる圧力への対応そのものを男らしさと呼ぶのだとしたら、それはある意味“脆弱性の露呈”という脆さや儚さとしての魅力に見える瞬間もあるんだと思う。
映画「ライトハウス」はこの“脆弱性の露呈”を描くのが本当に巧みだったと思う。“男らしさ”を“手を差し伸べたくなるような弱さ”という本来の形で描いたとき、それは痛々しい魅力として映るのだということを叩きつけられた気がする。
(ヘテロであることを自覚している男性で構成されているはずの)ホモソーシャルがふとした拍子にホモセクシャルに救いを求めてしまう瞬間て多分客観的にはそれほど珍しくないんだけど、
当人たちからしたらそうして心細さを補填しようとする姿を見られる(ホモソの外側に知られる)ことって、相当屈辱的であり、取り返しがつかないくらい重大なことのような自覚があったりするんだろうな。
思春期の性の揺らぎってどんな個体にも起こるもので、だから成長期限定の同性愛って全然珍しくもなんともないんだけど、そういった体験を共有した男同士が互いを“恥部”だったり“弱み”として捉える現象こそ、弱さという意味合いでの“男らしさ”なんだろうなって思う。
過渡期の同性愛をあっけらかんとオープンにしている男同士の関係の方がある意味ホモセクシャルとは一定の距離をしっかり保ててたりもするし、やっぱり意識して揺らぎ続けていることって、それだけ執着があるからだったりするのかもしれない。
この手の揺らぎを芸術的に描き出せるとしたら、それは多分直接的なゲイポルノとは一線を画した官能になり得るんだろうなってライトハウスを見て思ったんだよね。あの不安や怖さっていうのは多分、この揺らぎに触れてたからなんだと思う。
アメリカン・ビューティーがアカデミー賞を獲ったという事実を今考えてみると、そこにもこの揺らぎの表現があるようにも思える。男たちの多くがあのラストシーンに不安とも共感とも判別のつかない何かを感じたんじゃないだろうか。
ホモソーシャルに属しながらもホモセクシャル的関係に救いを求めてしまう素養って、当人にとってはどうしようもない“弱み”を抱え続けている状態とも言えるし、
でも人間である以上グラーデーションの濃度はどうあれ100%ヘテロである個体のが少ないんだから、あの手の揺らぎというのは男が本能的に抱えている不安でもあるのかなって思うし、最近では悪しき男らしさからの脱却と同性愛的焦がれの“カジュアル化”を関連付けて描く創作物も増えてるなって感じる。

• • •

Missing some Tweet in this thread? You can try to force a refresh
 

Keep Current with どぶねずみ

どぶねずみ Profile picture

Stay in touch and get notified when new unrolls are available from this author!

Read all threads

This Thread may be Removed Anytime!

PDF

Twitter may remove this content at anytime! Save it as PDF for later use!

Try unrolling a thread yourself!

how to unroll video
  1. Follow @ThreadReaderApp to mention us!

  2. From a Twitter thread mention us with a keyword "unroll"
@threadreaderapp unroll

Practice here first or read more on our help page!

More from @dobnezumi

21 Jul
男性に備わった性的な承認欲求の強烈さというのは、男性同性愛者たちが見せる深刻な性依存傾向の現状や、RTやいいねといった目に見えた“数字”の獲得のために自身の将来を一切考慮せず“社会的な死”と呼べるような顔出し破廉恥動画を投稿してしまう若年ゲイたちの中毒状態を見れば一目瞭然だと思う。
肉体構造が同一という安堵の中にあってもあれだけの性的承認への焦がれが存在しているのだから、その矛先が肉体構造が異なる異性に向いたときの不安的さと暴走具合って相当なモノになってしまうんだろうなって感じる。
ゲイ(男性)コミュニティが内包する(とはいっても抑制しきれずに度々公共の場での迷惑行為となって外側に漏れてしまってもいる)性的承認欲求の氾濫がすべてを物語っているけど、この社会っていまだに男性に備わった性的な課題を非当事者である女性たちが請け負い過ぎてるんだよな。
Read 9 tweets
20 Jul
ありがとうございます!チャットに書き込む勇気がないとのことですが、ご自身が心地よく視聴できることが一番大事なので、これからも好きなときに好きなように視聴いただければ幸いです。素敵なマシュマロに感...
続き→marshmallow-qa.com/messages/e3a7f…
#マシュマロを投げ合おう
正直、匿名だろうとなんだろうとこういった具体的な感想をいただけること以上にありがたいことはありません。自分が大事にしている“人様が作ったものを自己顕示欲に利用しているのだから、せめて全力で真摯に”という気持ちが、少しでも伝わっていることがなによりもうれしいです。
これは信頼の置ける友人たちから再三指摘されてきたので確実なことだと思うのですが、おそらく私どぶねずみは普段の創作活動やSNSでの言動においてかなりとっつきづらく声をかけにくい人間なんですよね。重々自覚はあるし、個人的にはそれをどうにかしようとも思ってないんですけど。
Read 7 tweets

Did Thread Reader help you today?

Support us! We are indie developers!


This site is made by just two indie developers on a laptop doing marketing, support and development! Read more about the story.

Become a Premium Member ($3/month or $30/year) and get exclusive features!

Become Premium

Too expensive? Make a small donation by buying us coffee ($5) or help with server cost ($10)

Donate via Paypal Become our Patreon

Thank you for your support!

Follow Us on Twitter!

:(