Thread by @kana_in_a_bar

ラブホとクリニックが提携して緊急避妊薬（アフターピル）が最短25分で届く件、

緊急避妊薬のアクセス改善は望むけれども、
アクセスがよくなりさえすればそれでOK、というわけではない、
ということを考えるよい事例で、

①緊急避妊薬は、あくまで、本来行うはずだった避妊法に失敗してしまったり、性的暴行を受けた場合など、『緊急時』の避妊薬です。72時間以内に内服することで避妊効果が期待できますが、100%避妊できるわけではないし、時間とともに避妊率は下がります。あくまで緊急時の応急措置です。

②ちゃんと避妊しようとしていても、世の中なにがあるわからないので、いざという時、女性が自分の身を守るためにすぐに緊急避妊薬を内服できるという権利は大事で、でも今の日本では処方には受診が必要。そのため、緊急避妊薬を薬局で買えるようにするOTC化を求める動きが何年も前からでていますが、

まだ検討中です。

③では、今回のラブホで緊急避妊薬をオンライン診療で入手できる件、アクセスがよくなって万々歳かというと、それは性善説に基づいた話です。みんながちゃんと避妊していて、それでもいざという時には緊急避妊薬がすぐ内服できるよ、ならもちろんよいのですが、そうとは限りません。

④巨人の坂本選手が女性にあえて避妊せず、毎回緊急避妊薬を飲ませていた、と報じられていましたが、そういうことがありあえるし実際にあるわけです。

⑤そのように緊急避妊薬を悪用、濫用されることは、女性を危険にさらします。緊急避妊薬のOTC化の議論がスムーズに進まないのも、この点を懸念されているからです。

⑥緊急避妊薬がフリーアクセスになればそれでall OKというわけではなく、緊急避妊薬さえ手に入ればよいというのはからだの自己決定権とは違い、包括的性教育とセットですすめていかないといけないのですが、だからといって教育の変革には時間がかかりますし、

包括的性教育がすすんでからOTC化、と杓子定規な対応ではなく、両方並行して進めていくべきと、産婦人科医としては願います。

そうしないと、女性に緊急避妊薬のませておけばいいなら男にとって都合がいい、くらいに思って緊急避妊薬OTC化を支持する人だっていかねません。

が、それは健全な形ではないです。

本当の意味で女性の #からだの自己決定権 の補助となるような形で緊急避妊薬へのアクセスが改善してほしいですし、あわせてもっと確実な避妊法の普及も大事です。

#SRHR
#みんリプ