なぜ国民は政府の判断を信頼できないのか。

田坂氏:(緊急事態)宣言の解除のときに、だいたい専門家の方々は「まだ早すぎる」とおっしゃるが(政府は)希望的観測に流されて早めに解除してしまう。そして予想通りリバウンドする。

#モーニングショー
田坂氏:これを何度も繰り返しているので、国民から見ると、政府の判断とメッセージはどうしても信頼できないという気持ちが高まっていく。そういう意味で政府はこのあたりでスタイルを変える必要がある。
田坂氏:ひとつはメッセージの根本が(政府は)おわかりになってないと思うんですが、記者会見で公式のメッセージをどれだけ「安心、安全でやります」と言っても、国民が見てるのはそちらではないんですね。政府が具体的にどういう方針をとり、どういう結論を出したかを見てる。 Image
田坂氏:さらに言えば、今日のテーマですが専門家の組織をどう位置付けているのか、専門家が早すぎますよといくら言ってもやってしまう、提言をどこまで正面から受け止めたのかよくわからないということそのものが、国民に対する一番よくないメッセージになってるんですね。
田坂氏:あと一言付け加えると専門家組織というもの、今日の大きなテーマの結論を先に申し上げておくとですね、政府から独立して国民の命と安全の観点からのみ判断して強い勧告をできるような権限を持たせるべきだと思う。
田坂氏:今のようにいくら提言してみても「自主的な研究だと思います」とかですね、あの提言がどう扱われたのかわからないような位置づけだと国民も安心して専門家の判断を見ることができない。このあたりが今日の大きなテーマだと思います。
玉川氏:(菅総理は)安心・安全な大会を実現することは可能だとおっしゃっても、その根拠が明確に見えない。根拠を示してもらうと、その根拠には納得する人はいると思う。ところが根拠がなくて号令だけ、希望的観測だけなんですよ。
玉川氏:もう一点は、じゃあもし実現できなかったときどうするんですか、「もし実現できなかったら私は責任をとって辞めます」とか言うのであれば、それくらいの気持ちでやってるんだね、自分のやるか辞めるかがかかってるくらいなんだから、それで実現できると言ってるんだから、ほんとに実現できると
思ってるのねという話になるんだけど、そういう話にならないから、実現できなくても辞めないんでしょと。で「申し訳ございませんでした」と菅総理は何回もおっしゃっているけど、ダメな場合はまた「申し訳ござませんでした」と頭を下げるだけよね。今までのことでそうやって見透かされてる。
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羽鳥氏:先週、分科会の有志26人が東京五輪について提言を出しました。尾身会長、五輪を開催すればどんなリスクがあるのか、専門家としてまとめるのがプロフェッショナルとしての責任としています。これについて結果どうなったか。 ImageImage
羽鳥氏:つまり提言は反映されなかった。菅総理は21日に「緊急事態宣言が必要になった場合、無観客も辞さない」これは強いメッセージを発したと思いますが、
田坂氏:(菅総理の発言は)強い決意を示したように見えるが、「無観客」の提言を受け入れない理由は示さずに「有観客」を既成事実化したもの。国民の理解と納得が得られていない」
田坂氏:これ、専門家会議とのきちんとした対話をやるべきだと思います。この間、世論としては中止、延期などいろいろな声があった、それに対して専門家の有志の方々は提言を出した、それと違う結論を出すということは政府の考え方としてはあっていいと思うんです。
ただ強い勧告権限と申し上げた理由は、一応権限をもって勧告されたのであれば、それに従わない理由をきちんとした科学的根拠と客観的な事実を使って説明するということをルールにしないと、いつもやってるのが「専門家の意見を伺ったうえで総合的に判断した」
田坂氏:つまりそこがいつもブラックボックスになってしまうわけです。このあたりが厳しく言えば、恣意的な判断に見えてしまう。ここをもっとしっかり切り替えて、もっと透明性のあるプロセスに切り替えないと国民の信頼はますます落ちてしまうだろうと思います。
羽鳥氏:尾身会長が提言で五輪開催の是非については触れていません。それには理由があります。
尾身氏「菅総理がG7サミットで五輪開催表明をしたので、(中止提言の)意味がなくなった」中止しなくていいということではない。一方、橋本会長は「(開催の)中止は尾身会長からも提言がなかった」そこは考え方が一緒ですよというコメントを21日に出した。 ImageImage
田坂氏:専門家らの提言を都合のいいように利用し、責任の所在を意図的に曖昧にしている。国民はそう受け止める。橋本会長は他意もなくおっしゃったのかもしれないのですが、こういう発言をされると明らかにそういうふうに受け止める国民は多いと思うんですね。 Image
冷静に聞いていると、尾身会長はほんとは中止ということまで提言に盛り込みたいとはっきりおっしゃっていたが、その前にG7があって総理が開催するので各国に支持を求めたわけですから、このあと今更中止を言ってみても仕方ないという立場に立たされた、その流れの中で中止を言わなかっただけなんで、
それを逆手にとって「尾身会長が中止を言わなかったから開催してもいいという専門家の意見だと思います」というニュアンスで発言するのは、国民から見るとご都合主義的に専門家の意見を使っているのではないかと思われる。
重要な点は責任の所在を曖昧にしている、いつも「専門家と相談して」とか「尾身会長がこうおっしゃっているので」という枕詞で政府の究極の責任を曖昧にしている傾向がずっと続いているんですね。一体誰に最後の責任があるのかということを政府がしっかり示さないと、いつもどこかに逃げを作る。
専門家の意見を聞いた、専門家もそういっていると、専門家が言ってないようなことまで言ってしまうわけですから、国民の信頼というのはこのやり方はどこかで改めないと、このあと、オリパラ+感染拡大という異次元の状態に向かっていきますので、一体この専門家会議、特に医療、医学の方の専門家の方々
の組織の位置づけをもっと国民の前に改めた形で示されるべきだと思います。
玉川氏:(今の)専門家と政府の関係は、原発事故前の政府と専門家の関係にすごく似ていると思うんです。田坂さんは専門なので、当時、事故のあとに内閣官房参与になって原発事故の検証をされているので、僕からみるとそういうふうに見えるんですよ。
玉川氏:原発事故の前は政府としては「原発とめたくない」という大目標があって、そのために専門家と政府の関係がすごく曖昧だったと思うんですね。そこを教えていただきたい。
田坂氏:大変重要な指摘なので正確に申し上げると、福島原発事故の、あの最悪の事態が起こった原因は、私は究明する立場にあったので調べていくと、もう究極、組織の在り方なんですね。よく知られていることですが、あの事故以前の原子力の規制の在り方というのは、世界から見ると非常識だったんです。
田坂氏:つまり規制をする側、安全を論ずる組織と、推進をする、経済を考える組織がひとつの屋根の下にあった。経産省の下に。人的にも交流していたので、お互いに相当忖度し合っていた。
田坂氏:たとえば東電にとっては津波がやってくるということは実は事前に予測されていたのですが、そこについていろんな忖度をしてたわけですね。これがあったがゆえに、本来原子力規制委員会、世界の常識でいえば、国民の健康と安全の観点からのみ明確な規制をする、提言をする、
その立場がなかったがゆえにあの事態が起こったわけです。
田坂氏:私は今回のパンデミックに際して、このことを原子力の専門家としても申し上げ続ける理由はきわめて似ているんですね。安全を論じる組織と、経済を論じる組織をごちゃまぜにしてしまうと、必ず経済のほうに流されます。これは残念ながら世界の歴史がそうですので。
田坂氏:世界の原子力規制委員会の常識と同じように、独立した権限を持って、強い勧告権限をもって、それを今、やるべきだろうと思います。
玉川氏:もう一点、原発事故が起きる前は政府としては原発をとにかく続けたい、やめるとか規制をかけるというのはイヤなんですね。そういう政府側の思いがあったと。今回も政府はオリンピックはやる、やりたいんだという思いが大前提にある。というところが似てるんじゃないかなと。
田坂氏:おっしゃる通り、政府の立場で原子力政策があるとそれを進めたい、それはあっていいと思うんです。オリンピックについてもそういう立場があっていいと思うんです。私が申し上げているのは、必ず国民の前で、いい意味での緊張感があって綱引きがあって、そのプロセスが透明であるということが
極めて重要だと思うんです。それがあれば、政府の側も進めたい、だけど専門家の安全の観点からの指摘についてはしっかりと考え、答え、国民に納得してもらうというプロセスが生まれるんですけれども、これがごちゃ混ぜになっていまうと、いわゆる”総合的判断”で曖昧になってしまう、
これを卒業されるべきだというのが今日の私の提言です。
羽鳥氏:じゃあ、こういった問題を解決するためにはどうしたらいいか
提言 問題解決のための3原則

1.専門家組織には政府から独立した、強い「勧告」を行う権限を与えるべき
2.政府が「勧告」と異なる方針を決めるときは「理由」を明確に説明すべき
3.政府が決めた方針で生じる問題には政府が「責任」を持つべき ImageImageImage
田坂氏:今、専門家の方々は分科会ひとつでも経済と安全を論じる方が一緒になられている、そういう場があってもいいですけど、基本的には医学、医療の観点から国民の命と安全を守るためには、どうあらねばならないのかということを科学的根拠に基づき、客観的データに基づいてきちんと提言する、
そういう組織を今、作るべき。それが一点目。二点目は、それに対して政府が違う判断をするのは、私はあっていいと思います。
ただその時になぜ違う判断をしたのかを、専門家会議の提言に合わせて、「この点については我々はこう判断する」「こういうデータもある」というキャッチボールをやれば、国民からみて非常にわかりやすい。
さらに最後に政府が責任を持つということを宣言されたら、いざ大変な事態が起きたときに決して政府を責めたてるということではなく、どこの判断に問題があったのか冷静に分析できる。
今のままだと何かひどいことが起きたときに、誰に責任があったのか、どういう判断でこういうことをやったのかもわからない。いわば反省のしようがない。このあたりが、これから異次元の状態に向かっていくときに、遅くないので専門家の位置づけをしっかり改めるべきだと思います。
石山氏:田坂さんに質問したいのですが、その組織の課題を誰がどういうふうに変えれば実現するのか、変えられるのか。今、誰も政府に対して強く言える人がいない、専門家の話も受け止められない、国民の気持ちも受け止められない、要は誰も強くプレッシャーをかけられる人がいない状態。
そこから変えるためには何が引き金になるのか

田坂氏:本来のあるべき論でいえば、原発事故のあとに原子力規制委員会を法律を作って位置付けたというのがありますので、いずれそれはしっかりやるべきだと思います。パンデミックがひと段落ついた段階で。
今の時点では私は政府がこういう組織をこういう位置づけにしますと宣言するのが、一番現実的なやり方だと思います。ただ、今のこの菅政権がそれを受け入れるかどうかというのは、たとえば今日のこのTVをご覧になっている視聴者の方々、国民、そしてメディア、様々なところから
「そうするべきではないか」という声をあげていただきたい。これは政府を責め立てるのではなく、本来どうあるべきかを国民全体で議論しながら変えていくというプロセスが現実的だと思っています。
菅政権は今、どうやったら国民から信頼してもらえるか悩まれていると思うんですね、一番いい方策は記者会見を10倍増やすことではなく、専門家組織をこう改めますと宣言されるだけで、国民からの信頼感はかなり回復するのでは。
玉川氏:原発事故のときは原子力村という推進派に偏っていた。今回は感染研に偏った人選で、その人たちが主導権を握っているということは言っておきたい。
田坂氏:我々が無力感にとらわれて何を言ってもしょうがないと思ってしまうと、「本来どうあるべきか論」が世の中で広がらない。本来どうあるべきかだけは絶対に譲らない。どんなにひどい状態になっても揺り戻しは起こります。その時のためにもこの議論は続けていくべきだと思います。

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26 Jun
東京五輪 事前合宿実施状況(2021.6.25現在)

報道から拾ったものを一覧にしました。全部は把握できていないので、新しい情報がありましたらぜひ教えてください。また日々、情勢は動いていますので(受入⇒中止、あるいは中止⇒受入があります)最新情報をチェックしてください。
北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県 Image
山形県・福島県 Image
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25 Jun
昨夜から全国の事前合宿実施状況を調べてみて、驚いたのは
・受け入れ人数の規模の大きいところが結構ある
・ほぼ全部の都道府県が事前合宿を実施する
・事前合宿の感染対策費用が自治体を苦しめている
<受け入れ人数の規模が大きいところの一例>

東京・立川市で中南米を中心とした約30の国・地域から177人の大規模選手団を迎え入れる。
news.yahoo.co.jp/articles/0e427…
同市に拠点に置く、不動産事業の「立飛ホールディングス(HD)」が主導し、立川市や中央大学などと連携して実施。新型コロナ禍の影響で全国の自治体で事前キャンプの中止が相次ぐ中、民間企業が主導する異例のケースとなる。近日中に発表される。
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25 Jun
ホストタウン情報を調べていたら、こんな記事が。
mainichi.jp/articles/20210…
”会津若松市では選手とコーチら約20人が7月1~20日ごろまで滞在予定だった。市は大使館を通じタイのボクシング協会と連絡を取っていたが、7日に「タイ国内の感染状況がひどく、ウイルスを会津若松に持ち込む訳にはいかない。大会直前まで自国で調整し、直接選手村に入る」という旨の電話があった”
5月に開催されたボート競技、スリランカチームで感染者が出ていたんですね。
nikkansports.com/olympic/tokyo2…
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25 Jun
【沖縄県】デルタ株初確認 
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県は24日、インドで最初に見つかった新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)が県内で2人から検出されたと明らかにした。デルタ株は感染力が強いとされ、県内で確認されるのは初めて。県によると全国の都道府県では14番目となる。
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中部保健所管内の男性は17日に行政検査で陽性となり、翌日から入院していた。直近に県外の滞在歴はない。陽性検体を対象に県衛生環境研究所でデルタ株の検査をしており、24日に判明した。
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24 Jun
五輪事前合宿 中止予定のコロンビアが一転 実施を打診 北九州|NHK
www3.nhk.or.jp/news/html/2021…
東京オリンピックの開幕まで23日で1か月となる中、日本国内の新型コロナウイルスの感染状況を理由に北九州市での事前合宿を中止するとしていたコロンビアの複数の競技チームが、選手などへのワクチン接種が進んだとして、一転して事前合宿を実施したいと打診してきたことが市への取材で分かりました。
市は受け入れる方向で調整を進めています。

北九州市では、コロンビアの10の競技が東京オリンピックの事前合宿を予定していましたが、このうち7つの競技は先月、日本国内の感染状況を理由に事前合宿を中止すると市に連絡してきました。
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24 Jun
バンコクの一部の病院で新型コロナ検査を停止、入院ベッド不足で
thaich.net/news/20210624j…
毎日1,000人前後の新型コロナウイルス陽性者が確認されるバンコク。一部病院では陽性反応が出た場合に受け入れるための病床が不足して、PCR検査を一時中止しています。各報道が伝えています。
報道によるとチュラロンコーン病院では2021年6月24日(木)から4日間、綿棒での検査を中止しました。またいくつかの病院ではスタッフの負担が大きいため、または病床不足でPCR検査を縮小している病院もあるとのこと。
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