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感染症対策の基本は検査・追跡・隔離・検疫です。 新規感染は10日で2,4,8,16,32,64,128,256,512と増えます。重症者・死亡者も比例します。 医療資源はこうは増やせないので逼迫します。 感染連鎖を断つには行動規制か検査隔離が有効で後者が安価です。 追跡班の人手はすぐ増えないので早期徹底検査が必須です。

Aug 6, 2021, 27 tweets

例のCDCの内部資料に訳を入れた画像を貼る。準備中のデータを含み、公式発表ではないので内容は無保証、訳も無保証
Improving communications around vaccine breakthrough and vaccine effectiveness
fm.cnbc.com/applications/c…
ワクチンのブレークスルー感染と有効性に関するコミュニケーションの改善

ワクチンのブレークスルー感染は起きる。
陽性者に占めるワクチン接種者の割合も、ワクチン接種率が上がるにつれて増えていく。
免疫獲得失敗したケースでブレークスルーは起きやすくなる。
ブレークスルー感染が「稀だ」とか「割合が少ない」などと表現することは避けるべき。

米国の報告の評価では、有症状、入院、死亡のリスクはワクチン接種で大幅に下がる。
有症状は1/8
入院は1/25
死亡は1/25

入院者に占めるワクチン接種者の割合は増えていく。
接種率の向上や、高齢者の高いワクチン率を反映している。
ワクチン接種状況にかかわらず、高齢者の方が入院や死亡のリスクは高くなる。

CDCは複数のプラットフォームと研究デザインでワクチンの有効性を評価している。
研究デザインの詳細は必要な人は自分で読んで

ワクチン有効性の評価結果

医療従事者のワクチン接種が感染抑制と症状緩和に役立つ。
感染抑制に関するワクチン有効性は、完了者で91%、一部完了者で81%。
未接種者に較べて接種者は、
-40%低いウイルス量
-検出可能期間は2.7日(対8.9日)
-発熱リスクは低い(25%対63.1%)
-有症期間が短い(10.3日対16.7日)

ワクチン有効期間
入院抑止に関する有効性は、
-VISIONシステムの報告:88%
-IVY3の報告:87%
-33施設の医療従事者:90%

免疫不全の人々に対するワクチン有効性は低くなる。
-免疫抑制された人の感染抑制:71%、一般には90%
-免疫抑制されたIBDの人の感染抑制:80%
-免疫抑制された人の発症抑制:75%、一般には94%
-免疫不全の人の入院抑制:59%、一般には91%

高齢者施設入所の人々におけるワクチン有効性は低くなる。
無症状も含む感染抑止効果は65-75%
-NHSN:ファイザー70%モデルナ65%
-Signature Healthcare:mRNAワクチン74%
-LA County:モデルナ75%

スクリーニング法によるワクチン有効性とブレークスルー事例の評価。
スクリーニング法はワクチン有効性を陽性率とワクチン率から評価する方法。
高齢者施設のベータ株のアウトブレイクから見たワクチン有効性
-感染抑止:61%
-発症抑止:75%
-重症化抑止:85%

米国内で高齢者施設入所者の80%がワクチン接種済。そこでのブレークスルー事例。
-感染抑止効果は61%
-発症抑止効果は75%
-重症化抑止効果は85%

ワクチン有効性とリスクの差に関するコミュニケーションの課題。
ワクチン有効性は、入院/死亡抑止>発症抑止>感染抑止。
ワクチン有効性は集団に対するものであり、個人のリスクを示すものではない。リスクは年齢その他で変わる。
相対的に安定している、接種者と非接種者のリスクを比較するべき。

デルタ株

デルタ株と、旧来株と、その他の感染症の感染性と致命率の比較。
デルタ株は、MERS・SARS・エボラ・普通のかぜ・季節性インフル・スペイン風邪・天然痘より感染性が高い。
水疱瘡と同程度。

デルタ株はより高いウイルス量と排出期間となる。
医療従事者のデルタ株のブレークスルー感染ではより低いCt値(16.5)となり、より大きなクラスターとなる。非デルタでは19。
デルタ株ではCt30以下となる期間がより長い。18日。旧来株は13日。
デルタ株は再感染リスクはより高い。

デルタ株でブレークスルー感染が起きたら、未接種者と同等の感染性となり得る。
デルタ株ではCt値が3サイクル低かった。つまりウイルス量が10倍近く多い。
MA州バーンスタブルの事例では接種者(21.9)と未接種者(21.5)のCt値にほぼ違いが無かった。

デルタ株は他の株より深刻な症状になり得る。

デルタ株に対するワクチンの有効性は下がり得る。

デルタ株による感染性向上と、ワクチン有効性の低下と、現状の接種率を考慮すると、NPI(マスクその他の非医薬品介入による感染対策)は感染抑止に依然として必要である。

デルタ株の高い感染性と現状の接種率を考慮すると、拡大抑止のためには全員マスクすることは不可欠である。

サマリ
デルタ株は旧来株と較べて、より感染性が高く、より重症化しやすく、ブレークスルー感染が起きたら未接種者と同等のウイルス量となり得る。
ワクチンは重症化を90%以上抑制するが、感染や伝播の抑止の効果は弱そう。
ワクチンを打ってもブレークスルー感染や感染拡大は広がる。マスクは必須。

CDCの次のステップ
戦況が変わったことを認識する。
-ブレークスルー感染を周知する
-個人のリスクを伝える。ワクチンで重症化や死亡リスクは1/10以下になる、感染リスクは1/3になる等
予防
-医療従事者へのワクチン強制を検討
-全員マスク
-その他の被害緩和策

謝辞

おわり


Katsumiさんにご指摘いただきました。
「大衆が受け入れたワクチンが効かなくなる」でなく「大衆はワクチンがもはや効かなくなったと確信している」に訂正します。(下線部)

Katsumiさんにご指摘いただきました。
「発症」でなく「症候性」に訂正します。(下線部)
『"symptomatic infections"なので「症候性」(symptomatic)であるか「無症候性」(asymptomatic)であるかが重要な区別のポイントだと思われます。』

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