Thread by @flurry

ワクチンの供給について、「自治体が在庫を持っている」「自治体や医療機関がVRSへの接種履歴の入力をサボっているから在庫に見える。自治体が悪い」みたいなアレをよく目にするので、ワクチン関連のシステムについて調べた範囲で書いてみます。
そして驚愕の事実が判明。

ワクチン関連ですが、以下の3つのシステムがあります。多いですが仕方がない面もあります。
ただし所轄が異なるのがポイントです。

1) V-SYS（厚労省）
2) VRS（内閣府）
3) 予防接種台帳（各自治体）

昔からのシステムが 3 、新型コロナ対応で 1 が作られて、直前にさらに 2 が追加されました。

1) V-SYS（厚労省）
・新型コロナワクチンの流通管理のためのシステム
・各自治体や医療機関がワクチンの希望量や接種実績を入力できる
・各自治体や医療機関に対してワクチンの配布量を通知する。
・医療機関などへのワクチンの配送履歴を管理する。

2) VRS（内閣府）
・各個人がいつどこでどのワクチンを接種したかという履歴を、自治体の枠を越えて一括管理するシステム。
・データ化が早い。従来の予防接種台帳は仕組み的に最大3ヶ月かかる。
・異なる自治体への転居や、自治体と職域接種など異なる枠組みで接種する場合に強い。

2) VRS（内閣府）（続き）
・各個人単位の接種履歴なので、1日に100回接種するとシステムにデータを100回登録する必要があるが、登録の特定の部分、接種券番号を読み取る作業で非常に手間がかかる。（仕方がない面もあります）

3 の予防接種台帳については割愛します。

さて、このV-SYSとVRSの担当範囲を見て思うわけです。

「あれ？ VRSに1件ごとに入力するのが大変だとしても、V-SYSのほうに『今日は何件接種した』という合計の接種実績だけでも入力しておけば、それで、1日の接種数もワクチンの在庫も分かるのでは？」

ここで驚愕の事実が判明します。（続く）

（続き） 5月31日に厚労省と内閣府が連名で以下のような事務連絡を出していたのです。

「V-SYSとVRSの両方に接種実績を登録するのは大変だと思うんで、VRSに登録したらV-SYSには登録しなくていいよ」
mhlw.go.jp/content/000786…

な、なんだってー。

（続き）想像ですが、V-SYSの接種実績登録が行われなくなった一方で、VRSからV-SYSへの接種実績の反映も行われないか大幅に遅延している。
そのため、ワクチンの流通管理を目的としているはずなのに、V-SYS上でワクチンの在庫が把握できなくなっているのではないでしょうか。

V-SYSの管轄が厚労省で、VRSの管轄が内閣府であることを思い出してみましょう。
河野太郎を見れば分かるように、各自治体へのワクチンの配分は内閣府が主導しているように見えます。

VRSへの接種履歴を優先させて、V-SYSへの入力を不要としたのも自分たちが主導権を握る上で必要だったからだと思うのですが、そういったあれこれのせいで、内閣府も厚労省もワクチン在庫が把握できなくなっているように見えます。