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Mar 28 20 tweets 3 min read
ロシア政府、ウクライナとの戦争で核兵器を使用する可能性を再び提起:
・国安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフは、「モスクワは通常兵器しか使わない敵に対しても、核兵器で攻撃することができると述べた」
theguardian.com/world/2022/mar…
ロシアが核使用する4つのケース:
1. ロシアが核兵器で攻撃された場合
2. ロシアやその同盟国に対し、核兵器が使用された場合
3. 重要インフラへ攻撃があり、核抑止力が麻痺した場合
4. (通常兵器でも)ロシアとその同盟国に対し、国の存立を危うくする侵略行為があった場合
theguardian.com/world/2022/mar…
メドベージェフの言葉:
「わが国の独立と主権を守る決意がある。わが国に対するいかなる侵害にも、その独立にふさわしい反応をする用意があることを、誰にも少しも疑わせないようにする」
ショイグ国防相の言葉:
「我々はクレジットによる武器・装備の前倒し納入を続けている。優先順位は長距離・高精度兵器、航空機装備、戦略核戦力の交戦態勢維持である」
上記、「ロシアが核使用する4つのケース」に対する、Michael McFaul スタンフォード大学教授の見解を和訳します。(途中、4つのケースの振り返りがありますが、そこは省略します)
1/6
メドベージェフ大統領はガーディアン紙に対し、ロシアがどのような状況下で核兵器を使用するかについて詳しく説明した。彼が言ったこと、言わなかったことに注目してみよう。
2/6
良いニュースは、このような状況は、現在も存在していないし、脅かされてもいない点。今後も発生することはないだろう。NATOがロシアを先制攻撃することはない。ましてやロシアの存在を危うくするようなことなど絶対にない。
3/6
ちなみに、彼は「NATOがウクライナに戦闘機を供給すれば」とは言っていない。
4/6
また、「ロシアがウクライナの戦場で負け始めたら」とも言っていない。
5/6
実際、ウクライナ侵攻前のロシアのドクトリンと比較すると、メドベージェフの発言は、ロシアが核兵器を使用する条件について、何ら目新しいものは見当たらない。何か見落としてないだろうか?
6/6
また、行動面についても、ロシアの核戦力がウクライナ侵攻前よりも警戒態勢を強めているという証拠は見当たらない。間違っていたら訂正してください。
(スレッド終)
上記、McFaul教授の見解に対して、 FSB諜報員 #WindofChange からの手紙 #FSBletters の英語版翻訳者であるIgor氏の見立てもあるので、あわせて和訳します。
1/6
もしこれがメドベージェフの発言を正確に伝えているのなら、McFaul教授を疑う理由はない。

- これはプーチン政権に逆らってメドベージェフが西側へ直接送ったメッセージだ。#FSBletters と一致する。表面上はやや微妙かもしれない。これはプーチンに対する公の場での抵抗だ。
2/6
メドベージェフは、クレムリンの核兵器使用の脅しが空威張りであることを、絶対的かつ断固として暴露した。彼は間もなく公の場から姿を消すだろう。
3/6
今の西側は、「キスされることを望んでいるホットな女の子のヒントを拾うことができない馬鹿な男子高校生」のようなものだ。もはやヒントですらない。彼女は彼に言っている「キスして、私は本当にあなたが好き」彼は答える。「ええっ!冗談でしょ?」
4/6
メドベージェフは、「プーチンのジェノサイド」からウクライナを軍事的に保護する許可を西側諸国に与えているのだ。メドベージェフは聖人ではない。しかし、ロシアの指導者の下、ウクライナ人を絶滅させてやろうと喜び勇んでいる者はあまり多くない。プーチン以外は。
5/6
これを参照:
(仮蔵注:#WindofChange からの一連の手紙から推察できる項目の2番目「核兵器による妨害行動は、あくまで妨害行動。クレムリンは核戦争を起こしたり、それに応じたりはしない」)
6/6
未読の方は、3月1日からの #FSBletters を読むことをお勧めする。27日前のもの。
参考情報:
#FSBletters の日本語版1通目〜8通目、11〜12通目は、下記のスレッドから読めます。(また長いよ?)
私の見立て:
・メドベージェフは「核使用の4つの条件」を提示することで「核を使わない条件を線引きした」
・戦闘機を送ったりキエフ近郊からロシア軍を撤退させてもロシアは核を使わない
・ウクライナ東部は「同盟国」扱いなので攻撃してほしくない
・ただ最後はプーチン次第なので安心はできない

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Mar 29
「ロシアの未来、3つのシナリオ:1. 北朝鮮」
「経済制裁はいかにロシアを殺すか」の執筆者Kamil Galeev氏が考える「ロシアの未来」について、3つのシナリオのうちの1つを和訳しました。だいぶ暗い見通しですが...。例によって、最初にまとめを1つ投下して詳細に入ります。
まとめ:
・西側が経済制裁を解除して、プーチンが権力を保った場合、北朝鮮化する。
・プーチンの権力は強固になり、誰も意見や反論できなくなる。
・ロシア全体は貧困化するが、上層部は痛みを感じない。むしろそれが「競争力」になる
・地方の貧困層からも徴兵しやすくなる(軍の補償が手厚いため)
1/59
私は、ロシアの将来について、3つのシナリオを考えている。

1. 北朝鮮
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Read 61 tweets
Mar 28
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ft.com/content/bd74a5…
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つづき2:
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Read 7 tweets
Mar 27
「経済制裁はいかにロシアを殺すか?」
米国ウィルソンセンターのフェロー、Kamil Galeev氏が書かれた論考記事です。経済制裁によってロシアがどのように崩壊していくか、具体的かつ明瞭な論旨で考察されています。一読の価値あり。時間がない方向けにまとめを一つツイートしてから詳細を和訳します。
まとめ:
・ロシアが軍事的に勝利するのは絶望的
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・ロシアは輸入に頼りすぎた。部品も技術もない。武器も製品作れない。
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1/61
経済制裁はいかにロシアを殺すか?
ロシアが崩れていく。2014年の古い制裁は、新しい革新的な兵器の開発を妨害した。2022年の新たな制裁は、ロシアの軍事的努力を損ない、技術的チェーンと通信ラインを破壊し、その結果、国をバラバラにしている。
Read 69 tweets
Mar 27
ども。#WindofChange からの12通目の#FSBLetters を訳しました。超長い(63ツイートある)ので、時間がない人のためのまとめのツイートを4つ投降してから、詳細をツイートします。
まとめ1/4:
・内通者を特定するため、偽情報がやたらばら撒かれている
・そのため、未確定な情報などを伝えにくくなっている
・FSBは責任追求の矛先をショイグに向けることに成功
まとめ2/4:
・政権転覆への警戒心高まる。有力者の摘発がトレンドになる
・指導者たちの間で「軍事的なエスカレーションに賭けることが良い結果を生む」という確信が支配的になっている
・「ゴルディアスの結び目」作戦の現実味が高まってきている
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Mar 26
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・この戦争は「ウクライナ vs ロシア」の戦いではない
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・勝利条件は「ウクライナが、自国の指導者を選び、自国の条約を結ぶ権利を持つ、主権ある民主主義国家であり続ける」こと

theatlantic.com/ideas/archive/…
つづき:
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つづき2:
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Mar 26
プーチンの戦争の失敗をめぐりロシア国営TV局が悲鳴:
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・プロパガンダ放送がウクライナで追放されて情報戦に痛手
・ウクライナの非ナチ化には数十年かかかる
thedailybeast.com/russian-state-…
つづき:
ポジティブな点を取り繕うコメント:
・破壊されたマリウポルの映像
 →「被害者には1人1ルーブルの補償金が支払われます」
・サハリンへの強制連行
 →「でも、サハリンでは給料が一番高いんですよ」
つづき2:
ロシア空挺部隊の元司令官の言葉:
・「ゼレンスキーは戦争犯罪人」
・「彼は、『この戦争を止め、武器を捨て、すべての国民を救え』と言う権利があるのだ」

(仮蔵コメント:日本にも、ほとんど同じことを言っていた人いましたね。)
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