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鳥取県平井知事定例記者会見(2022年1月28日)

文字起こし
pref.tottori.lg.jp/302482.htm
会見資料
pref.tottori.lg.jp/secure/1273054…
動画
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(コロナ関連だけ要約)

🔹第6波の感染連鎖事例

それぞれの現場で、今どういうようなことが起きているのか。この感染急拡大を抑えるのに何が役立つのか、その実相を見ようといろいろと分析作業をしている中で見えてきた典型的な例を幾つか御紹介したいと思います。
従来は子ども子ども間感染はそんなにはなかった。従来のアルファ株、デルタ株で見られた保育所のクラスターは、保育士さんとかスタッフからお子さんに感染させるものでした。しかし、今はエアロゾル感染と言われるようなことが児童福祉施設の中でも起きるようになってきている。
それで、こういうところが1つの核になるわけです。こういうところで仮に大きなクラスターが発生しますと、これがいろんな家庭とつながっているわけで、そのご家庭の中で例えば兄弟姉妹にうつるとか、そういうことがあるということです。
この具体例ではご両親が陰性なのはちょっと不思議ですが、この辺はまだ解明し尽くされていませんが、もしかするとやっぱり一定程度ワクチンの効果があるのかもしれませんね。その辺は長い時間かけて検討しなければいけない、分析しなければいけないことです。
我々は今回もいろんな事例に出会っていますが、大人でもワクチンをしてない人が結構防御をしているはずのところでかかっていたりします。だから、ワクチンを2回打っていることである程度の効果があるかもしれません。もちろん重症化予防の効果はよく言われることであります。
児童福祉施設や学校を核にしてウイルスは今、子どもを狙ってきている。子どもさんはワクチンを打っていないということもあるし、何故か今回のオミクロン株はお子さんにうつりやすい。お子さんがほかのお子さんに感染を広げたり、親や大人に感染を伝える力がなぜか今回はあると思われます。
そうでないと説明がつかないことがありまして、この辺が従来、専門家や政府なども十分認識していないじゃないかと思うんですね。それで相変わらず飲食店対策だけをこの国のコロナ対策だというふうにムードをつくっていると。
それで、メディアもそうですけども、今、まん延防止対策が始まるということで皆さん取材に行かれるのもみんな飲食店。しかし本当の感染現場はこういう児童福祉施設だとか学校、あるいはこういうスポーツ活動、こういうようなところが実は今のクラスターの中心であります。全然違うんですよね。
ところがその専門家の皆さんが4人だとか、5人だとか人数制限さえ守ればいいみたいなイメージを与えてしまっている。本人はそのおつもりはなくてもそういうイメージを与えてしまっている。
それで結局、飲食店があれだから、飲食店さえ行かなければいいということで、学校とか保育所の対策を国全体で少し疎かにしているんではないか。少なくともまん延防止等重点措置の対策についていえば、飲食店に協力金を出すということしかその中に書いてないです。それでそれ以外の対策がないんです。
これではこの児童福祉施設や学校が中心でクラスターが起こっているという現状には立ち向かえないんですね。闘えないんです。だから、全国知事会でも度重ねてオミクロン対策にふさわしいまん延防止対策にしてくれと言っているんですが、なかなか動いていただけないというのが現状であります。
今日も午後に全国知事会がありますけども、皆さんどうおっしゃるか分かりません、恐らくそんな話がどんどん出てくると思いますね。とにかく今の国がやっている専門家が主導している対策は全然効いてないということでありますので、これはやはり考えなきゃいけません。
国全体のムードでとにかく飲食店を悪者にするかのようなそういうムードをあおって、それで飲食店対策さえやっとけばいいというふうにするから、肝心の学校とか保育所での対策がうまく動いていかないということもあるのではないかと思うんですね。
今のオミクロン株の癖は、こういう子どもたちのクラスターをつくり、ここから分散させて各家庭に散っていく。そうすると面的に地域に広がっていくわけです。それで今、1つの保育所でかなり大きなクラスターがあると。そうするとそれが小学校とかにも及んでいくわけですね。
それで小学校でも感染を広げると。それが地域の近い学校にも感染を広げていき、学校で広がると持って帰って家庭にも広げていく。それでこういうことが重なっているので、全国で急拡大している数字に見えるのですが、
その内容をきちんと分析していただければ、実は飲食店街で次々にお店に行った人がかかっていて、それで広がってきたという従来のデルタ株までとは違った広がり方をしているということは明らかに見えると思います。
それに基づいた対策をしないと、これは収まらないと思います。ただ、1つ救いなのは、我々は第5波まで経験していますから体感的に分かるんですが、必ずこの感染症というのは収まる時期が来るんです。それでこれはウイルスの都合で多分収まるんですよね。
それは飲食店対策がうまくいったから収まっているわけでは必ずしもないのですが、その辺をなかなか専門家の皆様が明らかにしてくれない。だから、知事たちは結構ここに不満を持っているんですよね。
我々は本当に闘う相手を知りたいし、健康を脅かされるだけでなく、爆発的に広がっていますので、この感染拡大がもとでエッセンシャルワーカーなどに影響して社会機能まで脅かされようとしているのですから、やはり本質に向かっていかなければいけないと思うんですね。
それで、これは世間の認識も含めて改めていく必要があると思います。これは1つのケースなんですが、家庭内感染がありましたと。この家庭内感染で別のご家族メンバーに感染が広がり、これが高齢者福祉施設に入っていったというような実際のケースもありました。
本県は結構ご高齢の方いらっしゃいます。90歳、100歳という方は結構おられます。そういうところに感染が広がると、えらいリスクがあることは皆さんもお分かりになると思います。
ですから、単純に「重症化することは少ない」と言うだけでなく、高齢者福祉施設にも実は全国で広がっているクラスターがあるということも忘れてはならないところです。子どもたちを守りお年寄りを守る、こうしたことをテーマにオミクロン株対策は本来やらなければいけないんではないかと思うわけですね
それからこのケースはかなり広がったケースですが、ある県外でのスポーツ活動がもとで各ご家族に入り、その各ご家族のうちの1つのケースですけど、職場に入り、職場の中で家庭内に感染が広がり、家庭内でそのお子さんが通う児童福祉施設でクラスターが起きる、こんなようなケースもあります。
こうやってつながっていくんですよね。それでこれがだんだん世代を変えて、今、来ているわけです。
専門家がおっしゃるように、オミクロン株の初期においては若い方々中心の、成人式の後の2次会等々のことでクラスターがあったと。これは本県でもそうしたことと言えるケースがあります。そういうようなケースは、でも1月の頭ぐらいの話でありまして、その後ずっと世代が下りているわけですね、
こういうふうに世代がだんだん下りてきて、次の世代、次の世代と徐々に感染が広がってきている。全国押しなべてこういう児童福祉施設とか学校とか、そうしたところでクラスターが起きています。これ、いろんな知事に聞いても、皆さん同じことおっしゃいます。
だから、今もう、対策の中心はそちらに移さなければいけないというのが現状です。

🔹第6波において本県で確認されたクラスター

これが第6波の初期から現在まで本県で確認されたクラスターです。以前のデルタ株のときは確かに飲食店のクラスターというのが多かった。
しかし、今回はそれを凌駕する、もっと多いぐらい、学校や保育所等のクラスターが多いということです。これはこのたびの厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議でもクラスターの中で学校等が占める割合が上がっているというのがようやく出てきましたけども、これが現実なんですよね。
本県でも典型的にそれが出ています。飲食店中心だった第5波に基づく対策としては、協力金制度なども有効だったと思いますが、今回はこういうような形で学校や保育所等のほうに感染の中心が移っています。
特に今あるクラスターというのは事業所とか学校、保育所で、飲食店でのクラスターは、一生懸命我々ないかどうか心配をしながら検証しますけど、出てないというのが現状です。以前のオミクロン株の初期の頃にはありましたが、今はなくなってきているというのが現状であります。
🔹市町村と連携した在宅療養サポート体制

感染の波は、全国まだまだ高くなるでしょうが、いずれは下がってくる。その下がってくるときまで何とか持ちこたえて、感染の波をできるだけ低くし、社会的インパクト、健康を守る、そういう観点で感染の波を下げる努力をするというのが第1戦略です。
患者の数は今までになく増えてきていますが、幸い軽症者が多いので、軽症者対策の医療的ケアも含む見守りが第2戦略になると思います。感染が多くなった県ではなかなかそこは全部できないということになり始めていますが、本県は何とかそこを守ろうと在宅療養サポート体制ということを考えたところです
これはその後進展があり、1月25日に市町村と覚書を締結させていただきました。鳥取市保健所管内は鳥取市とその東部4町で結んでいただきました。従来やってきた保健所、訪問看護ステーションによる見守りは機能しています。現在も主流はこれで動いています。
それに加えて鳥取方式の安心投薬システムも動き始め、現にやっていただいています。

昨日も医師会側と協議をしました。自宅で療養されるとき、対症療法的なものが中心になると思いますが、投薬を積極的にしていただきたいとお願いしています。
(オミクロン株は)結構発熱などの症状が出るので、薬剤師会や医師会等の協力を得て、投薬を行うよう動き始めています。

(感染者が)段々多くなってきた場合は、市町村での見守りをお願いをしようと。
県庁のMyHER-SYSはそれぞれの陽性者の方にナンバーをつけて、IDを取っていただいています。IDをお渡しして、それに基づいて自己管理もできますし、フォローアップをさせていただき、異変があれば即座対応するということにしております。これは昨日から中西部で運用を開始しております。
東部についても鳥取市保健所さんと今、協議していますが、忙しいので県庁のほうでやってくれないかということなので、今後東部も含めてMyHER-SYSをやっていくことにしたいと思います。
今、「家でじっとしていてください」と報道されているので、そのイメージがあると思いますが、本県の場合は家で1人でぽつんとしている状態にはしない。そういうことはしない、誰かが見守りに関与していると。お薬なども必要ならば届けられるようにする。
それからインターネットも通じて、自己管理をしがてら全県的な見守りも受けると。本県は今週からこれらの機能が本格的に動いています。

まだ患者さんは増えると思います。今日も196人という、大変多い数になっています。特に西部が多く、予断を許さない状況だと思っています。
🔹保健所体制の強化(オミクロン株緊急体制)

それから保健所機能がだんだん低下するということにならないように、本県の場合は保健所を守るということをして、これによって調査能力が衰えることがないようにしようと。
ここが切れると、要は天井が抜けるような形で感染が急拡大しっぱなしになりかねないということです。そこで我々としては小さな県庁ではありますが、米子で60名、倉吉で15名、既に専任の職員を保健所に追加配置して、事務屋の総合事務所長もその対策本部長として常駐をさせることにしました。
今、これが動き始めていて、例えば(土地)改良普及員さんが積極的疫学調査の聞き取りをしています。このようなことをいろいろとさせていただくわけです。
現場とも日夜話をしていますが、とにかく初動が大事。オミクロン株の場合、1日放置しますとその間どんどん広がります。世代時間が短いので、次の世代へ、次の世代へとつないでいきます。
それだけ感染が早いものですから、スピードが比較的早い鳥取県では今まで何とか食い止めてきましたが、残念ながら西部でそこから抜けていったものがあると。ひょっとすると見えないオミクロン株がいたのかもしれません。それで、いずれにせよ、今、市中に流れていっていることは間違いない。
これを何とか抑制しようということで、今、不要不急の場合は自粛できませんかというお願いをさせていただいてるという心苦しい状況でございます。
(クラスターが)市中に潜っていることもあるのか、面的にかなり広がった形で、あっちの学校、こっちの学校とクラスターや感染が出てきています。大切なのはそこから先に広がらないようにすることです。できるだけ迅速に初動で陽性者が見つかったときに動かなきゃいけない。
これを、保健所で全部やるのは手が回らなくなり、翌日延ばし、翌々日延ばしに仮になったとすると、その間に感染が広がり、さらに広がったところから次の感染へと広がっていくと。先ほど図を見ていただきましたが、あの連鎖がどんどんつながっていくわけですね。
それを阻止するためには、初動で動こうということにしました。それで、子ども関係施設等感染拡大防止の特命チーム、学校感染拡大防止の特命チーム、社会福祉施設感染拡大防止の特命チームを設置して、これをこうした保健所機能と連携させる、あるいは代替をさせるということにしようというものです。
🔹施設等における新型コロナ感染拡大防止対策の強化・実施

これは、具体的には子ども関係施設、保育所とかですが、感染拡大防止チームをつくりまして、まず初動対応。保育所のお子さん(の感染が判明した場合)、この子の濃厚接触者の範囲はどこかな。今まではこれを保健所が聞き取っているわけですね
保健所が聞き取ってPCR検査をどの範囲でやるかを決めて、PCR検査の準備をして、陽性か陰性かを判定してということが必要です。

本県ではこれを広めに、早めにやろうということで、これまで何とかクラスターの拡大を止めようとしてきました。この作業は続けなければいけない。
ただ、保健所では、これだけたくさんの保育所などで発生してくると難しくなるので、そうした作業を保育所の当事者の皆さんと一緒になって進めてしまおうということです。それでこれ必ずしも保健所職員でなくてもやれるんじゃないかということですね。
それから実際に保育ができなくなった子、その預かり保育のお世話等もしなければなりません。こういうこともサポートしていくということでして、市町村とか、現場の福祉局と連携をして進めていこうというものです。
学校については、同じような作業を県の教育委員会を1つキーにして、市町村教育委員会、それから各学校、ここがつながるネットワークの中で対処していこうということです。学校には生徒の名簿がありますよね。それは学校が一番よく分かっているわけです。
学校で、その生徒の名簿に基づいてPCR検査対象の範囲を決めてもらう、作業してもらうと。そこに番号をつけて、PCR検査の検体の容器と結びつけた上で、配布していく。それを集め、回収してPCR検査に回していくと。
単純な作業ですが、こういうのを一つ一つ保健所だけであらゆる学校をやるのは、もうなかなか手が回らなくなる。そこで学校と教育委員会というネットワークを使おうということですね。
それから社会福祉施設、例えば高齢者施設などは入り込むとややこしい。先ほど申しましたように、重症化の危険などもある。そこでそうした高齢者施設などについても、初動で動けるようにやっていこうと。これも福祉担当の我々のほうの部局と一緒になって、高齢者福祉施設等と共同してやっていこうと。
🔹感染拡大防止特命チームの業務内容

保育所、幼稚園の場合、この特命チームでこういうイメージで検査対象者リストを作成します。これは保健所の外と思っていただきたいと思います。保健所と連動している別部隊で検査対象者リスト、検体採取の準備や調整等をやる。
保育園で聞き取りをしていただいて、どういう活動をしていたのか、活動記録とか、接触者はこういう人がいますよとかを検査対象者リストに持っていくわけです。

この辺は全部保健所職員がやるのではなくて、地域ぐるみで保育施設にもご協力いただいてやっていこうと。
検体の採取とか、保護者への連絡などもこうした当事者である保育園等にお手伝いをいただこうと。休業しなきゃいけないとか、いろんな相談事もこの感染拡大防止特命チームのほうで乗っていこうということです。こうした独自の仕組をちょっと鳥取県作ってみようと。
全国でもここまでやるとこはあまりないと思います。なぜここまでやるんだと言われるかもしれません。しかし保健所の機能を守らないと、感染の拡大はなかなか抑える力がないんですね。ここを最初にあきらめてしまうのではなくて、ここは担保をしながら片方で軽症者の見守りをやっていくと。
この両面作戦をやっていけば、この波いつかは通り過ぎると思いますが、それまで持ちこたえる、そういうことになるんではないだろうか、そういう意味で戦略的に少し作戦を立てて今やり始めたところであります。
🔹抗原定性検査キット・検査試薬の確保

それから世情よく言われる抗原定性検査キットが全国的に足りないということです。今月中旬にも後藤厚労大臣に全国知事会で要請する機会にも、抗原定性検査キットが足りないという現場の声がある、PCR検査の試薬も足りないと言われていると申し上げました。
大臣からはそのときに、増産をかけているというお話がありました。昨日大臣から重点配分をするということがぶら下がり会見で初めて示されました。やはり不足しているんですよね。そういうような状況です。
我々も医師会などと話をしているんですけど、やはり医師会、クリニックで診断するときに、この抗原定性検査キットがないと、言わば弾がないという状況になります。それで判定をしないと、例えばモルヌピラビルとかそういうものの処方も、実情やれないということになります。
確かに診断すりゃあいいじゃないかということはあるかもしれませんが、厚労省が示しているものでも、結局、周りの家族で感染があるとか、そういうことがないとなかなか臨床で診断しにくいということがあります。そういう意味で、何とかこの抗原定性検査キットを確保しようと。
そこで本県は、ちょっと裏技を使おうと。県のほうで備蓄していた抗原定性検査キット910回分を医師会に提供させていただきました。これは医師会のほうで「ないぞ」といった医療機関に当座回そうと。それから社会福祉施設のほうに、検査の都合もあるだろうということでお渡しをしていた分があります。
これを融通してもらって優先度の高い医療機関に提供させると。これが1290回分です。これにより2千回以上の分は取りあえず確保しようと。そのうち増産が始まるとか、国のほうで供給の優先度をつけたということが機能してくれば回るようになるかもしれません。当座、これでやっていこうということです。
また、販売業者さんとの斡旋、情報共有ということも医師会、医師の皆さんとやっていこうということです。

それからPCR検査試薬、あるいは抗原定量検査試薬についてです。特にPCR検査試薬は県の行政検査などでも必要なものですが、県の衛生環境研究所については、今のところ1か月分試薬を確保しました
これにより、今のオミクロン株の波ぐらいは乗り切れる、そういうだけの体制を取ったところです。
9  県営大規模ワクチン接種センターでの追加接種
10 県立集客施設における感染拡大防止対策
11 県応援金、国支援金による事業者支援、相談窓口強化

(省略)
🔹県内小学校全学年への30人学級導入に合意

前回、御紹介しました30人学級について、このたび市町村長と膝を交えての行政懇談会が24日にありまして、最終合意となりました。2月定例県議会に関連の予算等を提案したいと思います。
そのときに市町村長からいろんな疑問やお願いが出ました。1つは学校の先生確保できるのかということでした。これは義務標準法という法律があって、学級数というのは法律の仕組で算定されます。
ここに例えば40人をメルクマール(判断基準)して計算しなさいとか、30人をメルクマールして計算しなさいとかあるわけです。その標準の学級数というのは、実はこれ、来年度の小学校3年生ですと法律上35人学級を標準とするもの187学級というのが予定としてあります。
それで、我々が30人学級で今回上乗せをするのは17学級分ですので、先生の数で言ったら204人が必要教員ということです。
ただ、実際はざっと200人ぐらいの学校の先生が、現在、学級に張り付いています。生徒数の減少があるので、学級自体の数が全県で減ってきますから、差引しますと数人レベルで増やせばいいということです。
これから採用に向けて、例えば関西でも試験をやるなど、いろいろとプロモーションをかけて補っていくことになります。
教員の資質向上を求める声も強かったですが、これについては研修会やエキスパート教員の活用、また学力向上については、先般合意した学力向上の推進会議で機動的に県市町村一体となって進めていこうと、特に授業改善を図っていこうと考えています。
そのほかICTの活用なども展開していこうということです。なお、先般のこの24日の県市町村行政懇談会議を踏まえて末松文科大臣のほうでも我々の、鳥取県の少人数学級を評価していただくコメントが記者会見であったというふうに承知をいたしております。
13 星空がきれいだと思う都道府県はどこ?=鳥取県1位
14 鳥取砂丘月面化プロジェクト
16 ついに「青谷弥生人」そっくりさん&名前が決定

(省略)
🔹東京都からの人口移動増加率が鳥取県1位

このたびデータが出てきてびっくりしたのが、コロナ前後において東京都から人口が移ってきた、その人たちの増加率が鳥取県は23%で第1位ということになりました。長野県などよりも大分上回った形になったんですね。
やはりコロナで我々のところ、比較的コロナ抑えているというイメージがあったり、我々としても移住ターンだとか、副業などを進めてきているということもあったんだろうと思いますが、こんなようなことになりました。
さらに新年度に向けて、先ほど申し上げた三千六百数十億の予算の中でいろいろと展開していこうと。例えば兼業、副業活用して転職なき移住、こういうものをやっていく、その支援制度っていうものをつくってみようかと。
あるいはファミリーワーケーション、今もエアラインのチケットなどを支援する制度というのは動かしておりまして好評いただいているんですが、受皿となるような県内の施設の環境整備も進めるような、そういうファミリーワーケーション支援ということも考えてもいいんではないだろうか等々、
我々のほうでも新年度に向けてさらに対策を進めていきたいと思います。
質疑応答

🔹まん延防止等重点措置の要請

Q.山陰中央テレビ 赤木記者

まん延防止について。先ほど知事もおっしゃっていましたが、飲食店から協力金を求める声も上がっていると認識しています。協力金という意味でまん延防止要請しないことついての知事のお考えをもう一度お聞かせください。
A.平井知事

この辺が、私も非常にこの国の状況を憂慮していますし、全国の知事も困っているところです。現在のまん延防止等重点措置というのは、協力金の制度と直結していて、それだけの制度になっているんです。
先ほど申しましたように感染状況は全く違いまして、今、学校、保育所などですので、飲食店で発生をしているわけではありません。ですから、時短要請がいいことかのようにここに来て急に報道されているのが不思議でしょうがないんです。
時短要請というのは皆さんも、もう一度思い返していただいたらと思うんですが、そういうかわいそうなお願いを飲食店にかけるという権利制限なんですよね。それで、その権利制限をかけることが本質であって、協力金が本質ではないんです。
ですから、本当にそうした権利制限をかける必要があるのかなというところで、皆さん躊躇をしてまん延防止に進むのがいいのかどうなのかということで立ち止まってしまっていると。私はまだ穏やかに言っていますが、愛媛県とか、奈良県の知事などはかなり先鋭的に言葉を選ばずおっしゃっておられます。
その辺が制度の矛盾があるんですよね。本気で有効な制度を考えるのであれば、こうした様々な現在の感染状況に即した対策が取れるような、まん延防止等重点措置にしていただきたいというのが率直なところです。
支援のためにまん延防止等重点措置をというのは、本来、主客転倒でして、先ほど申しましたように、今、非常に困難を味わっておられるそういうところに対しては、私は支援を追加してもいいと思っています。
それは飲食店だけではないはずで、タクシー代行の会社もあるでしょう。これは飲食店街がらみですけども、商店街の人たちだってあるはずです。ところが、今はそのまん延防止等重点措置をとにかく出してくれ、出してもらえれば協力金がもらえる、それは飲食店限りだと。
それでそこの落差がつきすぎていて、モラルハザードを起こしているのが現状です。だからもう一度冷静に考える必要があるだろうと。原因は国全体でこれまでつくってきたムードでして、とにかく飲食店がこのコロナだとイコールでつないでいるところに間違いがあります。
今、飲食店イコールコロナではないんです。

こういうように社会全体に広がってしまっていると、ややこしいのはこの学校や保育所のクラスター、これ我々も必死で追いかけて抑え込みにかかる、多分鳥取県の実力なら一定程度で抑えられると思います。ただ、これがどうしても染み出すんですよね。
もう面的に広がっていますので、そうした市中感染があることによって、恐らく急速に上がっていくという局面が生まれると。これが今の日本各地の状況だと思います。
皆さんもデータとか数字を見てすごく不思議に思われると思うんですが、急に堰を切ったように上がる瞬間ってありますよね、この日を境にというような。それ多分市中感染だと思います。
そういうのが起きかけたので、今回、両市長と相談をして市中感染を抑えるためにはやっぱり接触機会というものを考えなきゃいけないと。それ以外に実は手がないんですよね、市中感染の場合は。
このときに飲食店だけ止めましょうということで解決するかと言ったら、常識で考えていただいたら分かると思うんですけど、ありえないです。だから、これは、今、日本の中でまん延防止等重点措置というのは違ったものになってしまっている。
それがまたゆがんだ形で報道されるものですから、話がどんどん袋小路に入ってしまっている。我々が本当に向き合わなきゃいけないのはこの現実です。クラスターが起きている現実、実際に子ども達が幼稚園や保育園にも行けなくなっている現実を何とかしなきゃいけない。
これを国全体でメディアも含めて問題関心を持って追いかけてもらう。

それに併せた対策を国も考える。専門家の頭を切り替えてもらって、かつての4人だとか5人だとか、そういうところで何とかなると言っていた時代とは違うんです。今こっちですから。
ここで4人、5人で確かにクラスターが小さくなるかもしれませんが、この飲食店の4人に制限して人数が減ったからといって、この中でしか縮まらないですよね。こっちがどんどん増えてますから、だから全然解決になってないわけです。
ところが、それがあたかも当たり前のように皆さんも含めて日本中が誤解しているから話がややこしくなって、今こうした感染のまん延状況、爆発状況を生んでいるということなのです。それが真実です。
ただ、その上で事業者の方々の痛みに寄り添っていくということは、当然考えなければいけないかもしれないと。例えばまん延防止等重点措置を一部の地域でどうしても出せとおっしゃるのであれば、それは全県でやるべきです、支援策なら。だけど、それって本当に正しいのか僕もまだよう踏み切らんです。
皆さんも私の立場に立たれたら分かると思うんですけど、本来の目的とちょっと違ったことになっているので、なかなか納得がいかないし、真面目に感染対策をしている職員たちもそこはどうかなと思ってしまうというのが実情です。
そうした事業者のところには人が行かなくなっています。正直な話を申し上げますと、令和4年1月頭から(人が)行ってないんです。別にこの自粛要請をしたから人が減ったわけではないんですよね。我々もデータ持っていますが、それは米子市だけでなくて、鳥取市も減っているんです。
そうしたら、じゃあ鳥取市の人はどうするんですかということになるわけですよね。そのようなことで島根県さんも大分悩まれたと思います。本来であれば感染が広がっている地域を中心に島根県さんもされればよかったんでしょうけども、同じようなロジックで、こっちも、こっちもということになってくると
これが今、中国地方の現実で、広島県・山口県も含めてなぜか全県対象になっているということですね。

ここは話がこんがらがっていて、表面上のきれい事の話と本音の話とをきちんと考えた上で、対策を考えていかなきゃいけないだろうと思います。
まん延防止等重点措置も一定の効果があると思いますし、特に予防的なことを考えるのであれば、現在ないですけどね、今後広がるということで予防的なことを考えるのであれば、まん延防止等重点措置をお願いをするということはあり得るかもしれませんが、現状急ぐのは学校とか、保育所のクラスターです。
🔹本日の陽性者数の受け止めと県民への呼びかけ、今後想定される新たな措置

Q.NHK長山記者

1.本日196人の感染が確認されたことに対する受け止めと県民の呼びかけ。
2.子どもの感染が広がっている現状で、今後想定される新たな措置や、県民、特に県西部に対して求めること
A.平井知事

196名(1月27日)ということになり、我々も非常に危機感を持っています。その内実のところもよく見てみなければいけません。分析が必要ですが、196件の大方は西部です。130以上だったと思いますが、その西部の中で経路不明の数というところは必ずしも急激には増えていない。
何が増えているかというと、大きなクラスターが起きています。学校、保育所がありますし、それ以外にもございます。そうしたクラスターや感染が広がっているところがありまして、それを我々追っかけるわけですね。
鳥取県の場合、かなりスピード感を持って先回りしながら追っかけるぐらいに捕まえに行きますので、陽性者の数は他県よりもかなりきゅっと上がります。きゅっと上がった面は確かにあると思いますが、冷静に今後の動向を見なければいけない。
特に注目しなければいけないのは、こうしたクラスター等の動向ですね。クラスターがかなり大きなものが作られたり、感染がいろんな経路で広がっている。それが追っかけ切れるかどうかというのが1つの焦点です。これについては先ほどの保健所体制を強化をして保健所以外の部隊を投入をしてやっていくと
それと併せて見えない感染ですね、感染ルート、つまりリンクの追えない感染、いわゆる市中感染といっていいものについての動向というのは見る必要があるだろう。結局このリンクの追えない感染が幾つか、多分市内にあるんですね、
それで、市内にあるものの総体が増える傾向にあるのか減る傾向になるのか、この辺が分かれ道で、今日のところは一気にまた増えたとは言えないかもしれません。また一日一日動向を見ながらやっていかなければならず、場合によってはいろんな対策をこれからも講じていかなければならないかもしれません。
それで、伊木米子市長も大分悩まれたと思うんですが、保育所への登園について、もし、控えられるのなら控えていただきたいという、そういうお願いを発出されました。いろいろと手段を尽くしてやっていくべきなのではないかと思います。
🔹事業者支援のタイミング

Q.日本海新聞 濱田記者

まん延防止等重点措置は今、名目としては感染予防のためですが、実態としては飲食店に対する協力金、支援金が主になってしまっていて、そのほかの業態にも被害というか、影響が出ているわけですから、そこを県としても手立てをする用意があると
おっしゃいました。そのタイミングとしては外出自粛要請が終わった後に経済再生という意味で出されるのか、今、外出自粛要請しているさなかでも緊急的にそういった措置をされるお考えがあるのか、タイミングはどの辺になるんでしょうか。
A.平井知事

実は、新型コロナのコロナ禍再生応援金というのを始めたところです。これは現在もう対象期間に入っております。1月、2月も対象期間に入っていますので、これを活用していただくことが可能ですし、まだ皆さん見えてないんですけども、
1月31日から、こうした事業者向けの3割の売上減のあった方々に対しては、国のほうでまとまった額の事業復活支援金という、そういう制度がいよいよ適用され始めます。それで、こうしたことなどを当面は御活用いただけると思っています。
ただ、先ほど申しましたように、今回こうしたオミクロン株の流行によって、いろいろと事業の運営上、厳しさが深まっている。それは別に昨日、一昨日の話ではなく、オミクロン株による感染が県内で広がり始めた1月頭ころから、観光施設などもそうですが、かなりお客様の足が止まったりしている。
ですから、そうしたところに対する支援を我々もしっかりとフォローアップしなければいけないと思っていますし、先ほど申し上げた県やあるいは国も支援を始めると。それに対する追加策は、私どもとして考えていきたいと思います。
そういうことになるかどうかは(感染状況の)動向を見て考えたいと思います。まん延防止等重点措置というものをどう考えるか。国は制度改正してくるかもしれません。先ほど申しましたように、感染が今あまりないのが飲食店ですので、ここに適用して感染が止まるということは期待されないほうがいいです
しかし、オミクロンもうつりやすいので、いずれまた広がるかもしれないという意味で、予防的措置を取るためにまん延防止等重点措置を今度はこっちが便法として使わせてもらうということは100%ないわけではないかもしれません。
その辺はやはり我々保健衛生当局として最も有効な施策を考えていきたいと思います。

Q.提言に対する国の回答

毎日新聞 野原記者

先ほど知事のほうで飲食店対策に傾斜していることについて、国とか専門家の今の対策は効果が薄いという説明がありました。実際その提言等はされてると思いますが、
では、なぜその専門家や国は知事の提言を受け入れないのか、回答とか何かあったんでしょうか。
A.平井知事

具体的には火曜日(1月25日)に政府の基本的対処方針分科会がありました。そこに至るまで、専門家の方々の動きなどもいろいろあって、世間でもワイドショー的にいろんな取り上げ方をされたこともありまして、我々全国知事会は金曜日(1月21日)に対策本部の役員会を開いて、
オミクロン株に沿った対策をつくってくれと緊急に提出させていただきました。それで火曜日(1月25日)に政府の基本的対処方針分科会がありましたときに、そのペーパーをお示しをして、ワンボイスでの国民への呼びかけも含めて問題提起をさせていただきました。そのとき同じ話を実は申し上げています。
全国で、今、広がってるのは学校とか保育所などのクラスターであって、恐らくこれが家庭とのキャッチボールになったり、職場に行ったりして面的に広がっているのだろうとそのとき申し上げた。
いわゆるインフルエンザの対策のようなことが必要になってきていると。これはインフルエンザ並みの風邪のような病気だという意味ではないです。インフルエンザは学校の防疫を重視します。学校は感染の中心になるんですね。ここで感染爆発をしてそれが地域に広がる。そこからまた次の感染爆発につながる
ウイルスから見ると、効率がいいのは学校とか保育所みたいなところです。そういう意味で、今回のウイルスもそうした子どもたちを狙うウイルスになってきている。そういう特性がありますよということをかなり言葉を高めて強調させていただきました。
聞いておられた専門家の先生方、感染症の一流の先生方もそうだろうなという思いを持っていただけたと思います。飲食店の対策はごく限定的にしか機能しない、それ以外の対策をやるべきではないか、オミクロン株仕様に基本的対処方針を改めるべきだと。
こういうことを強く申し上げ、まん延防止等重点措置の見直しを訴えたんですね。

結論から言いますと、平井の発言があった後に別の専門家の先生方もオミクロン株にふさわしい対策をつくらなきゃいけないという声が複数上がりました。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会、これコロナ対策を話し合う分科会ですが、政府のコロナ対策を話し合う分科会を集めて、そこでオミクロン株対策にふさわしいまん延防止等重点措置などの対策を考えるべきだと尾身会長が分科会最終結論をまとめられました。これが結論だったです。
だから先ほどのような話は、私も専門家の皆さんに改めて訴えて、分科会としてもそれを受けて検討しようというところまでは来たということです。
ただ、今日に至るまでその後の動きがないという状況で、今日、全国知事会でも同じような意見は噴き出すんじゃないかと思います。ほんとはこれ急いでやらなきゃいけないと思っていますが、なぜこういうパーセプションギャップ(認識のずれ)が起こるのか。恐らく見ているものが違うと思います。
先生方に率直にいつも申し上げているんですが、私たちは素人と見られていて、どちらかというと外野席なのかもしれません。ただ、我々は日々、夕べもそうですけど、夜遅くまで感染ルートを追っているわけです。
今、この県内でこういうようにして感染が広がっているというのを具体的に、この人、この人と特定の個人まで含めて、毎日分析しています。今こんな状況だということを我々は見ていて、こういう構図を日々あぶり出して対応しているわけです。
例えば、今こういうように広がってきたら、これの対策をやらなきゃいけないとか、これが出てきたらこうならないようにここを収めるための対策を急ごうとか、こういうことをやって、具体的にはPCR検査を出動させるとか、そうしたいろんな作業も含めて毎日毎晩やっているというのが現実なんです。
それは我々の仕事です。

我々はそうやっているので感染状況よく分かるのですが、先生方は恐らく皆さんが毎日報道されているようなあのグラフを見ているんですね。それで、この感染の波が競り上がってきたとか、下がってきたとか、つまりトータルの数字が中心なわけです。
だから、統計学的にいずれ何日後にはこうなるでしょうとか、そういう話が出てくるわけですね。だけど、我々は現実のこの感染を見ていますから、今こういう状況だということで飲食店ではないということは分かっているわけです。
でも、先生方には、これは見えにくいので、多分そこに認識のずれが生まれる原因があるんだと思います。学者の先生方はエビデンス(証拠)とよくおっしゃいますので、若干前の時点の感染事例をみんなで分析して、こういう感染があったと認定されると思うのですが、それはオンタイムじゃないわけです。
我々オンタイムで見ているので、そこには認識のずれがあるのかなと思います。

あと政府側は政府側で、既にまん延防止等重点措置というのが法律も含めてかっちり決まっちゃってるわけですね。それで、そこに至るまでは財務省と内閣府で予算折衝などもして、こういう仕組をつくるということを
お決めになっているわけです、多分。ですから、そこから動きにくいという事情ももしかしたらあるのかもしれません。だけど、我々は現場ですから、そんなことで立ち止まっているわけにいかないので、現実にこういう感染が起こったら動きますよというふうになる。
そこにやっぱり認識のずれとか、熱量の違いが生まれるんだと思いますね。

今、こうやって感染が競り上がってくると、現場の我々はものすごく焦っています。感染を収めろというのは感染症対策で感染症法で定められていますから、我々はやるわけですがそれに対する有効な手法というのが今あるようでない
鳥取の場合は、先ほど申しましたようないろんな手法を駆使して、鳥取方式のPCR検査などもやって、何とか抑え込もうと戦略的に進んでいるということです。この辺に多分ギャップがあるんだと思います。
🔹緊急事態宣言の是非

Q.毎日新聞 野原記者

もう1点、知事の先ほどの説明ですと、今後まだ感染者の波は高まるというニュアンスでお話されていましたが、まん延防止重点措置で現状ギャップがあって、あまり効果がないのであれば、緊急事態宣言というのも考えられると思うのですが、
権限は国ですが、今後の緊急事態宣言の是非に関してどのようにお考えでしょうか。

A.平井知事

この辺は国のほうで判断されることだと思います。政府は政府のお考えがあって、緊急事態宣言と経済社会に対する影響ですね。
緊急事態宣言の中身は、まん延防止等重点措置と似たようなものになっていて、飲食中心が主です。ただ、緊急事態宣言の場合はアナウンス効果があると思います。それが出たということで、経済活動、社会活動に対して一定程度抑制がかかると。
それが反射的な影響としてGDPだとかそういうところに影響してくるということがありますので、多分総合判断をされるのではないかと思います。
ですから、緊急事態宣言は緊急事態宣言、政府のほうで検討していただければと思いますし、正直申し上げて法律の文言上は、それに値する状況になっていると思いますが、ただ、その伝家の宝刀を抜くかどうかは政府の権限であろうかと思います。
大切なのは我々現場レベルですので、とにかく実効性ある対策をすぐにでもとっていただいて、この現在の我が国の感染状況にふさわしい対策を現場がとりやすいように対策をつくっていただくことが一番効果的だと思っています。
🔹一斉休校措置と家庭での対策

Q.共同通信 川口記者

先ほど子どもが集まっている場所で感染が拡がっているということでしたが、現状県西部に出している外出自粛の中には、その拡がっている学校や保育施設は含まれていないと思います。
心配している保護者の方もいると思うんですが、一斉休校などの要請措置を取らない判断の理由と、県としてご家庭にどういう対策を求めていくのでしょうか。
A.平井知事

実は今、時限的に一週間二週間とか一斉休校をやるとそれなりの効果はあると思います。こういう感染状況ですので、効果あると思うのですが、正直申し上げて地元の市長さんたちとも話をしましたが、今はそこを抜くまいということで話合いはさせていただきました。
ですから、今はそういうことはやらずに、ただ、学校の中とか保育所でやるべき手だてを徹底してやろうと。それから、特に大事なのは、本県はこうやって、やっているのですが、一人でも陽性者が出たらとにかく一遍止める。これによって感染がそれ以上広がるのを防ぐということだけは担保していくと。
ただ、開けるとまた入ってくると思います。それで、また感染者が出ればまたすぐに止めると。こういうことをできるだけ早くやることができれば、ぱあっとこう感染者が膨らんでいくということではなくて、なだらかに膨らむ程度になるかもしれません。
そこで先ほどのような教育委員会とタイアップをしたバックアップ体制をやろうということです。具体的にやれることはいっぱいあると思うんですね。先般もちょっと対策本部でも出させていただきましたが、先ほど野原さんのお話の政府の分科会のことで申し上げれば、政府の分科会のときも申し上げたんです
国の基本的対処方針の中に書かれていることの中に、学校は原則として開けなさい、保育所は原則として開けなさいと明記してあるんです。これ結局、安倍さんの一斉休校のトラウマがありまして、逆に原則として開けなさいと、今、書いてあるんですね。
本当にこれでいいのかということです。もっと柔軟にここは考えるべきで、国の方針をここらで書き換えるのがオミクロン対策かもしれません。
これ以外にも、例えばマスクはやはり有効なんですね。保育士などでもクラスターは起こります。例えば歌遊びの時間などがあると、そういうときにマスクをつけていないというケースもあります。
そういうところでひょっとするとエアロゾルみたいな感染が起こりかねないわけですし、現にそれが起こっているのかもしれないとも思える事例があります。
そういうことは何で起きるかというと、厚労省がそう指導しているんです。文科省は「幼稚園はマスクをつけなさい」と指導しています。ところが、保育園は、マスクはつけなくてもいいと指導しているんです。これはデルタ株まではよかったかもしれません。そんなに子どもの感染が起きていませんから。
しかし、オミクロン株では子ども間の感染が認められますし、場合によってはライブハウスみたいなところで大規模なクラスターが起こったのと同じ様な状態になって、エアロゾル感染ということは起こり得ると思えます。
ですから厚労省も指導を変えることは最低限できるんじゃないか。これも実は分科会で大分言ったんですよね。マスクをつけなくてもいいと指導しているのはオミクロン株対策としてどうなのかと。文科省はマスクをつけろと言っているんだから、マスクは外してもいいということを推奨するというのはどうかと
結局、政府側の回答はその日なかったです。我々、現場から見ていていろいろと手を打てることはあるんじゃないかと思っていまして、鳥取県の場合は気がついたところは率直に今、現場のほうで横展開をさせていただいております。
🔹累計陽性者数の受け止めと今後の感染状況の見通し

Q.日本海新聞 竹久記者

今日、新規感染者数が200人近くで、過去最多で、累計の陽性者数も3,000人ということになりました。年末年始はコロナが一旦落ち着いているように見られましたが、この1か月で1,000人ぐらいの新規感染者ということで、
鳥取県はこれまでずっと感染者数を抑えてきたわけですが、このオミクロンの脅威というものがあるんだろうと思います。3,000人という累計陽性者数になったことへの受け止めと、
県西部への感染が顕著になっていると思いますが、今後この高止まりないし、このピークの状況というのはまだしばらく続いていくと御覧になっているのか、難しい質問かもしれませんが、その辺りの御見識をお伺いできればと思います。
A.平井知事

はい。今日(1月27日)、196人過去最多というのは非常に厳しい状況だと受け止めております。ぜひ県民の皆様の御協力をいただきながら、我々も全力でクラスター対策など進めてまいりますので、県民心一つにこのオミクロン株の脅威から脱却を図っていければと思っております。
私たちは今、分かれ道だと思っています。先般も申し上げたように、西部において感染爆発寸前の状況だと。感染爆発したとまではまだ言えないと思っています。それは、かなりの程度、クラスターを追いかけたりして抑えている部分がございます。
しかし、クラスター以外で見えない感染の広がりというのがありまして、こちらのほうがウエートが高まってきているということで、非常に不安定化した状況になっている。他県の例を追いかければ多分分かると思うんですが、この不安定化がいずれは感染爆発につながっていくというふうに思われます。
ですから、今、どちらのルートをたどるかという分かれ道だと思っています。196人の中には、我々がその保健所の活動を通じて、感染者をそこで何とか食い止めようということで見つかった陽性者が今回はかなり含まれています。
ですから、その分は、今一時的に増えても、将来的には何日か経って減る方向に圧力がかかってくる、そういう様相も入っていると御理解いただいても結構かもしれません。ただ、相変わらず感染ルートが見えないところがございまして、とにかく幾つもの施設に感染が広がっている状況もあり、
また、県の東部でも新たな職場に関連したクラスターと思われる事例も出てきたりしておりまして、決して西部だけの問題ではなくて、全県で不安定化の要素というのはやはりあるだろうと思っています。そういう意味で、ぜひこの分かれ道、どちらに行くのか、そういう重大な局面だと捉えておりますので、
我々も全力を挙げて市町村、あるいは医療関係者等々と全力を挙げていきたいと思います。なかんずく学校や保育所など、そうしたクラスターが今、頻発しているところの皆さんのご協力もいただきまして、一旦は沈める方向に向かえばというふうに思っております。
実際に今後どんどんだだ上がりしていくかというと、そこはまだ我々としては諦め悪く頑張ってみたいというふうに思っています。
🔹感染拡大防止特命チーム、感染症法の区分

Q.中国新聞 小畑記者

特命チームのことについてお伺いいたします。保健所の機能を強化していくということで3つの特命チームをつくられる。全国でもそんな例がある話じゃないのかなとは思うんですけれども、
この際、どうしても人員の捻出が必要になると思いますが、どのようにしていくかということをお伺いしたいと思います。

あと、今、世の中で多く議論されているのは感染症法の区分を2類相当から5類にという話に象徴されると思うんですが、保健所の役割をいかに減らすかという方向に世の中の議論が
動いているように思います。その中で、あえて保健所機能を強化していくということに踏み切られる意義というところ、考えているところを改めてお伺いしたい。
A.平井知事

今回この3つの特命チーム、学校とか保育所とか、高齢者施設についてつくらせていただきます。それは子どもたちとお年寄りを守るためです。今、感染の中心が子どもたちになっています。それに対して地域でのインパクトもかなり高まっている。
それからお年寄りのクラスターも見え始めていて、命に関わることに成りかねない。そういう意味で、迅速に対処するため、できるだけ早く見つけ出して、命を助けたり、クラスターが巨大化して感染が広がって手がつけられなくなることを防止することになるだろうと思っています。
保健所機能をこうやって強化して、保健所の職員ではないそれ以外の人たちが加わってやっていくことにより、中長期的に保健所の負担は減っていくはずです。感染がもっと拡大すればそれだけさらに手間が増える。
それを未然に防止するわけですから、これによって逆に保健所機能の維持につながるし、一人一人の負担軽減に必ずなると思っています。人員の捻出については、今、戦争状態ですので県庁もBCPだと思っています。
例えば、今、既に入っている保健所のチームでは農業改良普及員とかこういう人たちは、今、農閑期ですから比較的手が空いている。そういう人たちを回したり、また、それぞれの業務に関わっている人たちも繁閑がありますから、そういうものを生かしていただいてやっていただくと。
ただ、恐らく、一月、二月とそういうふうに長くなるものではないと見込んでおりますので、ごく短期間なのでどうか協力してもらおうということで他部局や教育委員会にお願いをしたいということです。
実はそれぞれの関係者も非常に切実な思いを持っていまして、こうした県の動きについては皆様協力的だと思います。
🔹濃厚接触者特定の他県の事例

Q.日本海新聞 竹久記者

保健所の体制強化について。この取組はすごくいい取組だと思うんですが、他県では保健所体制が逼迫をしている中で、濃厚接触者本人への連絡をこの陽性者本人にしてもらうというふうなことを例えば近県だと広島県などはやろうとしている。
どこまで濃厚接触者を本人が特定するかというのは難しい、範囲を定めるのも難しいと思いますし、そういう取組、他県の事例というのはどのようにご覧になっていますでしょか。
A.平井知事

今日(1月28日)もこの保健所機能とか、軽症者の扱いについて、大都市部を中心にいろんなアイデアが放送されていますが、私たちはそういうような方式を取らずともちゃんと安心してもらえる体制をつくるのが本来だと思っています。
本来の機能というものが維持でき、さらに迅速化できるように機能を拡充をするほうを選択させていただきたいと思っております。
それから先ほど「感染症の予防及び感染者の患者に対する医療に関する法律」に定める2類、5類の話、ちょっと答弁漏れましたが、これについては5類に値する話だと従来から申し上げておりますが、ただ、これは慎重に考えなければいけないこともあります。
5類になりますと医療費の公費負担が取れてしまったりということになります。だから、2類的に扱いながら保健所の対策とか、患者さんのケア、特に在宅でのケアを広く認めるというようなことを組み合わせてやっていくというのが現実的なことなのかなと思います。
先般、火曜日(1月25日)の政府の[基本的対処方針]分科会で先生方にも申し上げたのですが、感染対策は今、非常に難しい局面に来て、恐らく感染爆発へ全国が向かっていくという段階で、感染の拡大を助長するがごときメッセージを出されますと我々は仕事できなくなると申し上げたんですね。
もしそういうメッセージを出されるのであれば、それは背景に、重症度がさほどでもないということがあるのかもしれません。そうであるなら我々感染症対策をやっている現場に対して、これ以上感染者数を増やさない努力はもうやらなくていいと。もう感染は伸びてもしょうがないと。
そこをむしろほっといていいからと、そこまで言ってもらわないと意味がないというふうに申し上げました。

この辺は2類、5類の議論と非常に絡むところですが、オミクロン株とどういう戦い方をするのかという基本的なスタンスが、専門家とか政府とか、ぐらぐらしているように我々には見えるんですね。
我々現場におりまして、それにかなり困惑しているということです。真逆のメッセージが来たりしますと、県民の皆様、住民の皆様への説明ができなくなってしまう。
もしもそういう説明をしてでも感染を減らす必要はないという趣旨なら、そう言ってもらったほうがよほどみんな普通の仕事に戻っていくことができます。

ただ、どうもその度胸というか、そうしたところもないままになっているというのが非常に、今、憂慮すべきことだと思います。
中途半端は駄目だと思います。今ほんとに減らそうと思ったら、先ほど申しましたような現状に即した対策を、きっちり政府として片方で整えながら負担軽減などもいろいろとやれることがあるはずです。
皆さんは御存じないかもしれませんが、感染した陽性者の方がいらっしゃると医療費は公費負担します。それには一定の所得制限があり、所得証明を集めなきゃいけないんですね。それで今、全国で8万人近い人が一晩に陽性になります。その方の所得証明書を求める仕事を保健所はやらされているんです。
しかも所得証明の仕事は厳格でして、その人本人だけじゃなく、その家族の証明なんかも全部つけて持ってきなさいと。ほんとにこういう負担を求める必要があるのかなというとこですね。大方の人は所得証明出してもらったところで、みんな別に公費負担あるんです。
ごく一部の数パーセントの人のために莫大な作業を、その8万人掛ける何倍ということを、今ただでさえ忙しい保健所職員に厚労省は課しているんですね。こんなの一時停止するか、やめてしまったほうがいいんじゃないかと政府の分科会でも申し上げたんです。これも返事なかったですけども。
いろいろとやれることはあると思うんです、保健所の負担軽減については。それはごくごく役所的な事務作業も含めてご検討をいただけるんじゃないかと思っています。

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