国末憲人 Kunisue Norito Profile picture
ジャーナリスト Journaliste et chroniqueur, Project Professor @ RCAST, University of Tokyo, member of the ROLES
Sep 23, 2022 7 tweets 2 min read
ロシア国境まで800メートル、ハルキウ州最北のストリレチャ村でロシア軍侵攻直前、村の精神科病院医師コンスタンチン・エルリフさん(34)にお目にかかりました。昨日、オンラインで再度話をうかがいましたので、ご本人の了解を得て紹介します(続)。 asahi.com/articles/ASQ2F… #ウクライナ情勢 ストリレチャ村は、ロシア軍の侵攻開始当日の2月24日に早速占領されました。村人たちはもうウクライナ側に出られず、避難できたのはロシア側だけでした。ロシアから欧州を回ってトルコに避難した村人もいたといいます。 Image
May 25, 2022 7 tweets 1 min read
ルモンド紙が指摘する3カ月の戦いの軍事的教訓。①ウクライナ軍とロシア軍との規模の差は言うほどない。正規軍の人員はウ14.5万とロ16万だが、ウには予備役による24万の領土防衛軍があり、ロ軍はこれを見落としていた。首都陥落を防げたのは、予備役を早急に集められたから。 lemonde.fr/international/… ②ウクライナ軍は何年もドンバスの紛争に携わり、実戦で経験を積んできた。加えて、近年は慎ましいが効果的なNATOの訓練も受けてきた。ロシア軍は演習ばかり。シリアなどにもほとんどの部隊は派遣されていない。経験の差が出た。
May 24, 2022 4 tweets 1 min read
葛飾北斎の未公開作品『万物絵本大全』103点を収録した邦訳図録『大英博物館所蔵 未発表版下絵 葛飾北斎 万物絵本大全』が出版されました。大英博物館が入手した経緯を取材した際、実物を1枚ずつ拝見しましたが、今回の図録は原寸大だけあって、その迫力をしっかり伝えています。朝日新聞出版刊。 103点は、北斎で広く知られる版画ではなく、肉筆の原画「版下絵」です。通常だと、この絵の上から彫師が版木を彫っていくため失われ、後世に伝わりません。『万物絵本大全』の場合、途中で何らかの理由があって出版が中止され、版木も彫られなかったことから、版下絵が残ったとみられます。
May 23, 2022 4 tweets 1 min read
ロシア軍の苦戦に特段の説明は必要ない。大国が小国に侵攻してうまくいった試しがないからだ。米国もベトナム戦争に限らずソマリアでも失敗した。国を守る方が侵略軍より士気が高い。ロシアが誇る対ナポレオン対ヒトラーも防衛戦だったではないか。ギデオン・ラックマン論考。 ft.com/content/0d8271… 「戦闘が長引くほど、侵略軍には不利になる。首都を陥落させても解決しないのは、アフガニスタンやイラクでの米軍の例からも明らかだ。例外は、明確な限度を定めた例。米国は湾岸戦争でイラクをクウェートから追い出すという目的を達成したが、イラク戦争では政権転覆とイラク占領を狙って泥沼化した」
Apr 23, 2022 15 tweets 4 min read
国際人道法であるジュネーブ条約は、病院など衛生施設への攻撃を禁じています。しかし、今回のロシア軍の侵攻では、医療機関が相次いで標的になりました。大きな被害を被ったキーウ周辺の病院を訪れました。 キーウ西方、高速道路沿いのブゾヴァ村にあるアドニス産科病院は、空爆や戦車からの砲撃、銃乱射と放火を受けて廃虚となりました。まだ患者や医師らスタッフがいる中で攻撃が始まり、避難する人々を後ろから撃ったといいます。幸い院内で犠牲者は出ませんでした。
Apr 22, 2022 7 tweets 2 min read
チェルノモルカよりうまい魚料理がキエフにあると弁護士から聞いて、早速訪ねてみた。ポジールのフラグマン。どちらがうまいかは別にして、洗練度はこちらの方が高いようだ。一応戦時下の街でこれほどの魚が食べられるとは。 魚を指差すと、すぐさま鉄板で焼いてくれる。
Apr 22, 2022 5 tweets 2 min read
キーウ西方の農村を回った後、ボロジャンカに立ち寄りました。マンションが攻撃を受けて真っ二つに割れた街。1週間ぶりの訪問ですが、がれきの整理が思ったよりも進んで、復興への意欲を感じました。下は、3棟並んでいたマンションの東側。ぶら下がっていた中央部分の壁は撤去されていました。 こちらは西棟。崩された真ん中部分のがれきが山のようになっていましたが、これ取り払われていました。
Apr 22, 2022 4 tweets 1 min read
キーウ西方のブゾヴァ村です。5階建ての集合住宅群が激しい攻撃で大破していました。旧ソ連の特徴かもしれませんが、ウクライナでは割と小さな村でも集合住宅が設けられています。この村はロシア軍に占領されて最前線になりましたが、一つ南の村はウクライナ側にとどまりました。 ブゾヴァ村の集合住宅の崩壊跡。このように建物が崩れた跡には、しばしば大型のぬいぐるみが取り残されています。地元スーパーで大量に売っており、かなりの家庭にあるのではないでしょうか。また、立ち去る際にロシア兵が略奪しようと思わないほどの価値だといえるかもしれません。
Apr 21, 2022 13 tweets 4 min read
ロシア軍はキーウ(キエフ)包囲を目指したと思われ、一部の部隊が首都西方の農村地帯を南下しました。その途上で与えた被害は甚大です。典型的な例は、マンションを崩壊させて多数の住民を生き埋めにしたボロジャンカですが、その先にあるアンドリーウカ村の被害も尋常ではありません。その一部です。 最初に訪ねたのは14日で、ウクライナ当局のプレスツアーでした。まだロシア軍が残した兵器の残骸が散らばっており、危なっかしくて仕方ありません。兵器の知識に乏しい身としては、近寄らないのが一番。
Mar 12, 2022 4 tweets 1 min read
ロシアの著名なジャーナリスト、ミハイル・ジガル氏が描くプーチン政権の実像。20年春と夏、プーチンはロシア西部バルダイにある居宅で、ロシア銀行の大株主ユーリ・コヴァルチュクと過ごした。以来、2人はほとんど離れず、偉大なロシ再興への計画を練り続けた(続)。nytimes.com/2022/03/10/opi… プーチンはこの2年、経済や社会問題など現在の課題への関心を全く失い、過去に取り憑かれてきた。2人は90年代に出会い、ソ連崩壊後の苦労をともに重ねてきたが、今こそ屈辱を晴らす歴史的な時だと思い込んだ。90年代のロシアの弱さにNATOはつけ込んだが、今は逆だ、欧州が弱まったのだと。