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Apr 14 9 tweets 1 min read
#鼻スプNEWS
ノースウエスタン大学,ワシントン大学,セントルイス大学の研究者たちによって開発されたタンパク質ベースの新しい抗ウイルス鼻スプレーは, COVID-19を治療するための第I相臨床試験に向けて進んでいます。(2022/4/13)
news.northwestern.edu/stories/2022/0…
- コンピューターで設計され, 実験室で改良されたこの新しいタンパク質治療薬は, ウイルスの細胞への侵入を妨げることで感染を阻止します。(中でも) 最も優れたタンパク質は, 米FDAの緊急使用許可の抗体治療薬と同等またはそれ以上の効力でウイルスを中和しました。
- 注目すべきことに, このタンパク質は,試験された全てのSARS-CoV-2変異株を中和しました。これは多くの治療用抗体ができなかったことです。研究者たちがマウスにこの治療薬を鼻スプレーで投与したところ, 最有力の抗ウイルス·タンパク質は感染症の症状を軽減し,感染を完全に防ぐことさえしました。
- 研究チームは以前の研究で,スパコンを用いて,SARS-CoV-2のスパイク蛋白質の表面の脆弱な部位に結合する蛋白質を設計しました。今回の研究では,ミニバインダーと呼ばれる蛋白質を再設計し,更に強力な蛋白質にしました。ミニバインダーは,剥離しにくくなるようにウイルスの3カ所に同時に結合します。
- "SARS-CoV-2のスパイク蛋白質には3つの結合ドメインがあり, 一般的な治療用抗体では1つしかブロックできません。我々のミニバインダーは, スパイク蛋白質の上に三脚のように乗って, 3つとも全てをブロックするのです。1週間後も試験管の中で決してばらばらになることはなく, 繋がったままです。"
- "現在の抗体薬は変異に弱いだけでなく, いくつかの問題があります。開発が難しく, 高価で, 投与には医療従事者が必要です。複雑なサプライチェーンと極端な冷蔵保存も必要で, リソースの乏しい環境では利用できないことが多いのです。新しい抗ウイルス蛋白質は, これらの問題を全て解決しています。"
- 抗ウイルス蛋白質は,大腸菌などを使って大量生産でき, 高温でも安定であることから, 製造の効率化や臨床開発における原価低減が期待でき, 医療従事者を介さずに鼻スプレーとして自己投与することも期待できます。研究者らは, 薬局で購入し,予防薬としても利用できるのではないかと想像しています。
- The new Covid treatment could be made available in pharmacies and self-administered with hopes of offering protection from all variants, pending medical trials

(2022/4/14)
New nasal spray which could protect against ALL Covid variants on trial run
mirror.co.uk/news/uk-news/n…
デイリー·ミラー(mirror)は, イギリスの有名な日刊タブロイド紙ですが, あちらでは鼻スプレーが記事になるようです。(たとえば,今日の呼気検査は記事になりますが) 私はもう日本で鼻スプレーが記事にならないことに慣れてしまい, 日本語では記事検索もしませんが, あらためて異常なことだと思います。

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Apr 12
- 本研究の知見は, SARS-CoV-2感染が宿主のストレス顆粒(SG)の分解を障害し, SGに関連するアミロイド蛋白質の凝集を促進し, 神経変性のリスク増加につながる可能性を示しています 。

SARS-CoV-2 ヌクレオカプシド(N)蛋白質は,ストレス顆粒に入り込めることが判明 (2022/4/12)
thailandmedical.news/news/study-unc…
- 宿主細胞でのSARS-CoV-2複製中に,N蛋白質は, 宿主SGに入り,SG関連アミロイド形成蛋白質と直接相互作用することで, これらの宿主蛋白質の液相から固相への移行(アミロイド形成)を刺激する。蛋白質恒常性の維持が非効率だと, 病的なアミロイド線維が蓄積され,神経変性の発生をもたらす可能性がある。 Image
Published 2022/4/6
SARS-CoV-2はストレス顆粒の分解を阻害し, ALSに関連するアミロイド凝集を促進する
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35384603/
Read 4 tweets
Apr 10
- 系統の異なるマウス2種を結核菌に感染させてからSARS-CoV-2に曝し, COVID-19を発症するか否かを監視し続けたところ, 感染の兆候が現れないことがわかりました。

「結核に感染すると新型コロナへの耐性が生じる」とマウス実験で確認される
gigazine.net/news/20220410-…
結核菌を食べたマクロファージは活性化され,活性酸素を産生します。結核菌はそれに抵抗するため多量のアンモニアを産生し,そのため細胞内はアルカリ化され, ウイルス侵入ためのエンドサイトーシス経路が阻害されると思います。SARS-CoV-2が, 肺マクロファージに感染できなくなるのではないでしょうか?
一昨日,肺マクロファージが炎症性サイトカインの放出を伴う”ピロトーシス"を起こすことが, COVIDの重症化のトリガーになるという研究についてツイートしました。逆に, 肺マクロファージがコロナに感染しなければ(できなければ), 重症肺炎にはならないのではないかと思います。
Read 4 tweets
Apr 10
- 欧州医薬品庁は, ファイザー製とモデルナ製のCOVID-19ワクチンの4回目の接種を一般集団で使用することを支持するエビデンスはないが, 80歳以上の人には2回目のブースター接種を推奨していると, 水曜日に述べました。(2022/4/7)
reuters.com/business/healt…
欧州医薬品庁と欧州疾病予防管理センターは,共同声明で,"COVIDの重症化または死亡に対するCOVIDワクチンの予防効果の持続性に関する利用可能な(疫学)データによれば, 60歳未満の免疫能が正常な人々に対しては, 2回目のブースター接種は支持されない。”と述べました。
ecdc.europa.eu/en/news-events…
- "60~79歳の免疫能が正常な人々は,現在,COVIDワクチンの大幅な減衰という明確な疫学的信号はないため, この集団に2回目のブースター接種が差し迫っている兆候はありませんが, モニタリングによってそのような信号が現れた場合は,60~79歳に対しても4回目の接種が考慮される場合があります。"
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Apr 10
BA.4とBA.5の両系統は南アフリカで発見され,欧州やアフリカに広がっています。BA.4もBA.5も, BA.1やBA.2に対して大きな成長優位性が予測されているようです。

SARS-CoV-2の BA.4, BA.5 変異株, 組み換え XE 変異株, その他 34以上の亜変異株が出現 (2022/4/9)
thailandmedical.news/news/breaking-…
第三世代 BA.2 亜系統株
- BA.2.3.1 (別名 B.1.1.529.2.3.1) : 日本で流行している。日本におけるBA.2に対して15%, BA.1.1に対して59%の成長優位性を予測。
- BA.2.3.2 (別名 B.1.1.529.2.3.2) : ベトナムと日本で流行している。BA.2に対して12%, BA.1.1に対して64%の成長優位性を予測。
- BA.2.12.1は, 致死的なBA.2亜系統の可能性。ニューヨークやアメリカの多くの地域で確認されたBA.2.12.1 (別名BA.1.529.12.1)は,非常に感染性が高いことに加え,スパイク変異を有しているので,これまで出現したBA.2亜系統のうち最も致死的なものになる可能性があります。(PDF cell.com/cell-reports/p…)
Read 5 tweets
Apr 1
- 糖尿病マウスモデルにおける照明下と非照明下でのRFの効果を観察した。- 驚いたことに, 非照明下のRF群では用量依存的に良好な結果が得られた。

VOR 2015/8/29
2型糖尿病マウスにおける高血糖, 酸化ストレス, DNA損傷に対するリボフラビン(RF)の改善効果: 機序と治療戦略
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26319175/
- 空腹時血糖値に対するリボフラビンの効果
- リボフラビンを投与した糖尿病マウス群では, リボフラビンの用量依存的(10mg/kg および 20mg/kg)に, 空腹時血糖値の減少がみられました。
- 現在, 糖尿病の治療には多くの薬剤が使用されていますが, その継続的な使用には副作用が伴います。また, 先進国, 途上国を問わず, 薬剤の高価格も問題となっており, 糖尿病治療における代替アプローチの必要性が指摘されています。
Read 7 tweets
Mar 31
- 我々は,ゲラニインが,HCoV‐OC43の結合と侵入で感染を阻害することを見出し,分子ドッキングと動力学シミュレーションで,SARS-CoV-2 3CLproへの強い結合親和性と高い安定結合を有することを示した。

Published 2022/2/24
SARS-CoV-2 3CLproの潜在的阻害剤としてのゲラニイン
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35200071/
ゲラニイン(Geraniin)はゲンノショウコウに含まれます。ヒトの悪性黒色腫においてアポトーシスを引き起こすそうです。ゲンノショウコウは, 古くから日本では三大民間薬の一つとされているようです。ほかの2つはドクダミとセンブリ。(Wikipediaより)
Published 2022/2/18
ゲラニインは,Nrf2/HO-1経路を制御して酸化ストレスと神経アポトーシスを抑制することにより,脳虚血/再灌流損傷から保護する
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35222793/

- ゲラニインの保護効果の根底にあるメカニズムは,Nrf2/HO-1経路の活性化に関連し,虚血性脳卒中の治療薬である可能性がある。
Read 6 tweets

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