Thread by @HiroTHamadaJP

DAOの作成・運用を支援するAragonによる

"分散型研究組織"の作り方。

founderの2人のMoleculeの発足の経緯とVitaDAOのトークン発行なども細かく紹介してくれている。

👇ポスト
blog.aragon.org/how-to-start-a…

以下まとめていきます。

1. インセンティブの問題。

2018年のゴールドマンサックスの内部研究レポートで
"患者の病気を治すというビジネスモデルは持続可能なモデルなのか？"という問いが出た。

製薬会社は病気を根絶するインセンティブは小さいかもしれないなど、現在の投資家、研究者、患者の関係は健全なのだろうか？

製薬業界においても現在のモデルは、10-15年の研究開発を経てマーケットにのる化合物の発見は1%ほどであり、投資収益率(ROI)は3.2%ほどである。

「新薬開発の効率は9年ごとに減少する」というイールームの法則などに代表されるようにコストは年々バカ高くなっている。

2. 解決策：インセンティブを直せば、エコシステムも直る

Paul Kohlhaas @paulkhls は製薬業界の課題に興味を持ち、”クリプトならどのようにこの問題を解決できるだろうか？”と問いを立てた。

2018年には、Tyler Golato @GolatoTyler とともに業界における難問を解決する方法を考えることになる。

Paulは、知的財産権のオーナーシップと、どのようにそれを分散化し、NFTによって新たなオーナーシップの構造を作るかを考えた。

2018年末には、、研究開発初期の知的財産を民主化し、バイオテックの新たなプロトコルをうみ出すために
Moleculeを組織している。

molecule.to

テクノロジー

Moleculeが提案するモデルはこうだ。
1. 特許を投資信託が保有する
2. 特許データをNFTに埋め込む (IP-NFTと呼ぶ)
3. 法的に信託の資産はソフトウェアプロトコルで管理すると契約
4. IP-NFTを供給量に応じて価格変動するコンタクトとしてマーケットに提供

このモデルにより、トークンの供給量と価格に応じた取引を開発者と投資家の間で行うことができる。詳しくは、Bonding curveに基づいた取引になる。

もし、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を受ければ、その期待される利益を見込んでロイヤルティが信託を介して支払われることになる。

ネガティブな結果を公表する前には、ショートポジションを取って取引をすることができるので、公表するインセンティブが働くことが可能になる。

これにより初期の研究に投資が回るような仕組みを実現し、オープンで共創的な環境が実現するインセンティブを構築している。

VitaDAO

Moleculeはコアのインストラクチャーだとすれば、VitaDAOは、長寿研究や老化の製薬研究を支援する分散型の共同体である。

2021年に、ガバナンストークンであるVITAトークンをGnosis Auctionでセールを行った。

vitadao.com/about

gnosis-auction.eth.link/#/start

コミュニティ優先

VitaDAOのトークン発行前のゴールは強固なアカデミックで科学的なコミュニティを作ることだ。

Tyler Golatoは、”一度組織ができてしまえば、コミュニティはネットワーク効果で大きくなる傾向にある。”と述べる。

DAOの構造

VitaDAOにおけるガバナンスのプロセスはフォーラムでの議論
gov.vitadao.com

またVITAトークンを介した投票によって行われる。
全体の1.5%程度の投票によって成立する。
snapshot.org/#/vote.vitadao…

現在、財務はコアチームによって運営されており分散化されてはいない。初期においては重要なステップとなる。

コアチームにはいくつかの役割があるが、現在申請ベースで運営されておりプロの文化が先に確立されることを狙っている。

プロポーザル

研究者がファンディングを受ける申請については、解放されている。
vitadao.com/submit-project

500-1000ワードを書くか、コミュニティによる紹介によっている。

全ての申請は4つの段階に応じて審査される。

ディール・フロー

1. スタンプベースの承認しフォーラムの告示
2. フォーラムでの公開質疑応答
3. プロポーザルの詳細な記事を作成し毎週のコミュニティコールでの公開質疑応答
4. VITA保持者による投票
を経ることになる。

3. 結論

Moleculeの戦略は、インセンティブ構造の不均衡を正しくしようとするものです。

他にもPsyDAOのような幻覚剤を解放するゴールを持ったものや、LabDAOのようなラボのサービスをコミュニティのネットワークに持たせるものなども出てきている。

最後に、Tyler Golatoの”自分自身のDAOを作りたい人たちに向けた言葉”を載せる。

1. "ミッション"、"ビジョン"、"目的 "を明確にする
2. 明確な報酬なくリスクを負っても一緒に作ってくれる人を探す
3. 強力なコミュニティと明確なミッションの確立前にトークンのローンチやWeb3向けのことはしない

4. 同じような組織をすでに構築している同業者と手を組む
5. Moleculeは、IP-NFTのフレームワークを自分の組織で使いたいと考えているビルダーを積極的に支援

#DeSci #分散型科学 #分散型サイエンス