「トップガン マーヴェリック」、前作よりずっと政治性は漂白されているし、男性性についてもかなり稀釈されている。それは男性が主人公なのではなく「トム・クルーズ」が主人公であるから。女性への扱いも大分マシになっている。
差別的な表現もないためリベラルといわれる価値観の人間には支持されるだろう。また、権威を否定した言及もないため保守層の拒否反応も出ないだろう。センシティブな愛国心を刺激することもないため、本作の感想をめぐってそれほどノイジーな舌戦は起きないように思う。
それが本作「トップガン マーヴェリック」の鑑賞後の清涼感、満足感に少なからず貢献していると思える。何も期待せずに劇場に赴き、何も持ち帰らずに帰れる映画なのだ。
ただ、それでもこの映画を観て戦闘機乗りになろうとする少年少女は男女問わずにいるだろう。その功罪が生まれるのはこの先の話だ。

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May 27
「トップガン マーヴェリック」、ここで描かれているパイロットたち≒実演主義の映画制作で、それはもう時代の中で終わろうとしている。でもなぜトム・クルーズ貴方はそれをやろうとしているのですか?という問いについて語らずに答えるのが彼の映画なのだ。これは最後の「アメリカ映画」。最後の夢。
もう80年代頃生まれまでの人々が「映画」と思っていた映画制作は終わりつつある。実演主義だけでなく、マンパワーによって局面を打開する「男性」。セクシーで男も女も抗えない「眼」をした主人公。讃えられるヒーロー、現代の現場では再現しようとしても嘘と軽薄さだけが残る。(続く)
それを実現できるのはもうトム・クルーズだけだ。トム・クルーズがやっていることは滅ぶ寸前の「映画の夢」の再現であり再構築なのだ。
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Apr 19
ベター・コール・ソウル。ジミーとキムのカップルが気づかないうちに好きすぎる自分がいるのに気づく。お互いの才能を尊敬し、支配せず適度に依存しあいお互いがそれぞれをサポートしあう関係。夢を見るのも悪知恵を巡らすのも共に。人生の共犯者。
主従ても家長と妻の関係(そして男女の関係の反転でもない)ところがとても好きなんですよね。だからこの(表面上であったもしえも)関係が終わることが分かりながら観ているのが儚くてしょうがないんです。
私は性別(セクシュアリティ)関係なくフラットでトランジションが流動的なペアというのがとても好きだし理想なもので...。
Read 4 tweets
Mar 16
「ザ・バットマン」、言われている長さだけど、長い映画であることが違いはない。長いけれども何を語りたいのかなとそこを知りたいと思ってページを進めてしまうようなところがある。改めて長尺だから語れることもあるのだと思わされたな。
流暢すぎるラストシーンといい、切れる箇所なくはない。でもそうすると「ダークナイト」みたいに矢継ぎ早な作品になる。スマホだ倍速だという時代に見やすいバットマンの映画を作らないとならない必然もないだろうし、偏愛されてよい作品。
そう思うとMCUが毎回平均点高い作品を作り続けるブランディングをさせられているから、DCはその荷を負わなくていいかもしれない。
Read 9 tweets
Mar 14
熱は36.7とそれ程だが寒気がするのでヒートテックカットソー復活。寒くて眠れない。
寒さと熱で起きる。37.9。バファリンプレミアム再投。暖房もつけた。
過去二回のモデルナ、罹患した時の発熱よりも今が一番辛い。寒気と腕の痛みは今までなかった。
Read 6 tweets
Mar 13
3points! #Arsenal
布団の中で観てました。しかしここ数試合の守り切る時の強さ。以前のアタフタした中なんとか逃げ切るのではなく、土俵際でとしっかり踏ん張り隙あらばカウンターが光る、その際も慌てずに繋ぐところと力がついているのがよくわかる。
冨安ない今右をセドリックはよく務めてる。前から買っていた選手だけど出来ないことをしないのが良い。これでも守備が不安定にならないのはやっぱり中央のDFもGKも足下使えるようになったからなのかな。足が使える繋げるということはその分余裕があるということだ。毎回リスクチャレンジしなくて済む。
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Mar 13
Disney+「私ときどきレッサーパンダ」原題Tuning Red。生理の話は出るし、レッサーパンダの色も初潮の象徴だろうが、それを「女になること」ではなく自我と自由意志を持つことの兆しとし、「私はもう13歳なのよ!」と主人公の少女に叫ばせるまごう事なきフェミニズムの物語だった。素晴らしかった。 Image
毒親と初見は思える母親との対立も「何が呪いなのか」ということを語るためのもので、移民のチャイニーズアメリカンの家庭であれば「教え」、「慣習」はより強き鎖になるのだろう。縛られているのは「女性」。
オタク女子たちの仲睦まじさというかツレあい加減も「ブックスマート 」よりも自然というか。あの子たちの学校も富裕層の通うところだろうし、あるいみ「ブックスマート 」より酒とセックスがない分もっとブラッシュアップされているように感じる。
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