NY時間10時、国連総会緊急特別会合が始まりました。
犠牲者に1分間の黙祷が捧げられ、これから総会議長、事務総長、100カ国の代表が順次、発言していきます。
ポイントは、数日以内に採択が見込まれる決議案の文言がどうなるか、何カ国が賛成するかです。
digital.asahi.com/articles/ASQ2X…
総会議長は、モルディブ出身のアブドラ・シャヒド氏です。冗談好きな方ですが、今日は深刻な表情です。
「国際連盟(国連の前身)の最も致命的な欠陥は、国際的な集団安全保障を実施するためのメカニズムの提供に失敗したことだった。愛と、人間性と、思いやりの炎を燃やしましょう」
良い演説。
グテーレス事務総長。
「戦争は、解決策になりえません。世界中の都市で、人びとは街頭に立ち、戦争の終結を求めています。ウクライナの人びとは平和を望み、必要としています。私は、ロシアの人びともそうだと、信じています。いま、私たちには平和が必要なのです」
"War is not the answer"
ウクライナ、キスリツァ国連大使。
「この戦争は、今まさにこの場に座っている、とある誰かが選んで始まった。国連総会はロシアに対し、すぐに、完全に、無条件に、ウクライナ領から撤退するよう、声高に求めるべきだ。ウクライナが生き延びなければ、次に陥落するのが民主主義でも不思議ではない」
ロシア、ネベンジャ国連大使。
「国連憲章51条(自衛権)を活用することは、ロシアが民族主義の脅威から自らを保護するだけでなく、ドンバスとウクライナにおいて、国連憲章の目的と原則を維持しようとすることだ。私は安保理でも、この問題を議論しようと努力した」
ウ側が「国際人道法違反」と主張。
EU。
「国境変更のため、武力や強制力を行使することは、21世紀にふさわしくないと強く信じている。我々はきょう、重要かつ歴史的な瞬間にいる。国際社会は過去に何度も、悲劇に目を閉ざしたり、行動が遅すぎたりした。同じ過ちを犯すわけにはいかない」
「強く団結した」メッセージの必要性を強調。
デンマーク。
「ロシアのウクライナに対する不法で残忍な武力行動は、我々にも影響を及ぼす。力を合わせてこの流れを戻さなければ、将来、危機に対応するための能力がさらに低下することになる」
「ロシアが止まれば、戦争は終わる。ウクライナが戦いを止めれば、ウクライナがなくなる」
その通り。
フランス。
「民間人の犠牲者が増え、避難者が続出している。(決議案に)棄権という選択肢はない。それは、力が正しいということに同意することだ。武力よりも、法の優位性を支持する投票を呼びかけたい」
1カ国でも、棄権から賛成に転じさせたい考え。
英国。
「ロシアは完全に孤立。侵略に対しては、世界中で、この建物内で、一致団結して措置が取られる。説明責任を果たすためにともに立ち上がらなければ、すべての国と国境の独立と安全が危険にさらされることになる。プーチン大統領に、無意味な戦争を止めるよう求める」
最後、ウ語?で何か発言。
ジョージア。
「ロシアの我々に対する侵攻は、警鐘となるべきものだったが、同じようなシナリオを防ぐことができなかった。戦争の惨劇から何世代もの人々を救うため、そして国連のため、賛成票を投じましょう。この決議案はウクライナだけでなく、我々全員にとって分水嶺となる」
説得力がある。
ポーランド。
「ウクライナの隣人、友人として、話させてほしい。第二次世界大戦後、最大の人道危機だ。ロシア侵略後の3日間で、30万人がポーランドに避難してきた。ポーランドは地政学的な大国ではないかもしれないが、連隊の大国でありたいと思う」
日本もウクライナ難民を受け入れるだろうか。
オーストリア。
「拒否権は国連憲章にあるが、国連の原則を守ることもまた義務。拒否権制度が国際関係を規制することができるのか、我々は自問自答すべきだ。国連憲章が最悪の形で侵害された場合、黙っているわけにはいかない。これは権利であり、加盟国としての義務でもある。賛成票を投じてほしい」
チェコ。
「ウクライナで行われた犯罪をICC(国際刑事裁判所)が調べるよう、優先していく。安保理で拒否権が使われたことを遺憾に思う。国際平和を維持するという基本的な役割が果たせていない。ロシアがリアリティーに拒否権を行使することはできない。国連憲章に1票を」
選挙演説のようだった。
スイス。
「ロシアは紛争当事者として、安保理投票を棄権すべきだった。自らの行動を正当化しようとする試みは信頼できない。核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならないと常任理事国5カ国が宣言したばかりだったではないか。当事者が望むなら、仲介役を買って出たい」
ニュージーランド。
「ロシアの行動は、いじめっ子の行為でしかない。外交から目を背け、その結果にいま、向き合わねばならない。NZは他の小国グループとともに、常任理事国の拒否権付与に反対している。当初から反対してきた。安保理に拒否権はいらない」
拒否権剥奪手続きにも拒否権が使えます。
パナマ。コスタリカ、ドミニカも代表。
「避難民が大量に出ているという状況は、パンデミックによって引き起こされた世界的、複合的な危機に対する新たな挑戦だ。交渉と外交に立ち返り、平和が促進され、多国間主義が尊重されることを強く求める」
コロナ危機もまだ深刻です。
中国。
「冷戦はとっくに終わっている。冷戦的な考え方は放棄されるべきであり、新たな冷戦で得られるものは何もない。一国の安全保障が、他国の安全保障を犠牲にするようなことがあってはならない」
「ロシアを含む全ての当事者の懸念に適切な対応を」
おそらく棄権票を投じるのでしょう。
ブルガリア。
「平和を愛する国を苦しめる露骨な侵略行為が行われているとき、見て見ぬふりをすることはできない。きょうはウクライナに対するものでも、明日は私たちの誰に対するものでもありうる。ウクライナの人々の並外れた勇気とレジリエンスに敬意を表したい。You're not alone」
国連総会で採択される予定の決議案の全文を入手しました。ただ、これから変更される可能性があります。
ロシアの侵攻を「最も強い言葉で非難する」とし、ロシア軍の即時完全無条件撤退を求めるものです。法的拘束力はありませんが、国際社会の意見として、重みがあります。
asahi.com/articles/ASQ31…
中継を続けます。イタリア。
「国際の平和と安全への脅威に対して、総会の声を届けなければならない。ロシアは可能な限り強い言葉で非難されるべきだ。侵略の促進者として、ベラルーシの関与も非難されなければならない。我々はウクライナへの支援を強化する」
ブラジル。
「1945年、国連憲章の起草者たちが集団安全保障システムを構築したとき、悲劇と人類の苦しみという点で最悪の事態だと思っていただろう。だが、もし彼らがここにいたら、疑うことになる。我々は今、全人類を危険にさらす可能性のある極度の緊張状態にある。そして我々には、時間がある」
カナダ。
「これは帝国主義、植民地主義を復活させたいというプーチン大の欲望によって引き起こされた戦争だ。ウクライナでジェノサイドがあったと主張し、ジェノサイドの概念そのものを曲解した。ウクライナの国民、政府に言いたい。我々はあなたたちとともにある。一人ではない。全力で支援する」
シンガポール。
「この会合を歓迎したい。すべての国、特に小さな国が声を上げ、意見を述べることができる」
まさにこれが国連総会の意義。
「なぜ力が正しいのか、なぜ強者ができることをして、弱者が苦しむのか。そんな世界秩序は、小国の安全と生存にとって極めて不都合だ」
国連総会の緊急特別会合は、お昼休憩中です。
現在、19人まで終わりました。あと91人の発言が予定されており、可能な範囲で伝えていきたいと思います。
国連で話し合っている際にも、現地ではさまざまなことが起きています。ぜひ、速報をごらんください。
digital.asahi.com/articles/ASQ2X…
午前中の場面。ウクライナ大使が、ロシア兵と母親のやりとりをロシア語で読み上げる。
母「元気?なんで返事ないの?」
兵「クリミアにはいない。訓練中でもない」
母「どこにいるの?」
兵「ウクライナ。戦争が起きてる。怖い。僕たちは民間人も標的にしている」
ロシア兵はこの後、亡くなった。
ロシアのネベンジャ大使、「ロシア国連代表部の外交官12人が、米国から追放処分を通知された」と明らかに。3月7日までに米国外に出るよう、つい先ほど指示されたという。
外交上、好ましくない人物を指す「ペルソナ・ノン・グラータ」に指定されたとのこと。詳細は不明。
米国が本気を出している。
米国連代表部もロシア国連代表部12人の追放を発表。
「国家安全保障に反するスパイ活動に従事し、米国での居住権を乱用した工作員12人」とのこと。
数ヶ月前から予定していた措置、とのことだが、最も効果的なタイミングを狙ったのは明らか。
国連総会緊急特別会合、午後の部も始まっています。
日本、石兼公博国連大使。数日前も演説したばかり。
「ここで再び演説することがあってほしくないと、心の底から願っていた。しかし、ロシアの侵攻は、ウクライナの主権と領土保全を著しく侵害していると、改めて表明しなければいけない」
続・日本大使。
「現状を力によって変えようとする試みは、世界の隅々で国際秩序の根幹を揺るがす。ロシアの行動は国際法、国連憲章違反だ。ロシアは外交の道に戻らねばならない」
「我々は今、法の支配、憲章を守るための重要な岐路にある。まずもってできることは、この決議に、票を投じることだ」
一躍有名になったケニア・キマニ大使、またも素晴らしい演説。
「私たちは共通の人間性を持っているからこそ、集まっているのだと信じている。人道対応の非差別が重要だ。ウクライナでの戦争の違法性と非人道性を非難すると同時に、人間性において、いかなる時も、いかなる場所でも、人種差別を拒む」
ボリビア。
「国際の平和と安全を守るべく多国間組織が必要だと理解するために、二つの世界大戦で、7千万人以上の命が失われなければならなかった。この基本原則が完全に侵害され、無辜の人々の命が奪われ、もう戻れない段階にきているのを、いま、我々は目の当たりにしている」
頷くしかできない。
小話です。
計100人以上が演説するのですが、1人話すごとに、国連職員の方がマイクカバーを付け替えています。もちろん時間も手間もかかりますが、健康第一です。
私の仕事も頭の中も現在はウクライナ一色ですが、まだまだコロナの脅威は去ってないと、この場面を見るたびに実感させられます。
アルバニア、非常任理事国で、存在感を増しています。
「ウクライナ人の勇気を称賛する。彼らは正しいし、彼らは勝つだろう。ソ連は死んだ。もう何者でもない。幻想も、郷愁もない。戦争がソ連を引き戻すことは、決してない」
スピーチがうまい。短文で胸を打つ。勉強になる。
シリア、これまでの国の中で、唯一明確にロシア支持。
「西側はロシアの安全と領土保全を損なうために、挑戦的で敵対的なキャンペーンをしている。シリアは反ロシアキャンペーンを非難する。ロシアは主権と安全を守るため、国連憲章に沿って行動している」
憲章は尊重しているそうです。自己矛盾。
注目のインド。安保理決議を連続棄権。
「暴力と敵対的行為の即時停止を改めて求める。外交の道に戻る以外の選択肢はないと強く信じている。直接の対話を歓迎する。利害の相違は、誠実な対話によって飲み達成される。インドは医薬品を含む緊急支援物資の提供を決め、まもなく届けられる」
チリ、最後に国連憲章の前文を読み上げ。
”We the Peoples of the United Nations of determined to save succeeding generations from the scourge of war.. ”
「われら連合国の人民は、戦争の惨害から将来の世代を救う」
■テキスト→bit.ly/36UyAYJ
国連総会の緊急特別会合、初日が終了。
6時間で総会議長、事務総長のほか、各国などの代表45人が発言。明らかなロシア擁護はシリアのみでした。
2日に予定されている決議案は予想通り、一部文言が弱められて「最終版」となりました。ただ、多くの国の支持を得るためです。
asahi.com/articles/ASQ31…
国連が「機能不全」と言うのは容易です。たった4文字で、わかった気になれます。ただ、それで全てを片付けるのは、メディアの機能不全です。
国連に、国連の枠組みで、できることは何か。
それを考えれば、事務総長や安保理、総会の現状の動きは、フルスイングと言えます。
asahi.com/articles/ASQ2W…
三牧先生@SeikoMimakiの見解も一部紹介します。
”国際政治学には「偽善的パワー(hypocritical power)」という概念がある。…確かに国連はロシアの行動をとめられていない。しかし、ロシアの行動に反対する国際的な団結の場となり、その中心に米国が戻ってきている"
digital.asahi.com/articles/ASQ2W…
国連の議論を追っているだけでは、現場で何が起きているのか、よくわからないところがあります。現場を見たいのですが、なかなかそうもいきません。
そんな中、高野記者が日々、戦況をつぶさに追ってアップデートしてくれています。ぜひフォローしてください。
ポーランドには、30万人以上が避難しています。
野島記者@nojimajunの国境ルポ。
"2日分の食料や衣類をバッグに詰め、ペットのチワワ犬ニックを車に乗せ、ポーランドへ"
"「ロシア軍が攻めてきても絶対戦わないで。自分の命を守って」。長男にはそう言って、別れた"
asahi.com/articles/ASQ2X…
国連総会で何度も名が出ていたICC=国際刑事裁判所。戦争犯罪などを調べる組織です。
その主任検察官が「捜査開始を決めた」。
予備調査で「合理的な根拠あり」と判断。14年のクリミア併合時から調べるといい、すでに証拠保全の機会を探っていると。ロシア包囲網の一環。
icc-cpi.int/Pages/item.asp…
ドイツで放送されたゼレンスキー大統領の演説。同時通訳者が涙でつまる。
「ウクライナの皆さん、私たちは、自分たちが何を守っているのか知っています」
「間違いなく勝ちます。我々の兵士一人ひとりに、栄光あれ。ウクライナに、栄光あれ」
との内容だった。
こちらがその通訳者の方。
「私は会議通訳者です。10時間の和平交渉も訳します。でもきょうは、ドイツのテレビでゼレンスキーの通訳を最後まで終えられませんでした。最後の彼の言葉で涙を流してしまいました。ウクライナの皆さん、大好きです」
こちらはウクライナ人の記者。
英ジョンソン首相の会見で、ウクライへの攻撃に対してもっと行動してほしいと憤る。
「NATOは第3次世界大戦を恐れているといいますが、すでに始まっているんです。その被害を受けているのは、ウクライナの子どもたちなんです」
これはすごい。
ジュネーブで開かれた国連人権理事会、ロシア・ラブロフ外相のオンライン演説を前に、100人ほどの外交官が一斉に席を立つ。事前に申し合わせして、絵面のインパクトが残るようにした模様。
これも立派な国際社会としての意思。
■1:50:00あたり→bit.ly/35ExGyT
すみません、慣れない画面収録機能を使い、音声が外部マイクになっていて、こどもの声が入ってしまっていました。失礼しました。消そうかと思いましたが、記録に残しておくことにします。
EU、ジュネーブ代表部による「その後」。ラブロフ外相の発言時に離席したのは「連帯のしるし」。数えると、100人以上いる。
「ロシアが積極的に虚偽情報や虚偽を広めている間、黙って見ているわけにはいかない」
目に見える形で、厳しい姿勢を示そうとする試み。
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