Thread by @otsukishoten

#地球が燃えている ナオミ・クラインさんオンライン講演、まもなく13時より開会します！当アカウントにてイベントの模様を一部実況させていただきます。

スタンバイに入りました！

ご宣伝ありがとうございますー #地球が燃えている

始まりました！司会進行は気候ネットワークの平田仁子 @kimihirata さんです。本のご紹介とナオミ・クラインさんのご経歴の紹介から。
#地球が燃えている #気候ネットワーク #気候変動

冒頭にイントロとして映像作品を再生します。ウェビナーに参加されていない方もこちらでご覧いただけます。

この動画は、ナオミ・クラインさんとパートナーのアヴィ・ルイスさんがプロディースし、アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員がナレーターを務める映像作品です。
#地球が燃えている

オカシオコルテス議員が未来から振り返るアメリカの変革。気候対策と福祉の向上を同時に進めることで、労働者を取り残さない形で脱炭素社会が実現できることを物語として描いています。ちなみにこの映像プロジェクトについても『#地球が燃えている』で１章を割いて言及されています。

いよいよナオミ・クラインさんの登場です！

ナオミさん「太平洋を超えて手を振ってみました」(#^^#)

ナオミ「#気候変動 は危機というよりメッセージです。さまざまな危機と並んで存在するというより、メタ危機、さまざまな問題を含みこんだ家のようなものだと思っています」
#地球が燃えている

ナオミ「コロナウイルスも人間の活動範囲の拡大と関係があります。自然に対する負荷を減らすこと、経済を減速し縮小すること。少ない資源消費で生活する方法を見つけること。これは資本主義の問題でもあります。私たちの経済において善とされていることが、自然に対しては悪であることがしばしばある」

ナオミ「過去に人類の炭素排出が減少したのは、ソ連の崩壊や、世界大恐慌のときのような危機的状況でした。そのような危機の形ではなく二酸化炭素の排出を減らすには、これまでの経済の回し方ではない方法を見つけなければならないのです」#地球が燃えている

平田「気候対策は企業活動の自由を減らし、大きな政府を導入する左派の主張だという意見があります。それについてどう答えますか」
ナオミ「必ずしも大きな政府ならグリーンなわけではありません。国営の汚染企業もあります。しかし民間企業の場合には公的なコントロールが効きにくいことは事実です」

「私が過去にグローバル企業の搾取を批判したとき、そうしたものは必要悪で、経済活動が活性化すれば貧しい人々にもトリクルダウンがあると。しかし実際は、トリクルダウンどころかトリクルアップで上位の富裕層に富が吸い上げられていきました」

ナオミ「特定の地域や人々を犠牲にせずに成り立つシステム、すべての人々が水や食料、医療や福祉にアクセスできる経済のシステムが必要なのです。それをどう呼ぶかは、社会主義ではなく新しい言葉が必要なのかもしれません」
#地球が燃えている

ナオミ「そんなことができるだろうかと不安に思うのは当然です。先ほど映像作品を見ていただきました。私たちに最も不足しているのは想像力なのだと思います。資本主義や新自由主義のもとで行きていくしかない、オルタナティブはないのだと言い聞かせられてきた。レーガンやサッチャーの時代からです」

「グリーンニューディールのモデルは米国のニューディール政策です。あの変革によってアメリカ国民の生活スタイルは大きく変化し、国民生活が向上しました。そういう過去の記憶と想像力を蘇らせたかったのです」

ナオミ「コロナの影響で、多くの人が移動を減らし、飛行機やクルーザーに乗ることをやめて炭素排出の少ない生活を経験しました。そういうものも、想像力を与えてくれるものだと思うのです。」

アメリカ大統領選の結果について。「この選挙を通じて、気候問題はたくさんのイシューのひとつではなく中心的なテーマになった。そして、若い世代の運動が登場しました。グリーンでありつつ雇用や福祉、幸福や尊厳ある生活のための政策だと彼らはみています。決して「ぜいたく品」ではないのです」

ナオミ「彼らは気候問題を正義の問題として捉えています。彼らの運動が、バイデンやハリスの背中を押して野心的な気候対策の目標を掲げさせた。労働や雇用、医療保険や教育といった左派のイシューを気候問題が包括するビジョンを得たのです」 #地球が燃えている

ナオミ「バイデンが特別なのではなく、彼らの背中を押している若い世代の運動が重要なのです。彼がオバマ政権のときにはできなかったことを、今回は実現させることができる」

平田「若い世代のムーブメントの可能性をどう捉えていますか」
ナオミ「グレタやFridaysForFutureなど若い世代の運動は親世代に影響力を持っています。彼ら彼女らの行動が親世代の行動を変えることができる。複数の世代にまたがる運動が現れていることが現在の特徴です」

ナオミ「先住民のいる国では、化石燃料インフラや資源採掘に対して先住民が権利を主張することで歯止めをかけている」

ナオミ「1930年代のニューディール政策も、労働運動や社会運動がルーズベルト大統領に圧力をかけて実現したものです。共産主義的な革命を阻止するためには、左派に妥協するしかなかったのです。現在の私たちはその当時ほど強い運動を形成できていませんが、同じように圧力をかけることはできます」

平田「本の中では集合的な行動、包括的な解決策の重要性を主張されています。気候問題は大きすぎて自分には何もできないという声に対して、どう思いますか。現在を生きる私たちに求められている行動と責任とはなんでしょうか」

ナオミ「個人の努力では足りないのです。気候問題に立ち向かうには個人のライフスタイル変容だけでは足りない。集団的に行動し、包括的な解決策を見つけ出さなければいけない。一人ひとりの生活よりも、インフラやシステムを変える必要があります」#地球が燃えている

ナオミ「大切なのは団結すること。周囲の人々とつながり、共同で変革のビジョンを構築していくことです。気候変動とは私たちの家が燃えているということです。ほかの問題もすべて含んだ包括的なテーマなのです」#地球が燃えている

「気候問題に対応することは、我慢して生活水準を落とすことではありません。確かに我慢しなくてはならないところもありますが、逆に、私たちの生活を成り立たせるのに真に必要なものは何かと考える機会にもなるのです。コロナも同じように、私たちへのメッセージなのです」
#地球が燃えている

参加者からの質問、トップバッターは斎藤幸平さん @koheisaito0131 さんからです！「脱成長とグリーンニューディールは両立するのでしょうか？」

ナオミ「よい質問です。グリーンニューディールについて全員が同意できるわけではありません。気温上昇を止めるためには優先順位を考えなくてはならない。大量消費や化石燃料採掘に基づいた経済のあり方は、見直さなければならない。特にグローバルサウスからの搾取について」

ナオミ「先進国は気候に対しては途上国に対して負債を負っている。私たち先進国の生活の中では見直さなければならない部分が多数あります。一方で再生可能エネルギーや、介護や保育のようなケア労働は低炭素なので、それを成長セクターとして育てることも考えるべきです」

Q：原子力エネルギーと気候問題に関して
「福島の事故後に日本が再生可能エネルギーにシフトすることが期待されたわけですが、そうはならなかった。ショック・ドクトリンと同じことが起きました。」

「脱炭素化をゴールとして、古い原子力発電はフェードアウトするとともに、新しいプラントも順次フェードアウトさせる。100％再生可能エネルギーは可能であると多くの研究も示しています」

Q：希望について
ナオミ「希望が常にあるかといえば嘘になります。ブリティッシュコロンビア州の自然豊かな都市に住んでいますが、クジラやサケなど生態系は危機にひんしています。美しい自然が喪失していく悲しみはありますが、私たちは自然とともに生きていくしかないのです」

ナオミ「私が大学で教えている若い世代はBLM運動に参加し、真の意味での根本的な変革を求めています。彼らにとっては生存可能な世界を実現するために変革が不可欠なのです。彼らの存在は希望です」

「私たちにはそういう希望があり、彼らと一緒に闘っていくことが希望の厳選だと思います。」