有線放送で「We Don’t Talk About Bruno」流れてるんだが、こうした環境下に最適化された他のポップスと違いガチのミュージカル曲なので、ドロレスのパートとか全然聴き取れず、アウトロも突然終わり、それがまた「歌い手がくるくる入れ変わるけど全容掴めない曲」としてリスナーの印象に残るなぁ。
続）最新ヒットチャートをただ機械的に並べているだけの放送において「あまりリスニングがイージーでない」曲として爪痕を残す感じ。言われてみれば「Let It Go」もイントロはこういう環境下だと聴き取りづらいんだよな。何のヴァースだろ、と耳を澄ませているとサビでドカーンとレリゴーするという。
続）たとえば「Beauty And The Beast」なんかが切り出せば単体でポップスになるのと比較すると違うよなぁ、これで（レリゴーを凌ぐ勢いで）全世界でチャート1位獲るんだなぁ、という想いとともに、この曲のキモ「同じメロディとリズムでも歌い手が入れ替わるたび全然違って聴こえる」を実感するよね。
続）「なぜレリゴーよりも『あんな曲』のほうがヒットしたんだと思います？」と訊かれるが、正直もっと耳に残る曲たくさん書いてる作家なので「最終的にはディズニーの力では？」と思う。あとは「シーズンズオブラブよりワンデイモアのほうがアガるミュージカルオタクとしては喜ばしいですね」とかか。
続）……や、あんな曲とか言うなよ！（遅効性のキレ）
続）「でもミュージカルがうっすら嫌いで『何歌ってるか聴き取れない』と難癖つけるような人でもウィーアーザワールドみたいな構成の曲は大好きだったりするわけだから、あの曲のリズムが頭を離れずどんな陰気な内容でもウズウズご唱和しちゃう理由くらい自力でわかるのでは？」と思いますけどな……。
続）楽理的な解説なんかできるはずないですけどな、「なぜリンマニュエルミランダのあんな曲がヒットして全世界を席巻するのか？」って、「なぜ若い未婚女性がボーイズラブに走るのか」「なぜ阿佐ヶ谷姉妹がブレイクするのか」とかと同じで、「えっ、だってみんな大好きでしょ？」としか言えませんよ。
続）「逆に訊くけどあんたたちなんで今まで、同性同士の恋愛を描いたコンテンツや、結婚せずに幸福そうに暮らしてるおばさんたちや、ミュージカル作品の劇中で歌われる芝居がかった状況説明ソングのことが、そんなに大嫌いでみんなも同じで絶対に大衆にウケるわけないと、信じ込んでたわけ？」となる。
続）「登場人物が入れ替わり立ち代わり同じ曲を別の歌い方するので事の全容が掴める」も「一人の主人公が他の登場人物たちにワンフレーズずつ歌わせながら状況説明する」もみんな大好きでしょうよ、BTSが同じ振付でも踊り方少しずつ違って何度観ても飽きないと解説してくれたのあなたでしょ、となる。
続）これは「インザハイツのキャストが歌うワンデイモア」の動画ですけど、こうしてマッシュアップされてみると、リズムが陽気だとか歌詞内容が陰気だとかは表面的なことで、「みんなで入れ替わり立ち代わり歌うミュージカルナンバーはアガる」という基本がわかりやすいかと。
続）別に「なんでこんなこともわからないの！」と誰かを何かを責めてるわけではなくて、ただ、「そこ、解説、要る……？」みたいな話です。「ミュージカルって突然歌い始めて踊り始めて全部の状況を音楽で強引に言葉より早く説明してくれるから楽しいね〜！」を阻害しているのは誰の何なのかと考える。
続）『SIX』などは逆に「ミュージカル界から放たれたポップスのパロディ」で、有線放送でかかってたら誰もが「なんかちょっと懐かしい感じがするいい曲だな」と歌詞なんかは聴き流して終わるだろう。ハリウッド映画化されてもチャート席巻するかは疑問だ。そしてそれが楽曲の価値を低めることもない。
続）「We Don’t Talk About Bruno」がなぜ日本で全然ウケないかという話もあるにはあるけど、「でも日本のみんなたちも『我ら息絶えし者ども』は知らなくても『港のヨーコヨコハマヨコスカ』は大好きでしょ……？」とも思う。ここに居ない人の噂話するソングを複数名で歌うか一人で歌うかの違いでは。
続）もはや楽理的解説どころか「カルパッチョは刺身でオリーブオイルが醤油」くらいの雑な話をしておりますが……。
続）狙って書いた渾身の「私だけに」や「愛と死の輪舞」でなく「我ら息絶えし者ども」が英米のチャート席巻してレリゴー抜いたという話ではあり、しかしオタクにその理由を分析させても「そりゃあ、みんな真似して歌いたいのは『誰も知らない真実エリーザベッ！』だからでは？」しか言えんですよ……。
• • •
Missing some Tweet in this thread? You can try to
force a refresh
