加藤郁美 Profile picture
『増補新版にっぽんのかわいいタイル/昭和レトロ モザイクタイル篇』9/16発売!『にっぽんの美しいタイル/泰山タイルほか美術タイル篇』(国書刊行会刊)執筆中。『増補版 切手帖とピンセット』『どうぶつ帖』『シガレット帖』/杉江製陶所見本室タイルレスキュー続行中

Sep 19, 2020, 8 tweets

【本日初日です!】企画させていただいた「世界へ羽ばたいた和製マジョリカタイル:金型の精緻・精巧美の世界」多治見市モザイクタイルミュージアム。mosaictile-museum.jp/exhibition/hir… 1930年代/昭和初期、日本のタイルメーカーがインドに大量に輸出していたのは、ヒンドゥー教の神々を描いたタイルでした。

今もインドの建物に残り愛されている神様タイル。なんとこれらが、戦前の日本から輸出されたヒット商品だったとは! 時は1930年代、イギリス植民地下のインドでは自国文化への誇りと独立を求める人々の連帯のよすがとして、ヒンドゥー教の神様図像が大流行していました「金型の精緻・精巧美の世界展」

広正製陶の半谷孝さんに、創業者の銅像から連絡先を探し出してお会いしたのが2014年、2018年にご連絡した時、孝さんは「実はインド輸出用のタイル金型を保存している」と話してくださいました。これまで誰もその現存を確認していなかったものなので、びっくり仰天して名古屋にとんでゆきました/金型展

そこにあったのは63点もの真鍮の金型。タイル材料の砕いた土を絵柄通りに成形するためのものです。酸化しないように機械油を塗り込んで半世紀もの間保存されていた金型は、それ自身、精緻な工芸品でした。日本に在留するインド人商人が、流行の神様ポスターを持ってきて、この通りにと発注したそうです

インド輸出用の和製マジョリカタイルの金型、しかも6枚、9枚組のパネル画金型が保存されていて、ほんとうにびっくりしました。2度と作られない産業美術品ですので、多治見市モザイクタイルミュージアムさんに寄託品として所蔵をお願いすることができ、今日の初公開となりました。34頁の冊子も作成!

「世界に羽ばたく和製マジョリカタイル〜金型の精緻・精巧美の世界展」会場は、広正製陶さんの金型と、インドの宗教画タイルが日本製であることを発見した近畿大学・豊山亜希が撮影された写真で構成されています。冊子には金型63点全てが収録。豊山先生、加藤による解説も!

今回、展示はインド輸出用のタイル金型のみになりましたが、冊子には全点掲載しています。並べるの、楽しかったです。「世界に羽ばたく和製マジョリカタイル〜金型の精緻・精巧美の世界展」。多治見市モザイクタイルミュージアム。

多治見市モザイクタイルミュージアムは、常設展示もすばらしく楽しいので、ぜひお出掛けください!名古屋から車で1時間弱です。mosaictile-museum.jp

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