こうした手法は現代日本語にもあって、たとえば「真っ赤な太陽」や「みどりご」や「黄色い声」という表現があるわけです。
…と、これで思い出したのが「黄色い」という単語の特殊性でした。
で、なら「き(黄)」はどうかというと、この言葉はそもそもかなり特殊なんだと。まず伝統的には一音節で色のみを表現する和語は「き(黄)」以外存在しない。また形容詞をもたず(「きき」も終止形の「きし」も存在しない)、
(また、近い用例で「茶(ちゃ)色」があるけど、これはこれで別のややこしい話があるので別の機会に)
では日本人がいつ頃から「き(なる)」と言い始めたかというと、『枕草子』(「きなる葉どものほろほろとこぼれ落つる」)や『源氏物語』(「きなる生絹の単袴」)がほぼ初出のタイミングだそうです。
あー、「新語」を作るのも喜んで広く使いだすのも、日本では「女房たち」なんですねー。
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