Thread by @Yaruo2023

> （「危機の十年」の間、安定的に日中関係を管理する上で）カギとなるのが、中国の「意図」ではなく、「能力」に着目して防衛力整備を進める方針を３文書で示したことだ。中国が友好ムードを演出しようとしても、中国の軍事力に対抗する防衛力整備は怠らないことを意味する。
sankei.com/article/202301…

> 政府中枢の関係者は今後の対中関係についてこう語る。
> 「これで日中首脳会談をやったら『媚中派だ』というような不毛な議論は意味をなさなくなる」

> 「脅威が現実となったときに、この国を守り抜くことができるのか。極めて現実的なシミュレーションを行った。率直に申し上げて、現状は十分ではない」
> 岸田文雄首相は国家安保戦略を含む「安保３文書」を閣議決定した後の記者会見でこう述べた。→

→ 首相が言及したシミュレーションとは、陸海空自衛隊が連携して有事に対処する統合運用に基づく能力評価だ。中国や北朝鮮の能力を前提とし、自衛隊に何が足りないかを割り出す。

> 能力評価を踏まえた安保３文書は「足りないもの」のオンパレードとなった。
> 部品も弾薬も足りず、反撃能力（敵基地攻撃能力）として位置付ける長射程ミサイルの配備はこれからだ。自衛隊がサイバー攻撃を受けても任務を遂行する態勢は、現段階では整っていない。

> 検討過程では制度的欠陥も明らかになった。例えば気象衛星ひまわりが攻撃を受ければ、どの組織が対処するのか。関係省庁の担当者が集まった会議で答えは出なかった。

> 関係者は、怪獣をめぐり関係省庁が責任を押し付け合う姿を描いた映画を引き合いに「まるで『シン・ゴジラ』みたいだった」と振り返る。

> 防衛省関係者は「中国からすれば、日本の態勢が整うまでの間が行動を起こすチャンスとなる。１０年間は抑止が効きにくくなる」と語る。つまり、３文書は「危機の十年」の始まりを告げたことになる。

> この間、中国軍は２７年に「建軍１００年」を迎え、２８年には習氏の国家主席３期目の任期が切れる。政治遺産づくりを目指す習体制が台湾海峡で武力行使に踏み切る可能性も指摘されている。

> 「危機の十年」において重要な課題は、防衛力強化を着実に進める一方、協調が難しい中国との間で決定的な対立に至らないよう、安定的に日中関係を管理することになる。