Gakushi Fujiwara / 藤原学思 Profile picture
朝日新聞記者。札幌→岡山→京都→東京→NY→東京→ロンドン。ウクライナ/英国/アイルランド/北欧/バルト三国を担当。Reporter for the Asahi Shimbun (Japanese Daily Newspaper) based in London. gakushifujiwara@gmail.com

Feb 24, 2022, 36 tweets

一昨日に続き、ウクライナ情勢をめぐって夜の安保理緊急会合が開かれます。

国連の事務総長が「即興で」スピーチをするほか、理事国15カ国、ウクライナの外相が演説します。

全員分、ライブで訳してお伝えします。

写真は中国とロシアの国連大使が話す様子。

グテーレス事務総長、原稿を持たずに参戦。

「私はウクライナへの攻撃を信じなかったし、何も起こらないと信じていた。だが、間違tていた」

「心の底から言いたいことは一つだけ。プーチン大統領、あなたの軍がウクライナを攻撃するのをやめてください」

これまでで最も強い「懇願」。

ディカルロ事務次長。

「ウクライナの人びとは平和を望んでいる。ロシアの人びと平和を望んでいると確信している。平和を勝ち取るために、全力を尽くさねばならない」

国連はウクライナで人道支援を続けると約束。

アルバニア。

「数週間で4回目の会合となる。48時間で、我々は確信した。ロシアの戦争は、ロシアの安全保障と無関係であり、NATOの拡大とは無関係だと。これは、ロシアと国際法の対決である。暗黒の時だ。ウクライナ人にとってだけでなく、国際社会全体にとって」

あんとか声が届かないだろうか。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使。先ほど、バイデン大統領と話したという。

「きょう、ここにいる理由は一つだけだ。ロシアにやめろと言うためだ。国境に戻り、軍隊を引き返させ、外交官を交渉のテーブルに改めてつかせることだ」

明らかにキレている。サイバー攻撃も確認したという。

英国のウッドワード国連大使。

「勘違いしないでほしい。英国は妥協しない。ウクライナの主権と領土保全、平和と反映、国民の自由を支えることを、我々が妥協することはない。緊張を緩和する時間は残されている。だが、それは、いまだ」

※ロシアが「軍事行動」を発表した模様。

フランスのドリビエール国連大使。

「脅威と不安定化に直面しても、ウクライナは自制心を示した。暴力に訴えることはなかった。私は、ウクライナの人びとに連帯を示したい。ウクライナ人は平和を望み、良き隣人関係を望んでいる。国際社会は、声を一つにしている」

アイルランドのネイソン国連大使。

「領土を拡大するために、他国を脅したり、殺傷力を行使したりすることは解決にならない。アイルランドには、対話と尊重によって紛争を解決するという、歴史に裏付けられた深い理解があります」

「勇気を示そう。崖っぷちから抜け出そう。対話と外交に戻ろう」

インド国連大使。

「緊張緩和のための取り組みが、当事者によって行われなかったことを残念に思う。安全保障上の利益が十分に考慮されるべきだ」

またシンプルな演説。ロシアを名指しはせず。

UAE。

「一つ。誠意を持って対話に臨むことの重要性を確認する。二つ。国際法の原則、国連憲章の遵守を。三つ。ウクライナ東部の危機は、民間人の危機的状況をさらに悪化させる。これ以上の緊張は、人道的状況を悪化させるだけだ」

原則論に終始。ロシアを名指しはせず。

ノルウェー。

「ロシアに対し、即座に、完全に、無条件に、全ての軍事力をウクライナの領土から引き返すことを求める。すでに苦しんでいる人たちに思いを寄せる。あしたはもっとひどいことになるのではないかと、そう恐れているすべての人たちに」

「外交に戻れ」が悲しく響きます。

中国、張軍国連大使。

「ウクライナの状況は重要な局面を迎えている。平和的解決への扉は完全には閉じてはいないし、閉じないと考えている」

あとはこれまでの踏襲。しかし、ほんの少しだけ、トーンが変わった。ロシア名指しはせず。

ブラジル。

「国連加盟国の領土保全、主権、政治的独立に対し、武力による威嚇やその行使は認められない。武器と対立に頼っていては、恒久的な平和につながらない。人道支援関係者、社会的に弱い状況にある人の保護は、無条件で保証されなければならない」

「対話にこだわりたい」。しかし、もう。

ガーナ。

「この状況は、ウクライナと近隣諸国だけでなく、すべての国の安全保障に影響を与える。ある国が安全ではないということは、すべての国が安全ではない、ということだ」

"The insecurity of one is the insecurity of all."

ケニア、キマニ国連大使。一昨日、すばらしい演説をして話題になりました(bit.ly/3IhNhTk)。

「安保理メンバーは基本的に、第二次世界大戦で勝利を収めた国々で形成されました。人類にとって、悪を打ち負かすために払った犠牲を反映した、特別な責任があります」

なのに、という話です。

ガボン。

「ウクライナ東部で、男性が、女性が、こどもたちが、殺人的な暴力にさいなまれている。尊厳と安全を脅かされている。戦争の亡霊が地域全体をさまよっている。植民地化が終わり、もう克服されたと思っていたものが、やはり存続していた」

メキシコ。

「安保理メンバーは、国際の平和と安全の維持に責任を負っている。ロシアはここで数日前、ウクライナ侵攻はしないと力強く宣言したことを、いま一度思い出してください。私たちは、外交、対話を求める姿勢を崩しません。外交的解決こそが、崖っぷちから抜け出す唯一の道です」

ロシア、ネベンジャ国連大使。顔を上げず、原稿読み上げ。

「ウクライナの同僚は、西側諸国の支援を受ければ軍事的に成功するという幻想を抱いているようだ。独立承認で平和と安全を確保できるようになったという理論を説明しようとしたが、あなた方は聞こうとしなかった」

プロパガンダの極み。

続・ロシアのネベンジャ大使。携帯を見て追加声明。

「スペシャルオペレーション(特別作戦)の目的は、8年以上にわたりウクライナからジェノサイドを受けている人を保護することであり、市民を含む民間人に対する多くの犯罪を行ったものたちの責任を追求することである。国連憲章に沿ったものだ」

ウクライナ、キスリツァ国連大使。

「1時間前にここに来た時、ロシア大使に、ウクライナへの攻撃を始めないことを、記録に残そうと確認するつもりだった。だが、無駄だった。48分前、あなたのところの大統領が、ウクライナでの戦争を宣言した」

安保理中に「宣戦布告」。なんたる悲劇。

ウクライナ「大使、大統領の演説の動画を再生しましょうか」
ロシア「質問をしないでください」
ウクライナ「戦争を止めるのが安保理の責任でしょう」

ドイツ。

「ロシア大統領が軍事行動をアナウンスした。最も強い言葉で避難する。恥ずかしげもなく、国際法に違反したことに再び立ち向かいたい。ロシアは聞く耳を持ってこなかった。聞く準備もできていない。政治的にも経済的にも道徳的にも、かつてないほどの代償を負うことになるだろう」

怒。

米国連大使、再度発言を求める。

「安保理会合中に、まさに平和を求めて集まっている際に、プーチン大統領は最後の一歩を踏み出すことを命じた。我々はあす、安保理決議案を提出する。我々は一体となり、断固とした手段で、対応する」

英国、アルバニアも追加発言を求める。

英国「ロシアの行動には、結末が伴う」

アルバニア「キエフなどの都市で爆発が発生している。モスクが破壊され、戦車が投入されている。ロシアが責任を負うことになる」

フランス。ロシア大使に指をさして激怒。

「最悪の事態を防ごうと、緊急会合を開いているところだった。そこで特別軍事作戦の開始を知った。ロシアは戦争を選択した。最も強い言葉で非難する」

アイルランド。

「先ほど、外交と対話の道は危険なほどに狭まっていると言った。ただ1時間前には、実際にどれほど狭く、どれほど崖っぷちなのか、知らなかった。その道が閉ざされたことを目の当たりにしている」

再びウクライナ、議長のロシア大使に。

「さっきも言ったじゃないですか。プーチンに電話してください。ラブロフに電話してください。攻撃をやめろと言ってください」

議長のロシア、会議を締めくくらなければならない。

「結論として言っておきたいのは、ウクライナの人々に対して攻撃的になっているわけではなく、キエフの軍事政権に対して攻撃的になっているということだ」

1時間半の会合終わり。徒労感と虚しさと。

グテーレス事務総長、唇をかんで「私の任期で最も悲しい瞬間だ」と報道陣に語り始める。目には涙を浮かべているように見える。

「プーチン大統領に言う。人道の名の下に、軍隊をロシアに戻してください。人道の名の下に、欧州で戦争を始めないでください」

「今世紀最悪の戦争になる可能性がある」

ウクライナの国連大使、険しい表情でメディア対応。

「人類にとって、歴史的な恥辱だ。この8年間、必要な行動を取ることができてこなかった国連にとってもだ。国連のデザインは、非常に間違っている。侵略者に拒否権を行使させることができる」

安保理の議場の外には、理事国15カ国の国旗が掲げられています。常任理事国のものはずっと外されません。

米国、英国、フランス、ロシア、中国。

この5カ国が負っているものは、とても大きいものですが、同時に、とてももろいものでもあります。

ロシアによる「軍事作戦」が始まったウクライナ。

首都キエフに特派員がいるほか、各地の特派員、東京の記者、編集者らが正確な情報を届けるべく尽力しています。

以下のページで情報を更新中です。

digital.asahi.com/articles/ASQ2S…

ツリーのつながりがおかしくなっていました。
失礼いたしました。アルバニア→米国、の順です。

NY時間、午後9時半に始まった安保理会議。2時間で何があったのか。後世に残したいと思い、書きました。

私は、赴任直前に明石康さんから言われた言葉を大切にしています。

「国連には失望することが多いかもしれません。でも絶望してはいけません」

digital.asahi.com/sp/articles/AS…

"ロシアが守りたいのは、野党を弾圧し、市民運動の活動を認めず、言論や報道を統制するなど、基本的な人権さえ脅かしてきた自らの強権的な体制だろう"

国末総局長@KunisueNorito の論文。

"従来の秩序の枠組みにロシアを引き戻す…決め手となるのは、国際社会の結束だ"

digital.asahi.com/sp/articles/AS…

アメリカはなぜ、今回の事態をほぼ完全に予想できていたのに、最終的には防げなかったのか。

ワシントンの高野記者@takano_r による解説。

"米国の足元は揺らいでいた。20年にわたった対テロ戦争では多大な犠牲を払い、米国民は疲弊している。。「世界の警察官」で……"

digital.asahi.com/articles/ASQ2S…

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