ファイザーのCEOのインタビューについてなんだけど、おそらく誤解がある。

mRNAワクチンの開発に当たり非常識だといったのはかなり有名な話で、前例がなく、ワクチン開発の段階にないと考えていたことは1年半前から報じられている。
しかしながら社内評価で開発を決断し、結果として第一世代ワクチンを完成させたという話であって、「非常識」という発言は、ワクチンの有害性や有用性にかかわる発言ではない。
第一世代COVID-19ワクチンについて感染回避性能はないという発言も、もともと感染回避を目指して開発したものではない。
治験してみたら感染回避の可能性があり、接種事業3か月目に感染回避できる、集団免疫だということをファウチさんたちが積極的に発言し始めている。
事実として、武漢株、欧州株、α株、δ株には結果として感染回避有効性があった。

しかし、ワクチン抗体免疫の持続期間は、やってみなければわからなかった。もちろん永続性は考えられておらずk、定期接種が示唆され続けてきた、
なぜこうなったかというと、開発期間が短かったから。ふつうは少なくとも5年かけて開発するワクチンを10か月で実用化したのだから治験期間が決定的に不足することとなる。
だから第四相試験が重きを持つことになった。
昨年3月ごろにはファウチさんが第三回目接種に言及するなど、おそらくこのころから免疫持続期間の短さが粗データとして出てきていたのだろう。
5月ごろになると、免疫持続時間が短いことがわかってきて、イスラエルなどで3rd Shotの動きが始まっている。6月にはWHOがワクチンアパルトヘイトを加速するとして3rd Shotに反対する声明を出している。
9月に、多くの国が一斉にBooster Shot(3rd Shot)に着手している。このころには、冬のエピデミックを既接種者のワクチン免疫では抑えられないことが強く懸念されていたため。このとき冬のSurgeはδ株の系統と考えられていた。
10月ごろになると、ワクチンによる感染回避は半年も持たないことがわかってきていた。僕がBoosterを12月までには開始すべしと主張したのはそのため。
案の定11月には秋の波がδ株Surgeの再燃として世界で始まった。この時までは、Boosterで何とかなる見込みだった。
11/24に南アでワクチンを回避する変異株のエピデミックが報告された。

このご数日で、第一世代ワクチンは総崩れということが半ば合意された。しかし、δ株Surgeが深刻化の兆候を見せていたのでδ株対策にBoosterは継続された。
12月に入ると第一世代ワクチンはο株にほぼ無効ということが次々に報告された。
δ株Surgeが深刻化の兆候を見せていたのでδ株対策にBoosterは継続された。
12月半ば以降、次々にο株がドミナントとなった。
ワクチンの有効性は細胞免疫以外期待できないとされ、治験不足もありエリートパニックが拡大。
1月冒頭、Boosterがο株に対してある程度の効果があることが報告され始めた。
ただし12月には、接種の効果は抗体免疫については1か月くらいしか持たないことも報告されていた。
とりあえず足しにはなるのでBoosterは継続された。
2月に入ると米欧ではSurgeも一段落した。
ο株に対して、第一世代ワクチンは二回接種ではほとんど意味がなく、3rd Shot後には1~2か月わずかながら感染回避があるのではとなった。
また、細胞免疫が有効であるという可能性が多く報じられるようになった。(死ななくなる)
3月になるとかなりデータが出そろってきた。
少なくとも2回接種していれば、死亡回避、重症化回避は実用的有効性を持つ。
感染回避、発症回避は、ごくわずかな期間に50%ていどであり、すぐに消失する。
ADEなどの発生が示唆されるデータが提示されている。(合意形成されていない)
第一世代COVID-19ワクチンはすでにウイルスに敗北しており、第二世代に移行すべきであることはほぼ明らかである。

ワクチンによる感染回避への依存はポリシーとして危険であることがο株によって示唆されている。

死亡回避にはまだ十分に有効である

Boosterの効果は限定で気であり、接種対象に依る。
結局、仕方ないのだが、速成ワクチンが故の問題が表面化したといってよい。

その弱点を無視したワクチン・ポリシーによってο株が生まれたと僕は考えている。(少なくとも一因)

ワクチンの弱点を無視したワクチン至上主義は結果としてワクチンの寿命をわずか11か月で潰えさせた。
あと合衆国の右翼メディアを原典にすることはやめるべき。
訂正)
Boosterの効果は限定で気であり、接種対象に依る。→Boosterの効果は限定的であり、接種対象に依る。

@@@@
接種対象のリスクと受益の比較考量に大きく存する。Boostetのリスクと受益の比較考量が成立する接種対象は精々人口の40%程度であろう。

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Mar 22
まぁ、東西変換所と軽くいっても、建設と維持にお金かかるからね。

下手に大型電源造るよりは周波数変化所をたくさん造った方が簡単なのだけど、費用負担の問題が出る。

結果として、どうしようもなくなったら停電という手段は、ポリシーとしては正当性がある。電力マンには最悪だが。
結局費用の問題でしょう。

柏崎刈羽に投じた時間と労働力とお金を使えば東西変換所は出来るのだけど、東西変換所は儲けにならない。

基本的に費用発生・負担の施設となる。
だからこそ政策として経産省が支援すべきであったのは東西変換所。

社会の安定に必要な投資は国が支援することに問題は無い。
Read 4 tweets
Mar 22
東京電力の電力不足は、11年前と構造がとてもよく似ている。

震災で東電管外に建設した大型電源が多数破損し、しばらく停止。

やはり管外の柏崎刈羽も長期停止。(リーガルプロセスの段階ですら今後1年は動かない)

この結果、貧弱な東日本の電力融通では首都の需要を賄えなくなった。
前回は、柏崎刈羽が一部稼働していたが、福島、茨城の発電所がほぼ壊滅、千葉、東京の発電所も大打撃で、電力網がひとたまりもなかった。だから循環停電に追い込まれた。

今回は、そこまで打撃はないのだが、ただでさえ夏に向け定検中のユニットが多い電力需要閑散期のため、季節外れの寒波で破綻。
数時間程度の停電なら人は死なないし、大病院などは自家発で持つが、長くなると厳しいことになる。

ただ、11年前の輪番停電になるような事態では無い。
Read 7 tweets
Mar 21
今の状態にBA.2Surgeが発生すると、八月頃まで収束しなくなるのだけど、結果として集団免疫が短期的について、第7波は、12月から年明けに始まるのではないかというシナリオを考えている。

第6波は、8000万人以上の感染で、2万人前後の死者、1600万人以上のLong COVID。

但しこれは、非常に悪い想定。
この場合は、10月頃に第二世代ワクチンないし第2.5世代ワクチンを基本に定期接種をすれば良い。

ο株専用ワクチンとの混合接種については状況によるが、第一世代ワクチンとの混合接種は止めるべきだろう。
第二世代ワクチン ノババックス
第2.5世代ワクチン 塩野義(成功したら)

第三世代ワクチンとして KMバイオの不活化ワクチンを注目している。
Read 8 tweets
Mar 21
接触可能性 3/10 200人ほど
発症 3/16 夜
3/17未明 唾液検体採取 3/20 結果陰性

3/17〜3/20 体調悪化 発熱
風邪として処方薬服薬
クラリスロマイシン
葛根湯
ガイレス
アセトアミノフェン
ほか降圧剤など

3/20喉の炎症悪化
アスピリンに切り換え(飲み合わせ注意)

3/21未明 唾液検体採取→発送
3/21 睡眠5時間
気分がかなり良い
体温 36.3℃
サチュレーション 96~98%(一貫してこの値)
血圧高め 104/93
アスピリンは、凝固阻止剤としてクラリスロマイシンとの飲み合わせは要注意(禁忌ではない)ので厳重に経過観察中。

普通はこの組み合わせの処方は躊躇する。
Read 10 tweets
Mar 20
現在風邪、自覚症状あり。寝こみ中。

先ほど投函したPCR検査は、二回合計の合成臨床感度97%程度となる。

二回とも陰性ならば、よほどのことがない限り大丈夫だろう。
あと2日早く投函していたら、合成臨床感度は99%程度。

2%の差なので、大した違いはない。
一回目は陰性であった。

唾液検体PCR検査は、絶好のタイミングでも臨床感度90%程度であるので10%の不確実性がある。

そのため、日を改めて二回検体採取する。
Read 4 tweets
Mar 20
燃料棒のピンホールは、特にPWRの場合は、一次系の外に放射性物質が出るわけではないです。

ただし、燃料棒の被覆のピンホールは、含水燃料という問題を起こします。健全な燃料棒は、反応度事故を起こしてもなかなか壊れません、しかし含水燃料は、反応度事故を起こすと破裂してしまいます。
ただし、定常運転中にピンホールが開いた場合、燃料棒の内圧がありますので水の侵入は抑えられると思います。

停止後は、ピンホールの空いた燃料棒を交換することになります。

なお、制限値よりも放射能濃度が高くなる場合は、ピンホールが多いかクラックと考えられますので、原子炉停止します。
一次系の放射能濃度が上がるということは基本的に燃料棒の損傷で、これにより含水燃料となることが最大の問題です。

反応度事故が起きた時に含水燃料は破裂し、原子炉炉心に深刻な打撃を与えます。

このことは、1,950-60年代に実験的に確認され、60-70年代に解明されています。
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