ねこのメ Profile picture
ADHD。ド田舎出身都内住み、ロスジェネ世代の一児の父。時事ネタ等について呟く雑多アカです。小説(銀英伝)、漫画(ハコヅメ、チェンソーマン)、アニメ(谷口悟朗監督作品好き)、映画(FILM REDサイコー)が好き ※22.11.21アイコン変えました

Apr 13, 2023, 43 tweets

女児向けコンテンツのマーケティングの難しさ(面白さ)で一個浮かんのが「キュア”ブラック”」をブラックするかどうか問題ってのがある。
マーケティング的に言って「女の子はピンク」ってのは定石中の定石で「衣装を黒ベース」にするのは暴挙以外の何物でもない、とめちゃ反対があった。
結果は(続

言うまでもない。
作品が「女の子(=幼児)だって暴れたい(ハズ)」という当時としては非常に大胆な仮説に基づいてつくられたため「定石にない衣装でやっちまえ(*相棒は定石通り白にした)」で大成功したわけであるが、中興の祖「キュアドリーム」の衣装は定石通りピンクでこれまた成功した。(続

ただ、果たして「黒ではなくてピンクにしても一大コンテンツになるほど、初代は大成功したのか?」と考えると非常に面白いのだナァ。

蛇足:
↑ で「中興の祖」と書いたが「スプラッシュスターで大暴落した売上をプリキュア5で取り返したわけだが、
①:2人だと飽きられる(た)→戦隊モノの要素を取り入れるて数を増やす
②:舞台装置が現実的すぎた → 架空のオシャレなお嬢様学校に
③:衣装は定石どおりピンクに(続

イケメン妖精投入、秘密基地要素といった新機軸の投入など、敗因分析→修正+新機軸とこれまたお手本のような成功マーケティングである。
しかしまあ、プリキュアのアップダウン見てると、BtoCマーケティングって大変だよナァ、とつくづく思う。

蛇足2:
大元ツイに「おじさんに女児向けコンテンツなんかわかるわけないんだからひっこんどけ」みたいな意見がついてたので念のためいうが、プリキュアシリーズ生みの親の鷲尾氏は「男」だからな。
少年漫画である「鬼滅の刃」の作者が女性であるように、「ウケるもの」を生み出すのに男も女もねーよ

「この状況じゃ今までになかったことをやるしかない」という追い風はあったでしょうね。
ナージャは悪くないんだけど。

初代は集められたスタッフが「女児向けにどこまでやっていいのか」という手探り感があり、ビル壁3~4枚ぶち破って吹っ飛ぶとか、ビルの壁面でもみじ下しとか、後頭部蹴られてコンクリとキスとか、すんげーのがいっぱいあった。マーケ視点で興味深いのは(続

映画版で、「ライダーvsライダー」みたいな「男の子だったら喜ぶ”最強決定戦”というシチュエーションが全然ウケなかった」ので、”仲良しが好き”な女児には内輪揉めとか最強とかはウケないと分かってそれ以降のシリーズでは排除、みたいな、傾向を全て見通すのは無理で大事なのはトライ&エラーよね、と

まあ、↓の表情でガチの徒手空拳でやり合ってなかたら、というのはあると思うんですがね・・・。
派手なエフェクトがない分、逆にエグく見えてしまった。
ただ、ンなことで冒険する必要はないので、二度とやらないだろうナァ

500イイネ言ったので、ちょっと語り。
シリーズ8作目「スイートプリキュア」
「2人協力変身」や「第八話で仲直り」といったことから「初代の劣化コピー」という口の悪いファンもいるが、本作は「仲たがいして一度離れた絆(関係)の修復」が軸となっている。
下の主役2人(左:北条響、右:南野奏)続

は小さい頃は親友だったが、「中学入学」の際の些細なきっかけで仲たがいしてしまい、「仲直りしたい気持ちはある」が、素直になれなくて喧嘩ばかりしている。その2人が「2人ともプリキュアになったことから」物語は始まる。
「人間関係の再構築」は簡単なようで難しい、というテーマがあるわけだが(続

「再構築」が必要なのは主人公達だけではなく、そもそも「国が危機だからプリキュアになって助けてほしい」と頼んできた善側の女王(右:アフロディテ)と悪側(左:メフィスト)が夫婦でありながら突如夫が乱心したため、敵味方になって戦っているのである(*これにさらに追加戦士の”娘”もからむ)続

「さらに」プリキュアシリーズ定番の主人公達をサポートする妖精(右:ハミィ)同士の「再構築」があるが、これが作中で最もハードである。
なぜなら、姉のように慕っていて、「歌」については先生だったセイレーン(左)が敵になってしまったが、ハミィには「理由が全く分からない」からである。(続

セイレーンが敵側にいる理由は、国で№1の歌い手を決めるオーディションで「才能があるが故にハミィの歌の素晴らしさに誰より涙し、そして嫉妬するあまり闇落ちしたから」なのだがハミィは「セイレーンが嫉妬しているなどと夢思わず」いきなり辛く当たるようになった親友に困惑するばかりなのだ。(続

主人公2人は「まだ」微笑ましくもあるが、「いきなり乱心した夫(父)」や「作中で”悪かった。仲直りしよう”といって姦計までめぐらしてくる親友」と戦う、主人公周りの人間ドラマはかなりハードであり、こういうのをニチアサにぶっこんたのは感心するしかない(続

物語で示される「再構築に必要な物」解は「裏切られるかも、傷つくかもという恐怖に耐えて、相手を信じぬく」ことなのだが、ハミィの場合は自分が騙されたせいで、味方側の努力が全部パーになって、世界が破滅の一歩手前まで来てしまったという状況で「信じる」ことができるか?である。よくニ(ry続

長々と書いてしまったが、他のシリーズも「幼女向け」のガワを被って「よくこれだけ重いものを」というテーマを詰め込んでいるところが、プリキュアシリーズが続いてきた理由だと思うのだナァ

蛇足:
スイートプリキュアがコンセプトとしているのは「音楽」であるが、この分野には「才能の多寡」という如何ともしがたいものが存在し、映画「アマデウス」に代表されるように「持たざる者/天才を理解できる程度に与えられた者」の葛藤が昔から語られてきた。ハミィとセイレーンはコレだが(続

本作では響が父親に「響は音楽を奏でていない」という禅問答のような評価をされてショックでピアノを辞めていたという設定が存在する。
作中では勿論ハートフルな展開が用意されているが「天才という、凡人を理解しない人非人」という要素に少しだけ踏み込んだ、は邪推が過ぎるだろうか

オープニングの歌詞とメロディの良さはシリーズ中最高クラスだと思ふ

「女児向けにどこまでやっていいのか」手探りだった初代には、必殺技で敵が消滅し後、キュアホワイトが「私達、あの人を。。。」と絶句してへたりこんでしまう、という見ていてぎょっとするシーンが存在する。
「闇に帰っただけ」というフォローはあったにせよプリキュアは(続

「魔法少女」じゃなくて「伝説の戦士だから」というコンセプトに沿ったと思われる。ゆえに「変身バンクで笑顔を作らない」という不文律があったりもした。
・・・が、女児向けに「そりゃあんまりだ」というわけで徐々に「必”殺”」でなく「浄化技」と呼び名が変わり、変身中の笑顔も解禁されたのだナァ

これもまた「女児向けマーケット」の面白さで、近年において、女児には少女漫画定番の「等身大のドジっ子」より「大人っぽくて成績もいい”よき”お姉さん」がウケるのだそうだ。
ちなみにこれを突き詰めたのが「完璧超人」とうたわれる10作目の主人公「相田マナ」らしい

ハピネスの落ち込みはそうやったのか・・・。シリーズ長いと「オワコン化」「ライバル出現」との闘いだから大変だ
「女児の購買力=親の財布」だから景気の影響やらももろに受けるよなー。
↑ で紹介したスイートの時は東日本大震災があったのだ。

ターゲット層については確かに「以前より低年齢化」という状況があるようです。

うーん、懐かしい。
セイントテール(1995年)、プリキュア初代(2004年)なので、10年近く間があったのか・・・。

NHKの企画(総投票数61万票)でマジで「キュアブラック」1位、パートナーのホワイトは2位のワンツーフィニッシュやんけ
男性表は3割弱、女性の10-19歳も投票してるので、「男性ファン/懐古の大人の投票が効いた」わけでもなさそう。うーん、初代はやっぱレジェンドか

↑ のソース:
しかしまあ、オールスターズがあるとはいえ過去作が上位に入ってくるってのは、アレだな、ネットというよりサブスクの力なんやろな~、とか
realsound.jp/movie/2019/09/…

さすがにもう見てないが、ハーフ設定の子のメンバー入りとか、常に攻めてるな~、とは思う

なぎさの意中の先輩とほのかが仲がいいことに
なぎさが嫉妬して、仲介しようとしたほのかと仲たがいして、なのだが、和解に30分かける(*なぎさが謝ろうとしてもほのかが拒絶する)ので、やきもきした視聴者も多いのではないだろうか? 思春期ともなると「謝って仲直り(続

とはいかないというご都合でないリアリティ。
「言いたいこと言い合って、共闘して敵を倒しても”なお”仲直りしない」のがすごい。
取り違えたお互いの日記帳(*なお、メイン商品)を読んで本音に触れてようやく、である。
故に最後の「仲直り」のカタルシスは大きく、ゆえに「伝説の八話」なのだナァ

敵が偽物に変身して襲ってきた時、見分けることができたのは仲直りの際に共有した「二人しかしらない秘密」だったのはまさに脚本の妙

嬉しいリプ貰ったので、もちっと初代とスイート語り。
「仲の悪い期間が長い」というが、初代の二人とて8話までは「あなたなんてプリキュアってだけで、友達でも何でもないんだから!(なぎさ)」なのである。
第一話の二人は↓であり「まったく目線が合わないくらい同じ」続

世界を共有していない(所属している部活はラクロス部と科学部)
この2人が「たまたま」プリキュアになったことで全然違うタイプの2人が、互いに「あの子意外といい子じゃん」と、仲が深まっていく過程を視聴者は見ているので2人はもう友達だと「錯覚」する。
が、「仲たがい」8話で視聴者は(続

元気いっぱいに見えたなぎさが実は繊細で傷つきやすく恋愛に奥手である。おしとやかに見えたほのかが実は怒る時は怒るし頑固で恋愛、というか人の感情を推し量るのが苦手である、ということを主役2人と共に知るのだ。
距離が近づけば知らなくてよかったことも知るし衝突もする、「さあどうする?」

私達は全然違う。それでも「友達」になりたいから「初めて【美墨さん】でなく【なぎさ】と名前を呼んで、もう一度振り払われた手を差し出す」のが初代。
さて、スイートの2人はどうかというと昔は親友だったにも関わらず、「響が奏のケーキをつまみ食いする(=響がちょっかいを」続

かけ続けているが関係が修復できない」状態が「1年」続いてしまっているところからスタートする。
繰り返すが「1年」である。お互いいつもの言い合いをした後に「何やってるんだ」と後悔する程度には仲を修復したがっているのに何で1年も? という視聴者の疑問は2人の疑問であり、それをプリキュア(続

になって「強制的に近くにいる動機が産まれた」ことでチャンスが生まれた2人と共に、視聴者も探すことになる。
仲違いの契機は「入学式の日に待ち合わせ場所に来なかった」ことで「それだけで?」なのだが響の「でも奏は私を1人ぼっちにしたの」というセリフと表情で響は快活なようで(ry タイプ

と知ることになるが、話が進むにつれ「尊敬している大好きな父親に見放された(先述した”響は音楽を奏でていない)」と(思い込んで)それがトラウマになっていることを、視聴者は奏と共に知ることになる。
メンタルが豆腐の響と対照的に、奏は強メンタルで「泣かず」で前に出るガンガン言うタイプ(続

つまり、この2人は元々「仲良くやっていく」ためには会話したり一緒に行動して「分かり合う」「調整する」過程が必要だったのだ。エピソードは進み2人は少しづつ仲を取り戻し、新しい絆を作っていく
さて、8話。変身したセイレーンが介入してきて奏の声で(続

「もう友達やめよう」と響に伝え、怒った響は助っ人試合のお守りにもらったシュシュを突き返し関係を絶とうとする。この過敏さは響の”痛がり”が解決されてないという証でもある。
悩む奏だが、「このままだと”また”になる。だから今回は自分から動く」と意を決してもう一度シュシュを渡しに(続

行くことで破局を回避する。
同じ「仲直りの8話」でも「もっと近づくために白キュアが勇気を出したのが初代」「二度と失わないために白キュアが勇気を出したのがスイート」という違いがあると言えるだろう。
なぎさもひびきもヒーロームーブする割には「面倒な」タイプで白キュア2人は大変なのだナァ

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