何度か録画を見直していて感じるのは、やはりスレッタにとって、母が命を奪っている姿を見て非難の想いが生まれているシーンがあるということは、「自分の大切な人を守るためには仕方ないこと」と割り切っているように見える・・・
#水星の魔女
より正確に言えば、「命を救うために別の命を奪うこと」を仕方ないこととして受け入れてしまっている。そして、それは当然母親であるプロスペラが「それが正しいこと」だと指し示したから。
#水星の魔女
新エアリアルの起動時にも自分で口にしている通り「お母さんに教わらなかったんですか」という言葉が、すべてを物語っている。
このときのスレッタは、おそらく本人の無意識のところで「何が正しいことなのか」の判断のすべてを母親に委ねてしまっているのか・・・
#水星の魔女
人の命を奪うということを、自分だけの責任として深く考え始めてしまえば、罪悪感が生まれないはずはない。
だから母の「いまみんなを救えるのは、あなたとエアリアルだけ」という言葉にすがったのではないだろうか・・・
究極的にはスレッタに刷り込まれた洗脳とは、何かの機械や施設で行われたものではなく、単純に幼少期からの育てられ方だったのか・・・「お母さんの言うことは正しい」という盲信こそが、何よりの洗脳だった・・・
#水星の魔女
その盲信は、きっとスレッタにとっての「迷わず」でもあり、「逃げ場」でもあったのだろう・・・ということは、第2期でスレッタに問われるのはやはり「人の命の重さ」なんだろうな・・・
#水星の魔女
「人の命の重さ」は、プロローグでデリングが演説でも言及していたテーマだったが、ここにきて主人公の二人に特に重くのしかかることになるとは・・・
#水星の魔女
表現に感動したのは、11話でのミオリネに抱きしめられた時のスレッタの瞳に宿った光が、今回プロスペラに手を差し伸べられた時には「リセットされたように」瞳を光が覆う演出。凄い「上書き」の描写だった…
#水星の魔女
「命を救うために、他の命を奪う」ことを仕方ないと割り切るのは、まさしく戦場の兵士の心理なんじゃないだろうか・・・スレッタ本人の意識していないところで積み上げてきた刷り込みと経験のすべてが、「戦争への疑問を持たない兵士」の成立につながっていたということ・・・
#水星の魔女
そう捉え始めると、意外にも「本当にこの状況において異常なのはどちらか」という視点の反転につながり始める。
#水星の魔女
少し無邪気すぎるとはいえ、ミオリネの命の危機が去った直後の安心した表情も、「助けに来た」と血まみれのまま手を差し伸べる行動も、これを「戦場で間一髪の仲間を助けた兵士の姿」と捉えると、一概に異常とは言い切れない・・・
#水星の魔女
もちろん、ミオリネの感情もまた人として「正常な反応」には違いない。ただし、それはあくまでもこの場を「学園生活の延長」と捉えた場合になる。つまりここにきて実際に浮き彫りになっているのは「倫理観の違い」ではなく「育ってきた環境の違い」なのか・・・ #水星の魔女
ゆりかごでの描写を見るに、スレッタは幼少期から水星の人の「救助活動」という形で、「救うために命をかける」環境に身を置き続けてきた。それはプロスペラの望むあり方でもあり、スレッタが知っている「生き方」がそれだけしかなかった、ということでもあるはず。 #水星の魔女
それは「対人間」では無いだけで、立派に「戦場」だったのではないだろうか・・・そう考えると、第1話でグエルに対して臆さず「決闘します」と言い切れた心理描写にも説得力が生まれる。
#水星の魔女
同じくエラン戦でもシャディク戦でも、スレッタは「戦うこと」に対して緊張している描写はなかった。それは、たとえ決闘の果てに失うものがあったとしても、「それは命ではない」という、「世界の捉え方」自体がすでに他の学生と一線を画していた、ということなんじゃないか・・・
#水星の魔女
思い返せば、それはここまでの決闘での姿に明確に表れていた。グエル戦では「ミオリネさんと学校に残る」が目的。エラン戦では「エランさんの気持ちを知りたい」。シャディク戦では「ミオリネさんの会社を守りたい」。#水星の魔女
命がかかっている状況ではないからこそ「戦いそのもの」を怖がることはなかった。それ程に壮絶な「命の綱渡り」をずっと経験してきたということ・・・
それにもかかわらず、ある意味において母の「進めば二つ」の言葉のせいで、それらの経験は「自信」に昇華されないままだったのか・・・ #水星の魔女
対して、ミオリネはあくまでも富裕層の環境の中、「戦場を知らずに」ここまで成長してきた人だった。だからこそ、奪われた命に対しての「割り切り」は、切り替えようとしてできるものではないはず。
#水星の魔女
これまでは、「学園」という舞台の中で「何が普通なのか」をスレッタが追いかけていく話だった。
第2期は、「戦場」という舞台の中で「何が普通なのか」をミオリネが受け止めていく話になるのだろうか・・・。
#水星の魔女
まだ訪れていない「地球」と「水星」という舞台。
ミオリネにとっての、スレッタと地球寮の子たちとの接点は、この展開のためにあったのか。脚本家の力の凄さにただただ圧倒されている気持ち・・・
#水星の魔女

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Jan 8
今日の放映後にも、下記のスレッタさんについての連ツイを見てくださる方がいらっしゃって、本当に有り難いという思いもありつつ、 ⇒ #水星の魔女
自分が見ようとしていたスレッタさんの姿はあくまでも「学園生活の中での在り様」でしかなかった、という空回り感も感じております😭この気持ち、どうすればいいんだろう・・・本当に・・・
#水星の魔女
むしろ、どんな幼少期からのプロスペラさんの刷り込みがあれば、「進むためになら●●も仕方がない」という思考に定まってしまえるのか・・・本当に想像できない・・・Cパートミオリネさんの気持ちに共感しかない・・・ #水星の魔女
Read 10 tweets
Jan 8
第12話Aパート終了時:
「え・・・?嘘だろ・・・?」
第12話Cパート終了時:
「え・・・?嘘だろ・・・?」

いやちょっと…もうちょっとこう、手心というか…大河内さん…
この心境のまま4月の第2期まで耐えろっていうのか・・・・立ち直るのにも1か月くらいかかりそう・・・ #水星の魔女
キャラクターの関係性や心境、なんなら「この11話までで培ってきた信頼」までもを、本当に全部をひっくり返してきた・・・そんな・・・嘘でしょ・・・
脚本の方の力って本当にすごいな、って遠い目で乾いた笑顔にならざるを得ない・・・
#水星の魔女
いやほんと・・・何が起こってるのこれ・・・?
何を信じればいいのかわからないくらい頭が混乱してる・・・あらゆる最悪のケースを想定していたつもりが、いつの間にか落とし穴の上に立たされていた感覚・・・ #水星の魔女
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