Thread by @siosiojunjun

認知症終末期に胃ろうをするかどうかのポストが流れてきたけど、「胃ろうを選択しなかった方」がどんな最期を送ったかってあまり知られてないような気がする
まず認知症の患者さんでも脳血管系認知症で脳機能的に嚥下に致命的な問題がある方を除いて、多くの認知症患者さんは喉の機能は保たれている→

ことが多く、口腔期(食塊形成→送り込み)に問題があり、溜め込みや飲み込まないなどの症状が出やすい。その場合は食物形態を調整し付着性、凝集性の高い、送り込みしやすいものならスムーズに飲める
認知機能低下により義歯をトイレに流す、捨ててしまうこともあり、咀嚼力が保てないこともよくある

食事の途中で疲れて全量食べられなくなることもあり、その場合ソフト食ハーフ+栄養剤で必要エネルギー量を確保したりおやつの回数増やしたりで対応できるけど、全介助だと介護負担は大きい
日常の生活も寝ている時間が多くなり、食事も3食取れなくなると、体重が減少してくるが、この時間大切なのは

褥瘡ができないよう予防的ケアの徹底(外力の除去と皮膚衛生、保湿)と、食べていなくてもしっかりと口腔衛生を保つこと(歯科衛生士の専門的ケアは誤嚥性肺炎を予防する)だと思います。あとこのタイミングで薬の整理をする在宅医も多いです
食べる量が減ってきたら本人の好きなあんこゼリーなど少量を

お楽しみで食べていただきます。1日のうちほとんど眠ってるようになると最期は近いです。無理に点滴すると体内で処理できずしおれた水風船のように皮膚がぶよぶよになることがあり、痰も増えてそれを誤嚥し本人が苦しいので点滴をしないで身体をドライにしていきます

そうこうしているうちにだんだん、収縮期血圧が80などかなり血圧が低下してきます。しかし本人はすやすやと眠っています。苦しい様子はほとんどありません
そのまま朝には眠ったまま亡くなってたりしますが、家族は死前喘鳴や下顎呼吸に慌てないように在宅医から説明されているので家族は見守ります

10年以上の認知症介護の末に在宅看取りをされた方の訪問経験は数件ですが、どの患者さんもとても穏やかに旅立たれたと聞いています
その際に訪問看護師さんのサポートや亡くなる前日まで入浴介助してくれた訪問入浴の方の丁寧なケアにご家族はとても喜ばれていました
本当に尊いお仕事だと思います

胃ろうを選択しない場合、経口摂取できる期間は食べるだけ食べていただくことになりますが、亡くなるまでにどのくらい時間や介護の手間、費用がかかるのか見通しがつきません。個人的には認知症対応グループホームに訪問診療してもらうのが家族も仕事を辞めずにすむのでよいのかなと思っています

訂正です「付着性が低く凝集性が高い」でした💦