IngaSakimori/人工知能戦争2035 Profile picture
ラズベリーパイを使った超小型ドラレコを作ったり、カクヨムで小説『人工知能戦争2035~DLW:Reboot』『新型コロナウィルスがパンデミックしたら欧米と中国の戦争が始まった件』やったり、なろうで『超電脳のユニバック』などやっています。オートバイと海外旅行も好き。

Dec 29, 2024, 14 tweets

定期的に東海道新幹線の最後尾荷物スペースに関する軋轢が流れてくるのだが、欧州圏の鉄道における荷物置き場の充実っぷりを体感してる者としては、あのイメージで観光客が東海道新幹線乗るとこういう軋轢も生まれるよなあ、と思わされる
相互理解のためにも多少ながら実例をお伝えしたい
(続く

前提として『欧州圏』とか『ヨーロッパ』などと雑にくくったが、欧州は広く、たくさんの国と鉄道がある。
その中でも新幹線に比肩するような高速鉄道から説明しよう
まずフランスのTGV(この写真は二階建てデュプレックス型)である
。私が乗ったのは1等車だが、2等車でも標準で荷物置き場がある。

TGVは大別して二種類あり、そのうち格安タイプは大きな荷物に追加料金を支払う必要があるのだが、一般タイプTGVではどでかいスーツケースであろうが、追加料金は不要だ
つまり『日本にはTGVのような高速鉄道があるらしい!』というイメージでやってきた観光客は軋轢を生みやすいわけですね

次はドイツのICEだ。
地獄のような遅延・キャンセルで名高い存在であり、私も4本予約したICEが1本しかまともに走らなかったことがあるので、ドイツ鉄道はクソだと自信をもって言い切るが、それでも車内ラゲッジスペースの広さは目を見張るものがある。
2等車でこれだ。もちろん無料である。

荷物棚のスペースにまで座席を設置すれば、もっと乗客を増やせるだろうに、端だけでなく車両のど真ん中にまで荷物棚がある
「日本にはICEのように速く、ICEと違って時間通りに、キャンセルされず走る鉄道があるらしい!」とやってきた観光客は軋轢を生みやすいわけだ

また、欧州圏の鉄道におけるラゲッジスペースの充実と切り離せないのが『普通列車は元より高速鉄道まで自転車輸送が可能な場合が多い』ことだろう
これはドイツの地方鉄道車内だが、ジャンプシート兼用で自転車置き場になり、ベビーカーも荷物も置けるという見事な設計だ

ポーランドの高速鉄道であるEIPでも立派な荷物置き場がある
ちなみにICEと違って時間通り走る

そしてこちらはポーランドの普通列車。
こちらも自転車置き場はジャンプシートになっており、荷物も置くことができる

地下鉄も見てみよう
パリの地下鉄はかなり狭いのだが、ドア付近はジャンプシートになっており、空いている時は座れるし、混んでくれば立つなり、荷物を寄せることが可能だ
ちなみにパリではこの狭い地下鉄にもママさんとベビーカーが普通に入ってくるし、階段でもおりゃあ!と持ち上げて運んでいく

世界最古級の地下鉄であるロンドンのピカデリー線にも『荷物はここに』という空きスペースがあり、私のようなお金のない旅行者はここにスーツケースを寄せて、ロンドン都市部まで移動することとなる
(金のある奴はヒースローエクスプレスとか使う)

ローマの普通列車では荷物置き場と自転車置き場だけでなく、電動自転車用のコンセントまでついている充実ぶりだ

他にも欧州圏の鉄道は様々であるわけだが…
想像してみてほしいのは、こういう鉄道が当たり前の地域からやってきた観光客ならば、東海道新幹線へ乗るのに際して「しまった!スーツケース置き場を考えていなかった!とりあえず空いている最後尾のところに置こう!」というのはいかにもあり得るわけである

『料金払えよ!』とか『予約ある人が優先だぞ!』というのはもちろんであるわけだが、自分自身が体験したものを振り返るに、少なくともヨーロッパ圏の観光客がそうした「しまった」をやらかすのは無理もないと思う
少なくともTwitterの一部で見られるように邪悪視するのは間違っていると考える

なぜなら我々日本人も海外へ行けばしばしば日本のつもりで、「しまった」をやらかすことがあるからだ
それは人間である限り、仕方ないことです
許せとは言わないが、全否定する前にもう少し想像を巡らせてほしいと思いますね(・∀・)

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