国末憲人 Kunisue Norito Profile picture
ジャーナリスト Journaliste et chroniqueur, Project Professor @ RCAST, University of Tokyo, member of the ROLES

Sep 23, 2022, 7 tweets

ロシア国境まで800メートル、ハルキウ州最北のストリレチャ村でロシア軍侵攻直前、村の精神科病院医師コンスタンチン・エルリフさん(34)にお目にかかりました。昨日、オンラインで再度話をうかがいましたので、ご本人の了解を得て紹介します(続)。 asahi.com/articles/ASQ2F… #ウクライナ情勢

ストリレチャ村は、ロシア軍の侵攻開始当日の2月24日に早速占領されました。村人たちはもうウクライナ側に出られず、避難できたのはロシア側だけでした。ロシアから欧州を回ってトルコに避難した村人もいたといいます。

ロシア軍の占領と同時に、村では電気、水道、ガスがすべて止まりました。村にあるハルキウ第1精神科病院では外でたき火をしたりしたそうですが、そのうち食料もなくなりました。約600人の患者の中には、寒さや飢餓で亡くなった人もいたといいます。

村人の中には、ロシア側に寝返った人もいました。特に村の最高幹部の1人がロシア側について、村人たちにロシアの旅券を持つよう宣伝して回ったと言います。ただ、ウクライナ軍が村を解放した今、彼らはもう村に戻れません。

ストリレチャ村は今月、ウクライナ軍によって奪還されましたが、その後もロシア側からの砲撃は止みません。患者らを村から避難させる活動が続いていますが、作業に携わっていた病院スタッフ4人が先日、攻撃を受けて死亡しました。一昨日も村人が1人けがをしたといいます。

エルリフさんは、ハルキウから村まで毎日1時間以上かけて通っていました。2月23日も普段通り帰宅し、翌日戦争に。そのまま彼は軍に志願し、医療部隊の一員として現在は東部の最前線にいます。連日の戦闘で気が休まる間もないとのことでした。

以下のロシア大使館主張の人体実験疑惑ですが、この病院はまさにエルリフさんが勤務していたところです。「人体実験をしてたそうですね」と話しかけると、彼は爆笑。「その話が流れているのは私も耳にしました。病院にペンタゴンはいなかったですよ」。冗談で「米特殊部隊ぐらいはいたかもね」。

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