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21 Feb, 22 tweets, 2 min read
世界の終わりとポリコレワンダーランド~よくわかる綺麗な差別のはじめかた~|丹羽薫のニワカ式note note.com/niwakaha/n/n2a…

今回の日本のキャンセルカルチャー史の一つの原点となった事件について後世に残すべく書いてみました。
わたしはこの時「気持ち悪い」という他なかったのですが、この気持ち悪さはどこからきているのか、それを言語化する試みでもあります。

多く寄せられた意見は「アジア人にポリコレを下賜してるつもりの大使館様」「人権先進国様のお導きは大変有難い」「白人国家の優越感」「アジアのモンキーはウットコと違ってレディーに差別的やから困るわぁ、という態度」とか。やってる側よりやられてる側はそうした意図をすぐ見抜くものである。
次に多いのは、「『ありがとう』とか言ってるのが結構いてさらに気持ち悪い」「白人様のケツナメ日本人のほうがきもい」というような声。たとえばこういう意見ですね。私はここで注目しなければならないのは、「ありがとう」とセットで「日本人として恥ずかしい」と語られる点と考えます。
大使館の「土人どもへのポリコレの下賜」という仕草は、まず「それを悦ぶ日本人へのサービス」としておこなわれているわけ。いともたやすく「蔑視する“白人”視線」を内在化し、「日本人として恥ずかしい」と言い出す人たち、「何も悪いのに罪責を感じるというのはまことに人を満足させることなのだ」
私は日本のリベラルのメンタリティについてライフワークにしているものなので、なぜ彼らがいとも簡単に、「ドイツ様ありがとう」などといえてしまうのか、もちろん彼らはそのとき「白人様のケツをなめて、ありがたく服従する原住民」とは自分を考えてないからですが、その精神構造を完全解剖します。
しかしまず気持ち悪さをわれわれが感じてしまう最初の入り口はなんなのか、それは大使館が直接的なメッセージを出さず、奇態なポーズをしながら「これで私達なにがいいたいかわかるでしょ?」「文明国のはしくれなら、これでわかるよね?」「わたしたちはおまえたちを見てるから」という身振りにある
ストレートに「こんなアップデートされてない老人を、オリンピック関係の要職につけてるなんてマジありえない。人権後進国の蛮族どもには100年たってもオリンピックなんて早いから!」と煽ってくれたら、むしろ痛快な陽気ささえ感じるのであり、こちらもニッコリ。とりあえず気持ち悪くはない。
われわれの多くが、あの大使館のツイートに感じた「気持ち悪さ」とは、根底には差別意識があるくせに、それを包み込んで(実際には全然隠せてないのは多くの人の反応を見ての通りだが)嫌ったらしい身振りが「気持ち悪い」のだ。これって欧米インテリによる「洗練された差別仕草」そのものなんですよね
ここでわかるのは彼ら欧州人が日本で「文明国のはしくれなら、これでわかるよね?」という態度をとるのは、日本とは共通コードの成立する「文明国のはしくれ」とは思ってくれている(全く涙がでるほど、ありがたいことに!)。「ポリコレワンダーランドの華夷秩序に連なる末端の国」という感じなのです
逆にいえば、中国でこういう「なめたようなムーブ」が行われない理由も明白で、「経済的に)まじで殴り返してくる怖い」「愛国無罪で暴動」というのもあるが、ほんとうにこの中国は人権の光明のささない「ポリコレワンダーランドの化外の地」と考えられているわけですね。
一応今回の件で、あまり触れられてなかった重大な事実があるのですが、ドイツ大使館からはじまり、次々と他の大使館が便乗したように見えた件ですが、実はこれ偶然でも自然発生でもなく、ドイツ大使館が呼びかけ、欧州連合代表部がバックアップした共謀によるものなんですよね
「人権意識の高い欧米では日本みたいに同調圧力がなくて、個人が自発的に~」とは嘘で、おもいっきり職場の人間関係や取引先を利用した動員による「連帯」だったわけです。人権意識の高さをアピールするひとたちが、人権意識のひくい同調圧力に屈して出した「連帯」だったとはなんとも微笑ましくある。
だから、今回ムーブした大使館はドイツと、ドイツの息がかかった欧州連合タッグが主導したので、たとえば米英加豪NZ等の、いわゆる「アングロサクソン」グループが一つもはいってない。アングロサクソングループだったらもっと分かりやすい万能の正義感に酔ったようなメッセージを出すはずなんですよね
今回の大使館群とは、あ、察しとなるのが、一つも「連合国側」がはいっていない。フランスもいない。事実上の枢軸側だったスペインだったり、ドイツと組んだフィンランドだったり、むしろ彼らは後ろめたさと贖罪への陶酔によって連帯する国々であることは重要です。そして私の問題意識もそこにあります
ドイツではアラブ系アフリカ系移民によって、自国の女性が大量に強姦強盗に性的暴行されたのは2016年とまだ最近のお話なのに、こんな極東の島国で奇態なポーズで男女平等とか訴えるより、自国の移民たちにむかって「女性を襲っちゃだめですよ」というほうがずっと女性の人権は守られる。違いますか
昨日はこんなニュースが流れてきた。
これが欧州

>欧州の若い女性の大半が攻撃や嫌がらせを恐れて外出先や会う相手を制限していることが、19日に公開された欧州連合報告書で明らかになった。
>EUではほぼ10人に1人が調査からさかのぼって5年以内に暴力行為を受けた経験

afpbb.com/articles/-/333…
女性には「移動の自由」(=基本的人権)もない国々が、極東の小島の森の老人が、言わなくてもいいようなことを口を滑らせた程度の話なのに、嬉しげに団結するのか考えたときに、つまり彼らの目的は、別に「女性の人権の改善」やらは本来どうでもよくて別の目的あったということになってしまいますよね
結局、ドイツを中心とした大使館群とは、「森の失言に抗議して、女性の偏見や男女差別に抗議するという反差別の正義ポジ」を利用して、「文化的劣位にある国として、日本へのレイシズムを満足させている」行為だったわけですね。
他の文化を見下し蒙をはらってやるという態度が、これ。ナチュラルな選民意識というか、もう完全にエスノセントリズム(自文化中心主義)ですよね。「人権」というのは、ここまで露骨なエスノセントリズムをやっても、反論をくらわない美味しい概念というわけです。
ドイツのポリコレの先鋭化が進み、ポリコレで君臨しようとするのは、ナチスがみせてくれた「アーリア民族の優越と世界に冠たるドイツの見果てぬ夢」の代償行為なんですよ。そして彼らは自分自身が、そんな「綺麗なナチズム」をはじめたことは、全く気づいてもいない点こそが恐ろしいのです。
そのほか、「日本のリベラルがいともたやすく欧米の侮蔑する視線をウホウホありがたがり内面化しても傷つかない理由」「中国が日本と違い彼らのポリコレでマウントする対象にならない最大の理由」をスッキリわかりやすく解説してます。是非読んでみてくださいね~
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