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【福井県】コロナ感染増、検査の限界　病床のコントロール考え直しを｜朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASQ3C… #新型コロナウイルス #オミクロン株

新型コロナウイルスの感染者が収まらず、独自の特別警報を発令した福井県。この間、医療現場や行政はどう対応してきたのか。県の専門家会議のメンバー、福井大学医学部付属病院の岩崎博道教授（感染制御学）に聞いた。

―県内では感染が収まりません

全国ではピークを越えたようですが、福井はまだです。7日には過去最多の559人が確認され、この数字をどう解釈すればいいのか、悩んでいます。徐々に増えていく普通の増え方ではありませんでした。

―7日は、通常は人数が少ないはずの月曜です

私たちは数字がどう算出されているかを理解して、数字の動きを類推します。福井では過去最多が出るときに突然、増加する現象がありました。この日の急増も正確に理解しなければ今後の予想もつきません。

―オミクロン株の特性以外に、福井でこれだけ広がった原因は

検査の限界などの理由で感染者を一部しか把握できなかった可能性があります。抑え込むべき時期はいつだったかがまだ分からず、収束していく時期や仕方によって後から見えてくるでしょう。

―県は、リスクのある高齢者らの検査を優先する方針にしました。専門家が早い段階でそうすべきだと指摘していたことです

ようやく声が届きました。病院関係者が集まる様々な場でそうした意見が出ていました。例えば、学校で陽性者が出ると、福井では、検査を受ける本人にも濃厚接触者かどうかなどを伝えず、広く検査をしてきました。小さい児童を検査すれば、親が仕事を休むなどせねばなりませんでした。

―学校で感染者を特定しにくくするためのやり方だったのでは

いじめの問題などもあったのでしょうが、早い段階で別の方法で解決するべきでした。今のような状況になると、投網にかける検査では、結果判明も遅れて、混乱を招きます。

検査能力とパンデミックの状況を比較しながら、どの辺りでやり方を変えるかが問題になります。福井県には、医師、弁護士、経済学者でつくる専門家会議があります。会議は一昨年11月から開かれていませんが、もっと意見を述べる場を設けていただきたい。

―今からでも変えるべき点は

県内に441床の病床があります。これは第5波までに軽症者や無症状者を受け入れていた病棟の病床や体育館を使った臨時医療施設100床も含んでいます。こうした人たちは第6波から、自宅での経過観察です。今は利用する見込みがない病床と言え、病床使用率が実態より低く出ます

―まん延防止等重点措置を申請しない理由として、福井では病床使用率の低さが言われます

実際に感染者を診ている病院の逼迫度が数字に表れていないので、県民の誤解も招きます。軽症者や無症状者を入院させていない今の状況に合わせて、各医療機関に病床を割り振っていくことが必要です。

重症者の受け入れも同じで、新たに整備された設備があっても受け入れられない病院もあります。あらためて、病床をどのようにコントロールするか考え直す必要があるでしょう。