個別事例についてはわからないので、一般論のみ
①サンプリング問題
②53はハイリスク?
③フォローアップ・治療方針の決めかた

#マシュマロを投げ合おう
marshmallow-qa.com/messages/cee57…
昨夜書きかけていたのが消えて、心が折れたのでかるめに行きます。
①についてはこちらで


ーー>
②高リスク低リスクは線がきっちり引けるものではなく程度の濃淡のあるグラデーションとした上で、IARCの定義する高リスクには入っていません。一方、系統樹上はHPV56に近く、高リスクかも(低中リスク)くらいの議論はなされています
(IARCとかICTVは専門家団体くらいに読み替えてください)→
実際、2000年代初頭のICTVでは、”High-risk mucosal, but also in benign lesions"と記載されていて、いやどっち何だ?というのが正直なところ。この記載をそのまま取れば、高リスクと分類する人もいます。Seegeneのタイピングシステムでは一応高リスクと記載されていますが、検査上の→
トリアージとしては、高リスクと扱っておらず、玉虫色です(seegene.com/upload/product…)。
なおHC2による検査では、直接の標的HPVの型ではないが陽性に出るものとしてHPV53の記載があります。
細胞診の所見で検査間隔を決めるくらいの判断でリスクが特筆して大きいというほどではない
③フォローアップ・治療方針の決めかた
基本は細胞診(国によってはHPV検査)の結果でコルポが必要とされたものに対して、コルポで所見が認められれば組織診で決める。これがスタンダードです。厳密にはコルポだけでは確定診断はできませんし、組織診まで行っても確定しないこともあり→
数ヶ月おきに検査を繰り返すことになることになります。

同時に、国によっては医療リソースの問題もあります。細胞診は細胞診を評価できる人、組織診は病理が見れる人が必要で、これ結構大変です。病理医がいないところではいくら組織をとっても診断できません。そのため、細胞診とコルポの所見を→
組み合わせて診断している状況もあってもいいです。その背景環境+実際の検査所見で現実的にとりうる最良の選択は変わるのでケースバイケースで。
あと、1回目と2回目の病院の間の時間次第ではコルポ所見もかわってもおかしくないというのも頭にいれて(治ったのかもしれんゾ)
一般論として、細胞診陰性・HPV53のみ陽性の結果だけとれば、一年後の再検査は妥当で特におかしくないですが、その他の条件もいれての判断はわからないので、主治医と相談するしかなか。
子宮頸がん検診というのは、一回・一年・単回で完結する(必要がある)のではなく、適切な間隔で繰り返して総合して治療が必要な病変を発見するシステムだというのも大事です。感染したひとが全員がんになるのなら簡単なのですが、ほとんどが治療の必要のない感染なので、そうなります。

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More from @Amamino_Kurousa

Jun 15
今までにどの程度濃厚な接触があったかによりますが、ある程度あったのなら、非感染である状態は考えにくいです。

HPVはハイリスクHPVですら、ほとんど感染は顕在化しません。限定された局所感染が活動的感染でも極小感染病変を形成していることもあります。『みんな知らないうちに感染しています』→
HPV感染症は感染することが問題なのではなく、問題となるような感染病変として発症するかが問題になります。

厚労省の説明をウイルス学の立場から正確に記述すると、

HPV検査で陽性・細胞診で感染細胞が見つかった人の経過を追うと2年以内に90%の人が陰性化する。→
検出される感染・病変はクリアーされます。これは正しいです。
それが、HPVが完全に排除されて、全く感染のない状態になるのか?潜伏感染はないのか?とすると、それは違うだろになります。
でも、潜伏感染自体は病原性がないので、今気にする必要はないで、将来の問題になります。→
Read 6 tweets
Jun 15
手が隙くことは永遠にないので、捻り出します。さて、感染することに対する解釈が、微妙に自分と違うところがあるので、その点についていくつか→
#マシュマロを投げ合おう
marshmallow-qa.com/messages/d6847… Image
①HPVの感染症としての自然史をみてみると、初感染後一時的に感染病変を形成して後に免疫システムによってコントロールされ感染病変はクリアーされる(厳密には感度以下になる)。病原性の発揮されない免疫によく制御された潜伏感染状態なら問題ないが、ウイルス遺伝子の発現が活性化される→
状況になったら異形成として検出されることがある。ウイルス遺伝子の発現が活性化した状態が長く続くとがんへと進行することがある。
これが各HPVの型ごとに独立しておきます。しかも、発癌の視点からは、ハイリスクHPVだけ相手にすればいいのですが、異形成ならローリスクでも形成します→
Read 12 tweets
Jun 15
HPVワクチンは性的デビュー前に接種した方が最大限の利益が期待できる。
デビュー後の接種に関しては所謂『コップ半分の水』になる。すでに感染してしまった型があって効かない部分があることを強調するか、まだ感染していない型があって聞く部分があることを強調するか。
ワクチン接種の前にワクチンの期待できる利益を正確に測る方法がないから、事前の検査は不要。細胞診の異常をもっていても接種して構わない。今感染していない型に将来感染する機会があれば利益が発生するから。

で、将来感染する機会とは?基本的には今のパートナー(彼)ではない。もちろん→
外部からの持ち込みの可能性はあるが、現時点での性的パートナーとの間ではすでにHPVは共有している・お互いに感染しているので、将来新たに感染することはない。つまり今のパートナーとの間の感染にワクチンの利益はない。

基本的に新しいHPVに感染する機会は『新しい』性的パートナーになる。→
Read 6 tweets
Jun 14
オーストラリアがいい例なのだけど、2007年にHPVワクチンを導入した時に26歳までキャッチアップ接種を行った(定期接種ほど接種率は高くなかったが)。そのため2030年ごろには35歳以下は定期接種で接種した集団で、50歳以下はキャッチアップで接種した人口で置き換えられることになる→
その結果、女性においてHPV関連がんが相当少なくなる。同時に、子宮頸がん検診システムも非常に整備されていて、受診率も高い。もちろんワクチン非接種世代の子宮頸がんも検診で大きく予防される。その二つが合わさって、30年頃の撲滅宣言(人口10万人あたり4人以下)ができるのではないかと期待。
男子への定期接種は2018からと遅れたのだが、それ以前の世代の男性においても、女性のみのワクチン高接種率のおかげて集団免疫が形成され、男性のHPV関連疾患の減少も確認されるというおまけ付き。
全体でHPV感染症の(検診のも!)負担の少ない社会の実現に近づいている。
Read 5 tweets
Jun 13
質問ありがとうございます。

ワクチン開発成功以前以後で考え方が変わっています。大人を検査すればするだけ検出される・ほとんどの人が何らかの高リスクHPVに感染しているので、ある意味常在性のウイルス叢を形成している一員だということができます。感染しても、95%以上の人は無症状で終了→
ごく一部の人がその感染病変が『がん』まで進行することがあります。
常在ウイルスだとしてもどこからか感染してこないと常在化しないわけで、その1番の機会が性交渉を中心とした、密な皮膚・粘膜の接触になります。そのため、性交渉を行うようになる前に、ワクチンによって感染を予防すると→
常在化しません。結果として、がんが減ることになります。
常在ウイルスとしての性質はあるが、ワクチンによって防ぐことができるようになった、のが今の現状です。

私を含めて、大人に取っては常在ウイルス。これからの世代の人たちにとってはそうではないになります。
Read 4 tweets
Jun 13
特に頭頸部がんで示されていますが、HPV陽性のHPV関連がんの方がHPV陰性のがんより予後がいい。これは事実。

それで、HPVに感染した方がいい、ワクチンは接種しない方がいいと言う主張を見るのですが、そうなんですか?

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HPVに感染しなくなると、単にHPV関連がんが減ります。HPV非関連がんの頻度には影響を与えません(HPV陽性がんだったものが陰性がんとして発症することはない)。全体として、咽頭がんは減りますので、明らかに利益です。

あんまり難しくないので必要はないともうけど、ポンチ絵にしてみた。
Image
子宮頸がんでも同じ。
ワクチンを接種して、検診を徹底してやった社会で発症してくる子宮頸がんは、HPV陰性で今と比べると相当予後が悪いがんになるが…

検診もワクチンもやめようにはならないと思う。

ワクチンに抵抗があるなら、検診だけでも考え方は同じ→
Read 5 tweets

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