Amamino Kurousagi Profile picture
Virologist (Papillomavirus) 主食 Papillomavirus おかず Papillomavirus おやつ Papillomavirus HPVに限らずパピローマウイルスに関することならなんでも https://t.co/sSdtqb1DhP
Mar 30 13 tweets 1 min read
子宮頸がんのリスクを上げるHPVには性行為をしなければ感染しないのであれば、大多数が性交渉をしない中学生が接種対象なのは意味がわからない🐰そして経験人数何人がリスク何%とかって話はないの?

いい疑問だな🐰そしてありますわ。

行ってみようか→ ①がんの原因となる様なHPVには性交渉を介して感染するのだけど、HPVの厄介な特徴として、一度感染すると持続感染するというものがある。そして、その持続感染しているHPVから一部の人ががんを発症するというわけ。
②ワクチンでがんを予防したければ、その最初の感染機会染予防する必要がある。→
Feb 19 17 tweets 1 min read
『東京都などで男子へのHPVワクチンの補助が始まるけど、9価じゃなくて4価。9価を待った方がいいのだろうか?』

おおおおおお、これもタイムリーでいい指摘ですね🐰

女性でも4価を接種した人が9価の追加接種をした方がいいのか?など応用性が高い。

行ってみよー🐰

①4価と9価の違いは、ハイリスクHPVに分類されるHPVのどの程度カバーするかが異なります。4価ならの7割程度、9価なら9割程度の子宮頸がんの原因になりうるHPV感染を予防することができます。

男性から考えてみます?
②男性は子宮頸部がありませんので子宮頸がんになりませんね。なので→
Jan 13 22 tweets 2 min read
『HPVは主に性交渉で感染する』ことはみんな知っているだろう。じゃあ、なんで『主に』っていうか知ってる?🐰

これはHPVの感染の自然史を考える上で非常に重要なポイントで、なぜワクチン接種が前思春期になっているかとも密接に関係しています。

まず、前提となる基礎的な知識から→ ①HPVは感染しても症状がでるとは限らない。むしろ、大部分の場合は症状(わかる様なイボ・異形成)が出ない。
400種類以上あるHPVのうち免疫が正常なひとでイボ・異形成を生じると知られているものは60種類くらいになります。残りの300種類以上は、どこで何しているかわかりません。→
Sep 9, 2023 16 tweets 1 min read
(浸潤)子宮頸がん上皮内がんが2005年以降急激に増えている。からくり分かる?

わかるわかる🐰

疫学・がん統計の練習問題として最適だろう

①統計値は素(真)の罹患率・数ではない。
がんや上皮内がんに罹患していたとしても症状がなければ検査もされず認知されない。
症状がでて検査されて初めて認知される。
がんも初期がんは症状がない。罹患していても認知されない。上皮内がんは普通症状がない。
性交時出血などで検査を受けて分かることもあるが、一番の発見の理由は検診だ🐰
②統計値は認知された罹患になる。上皮内がんは症状はなく、無症状で検査を→
Aug 28, 2023 19 tweets 1 min read
やぁ🐰ウイルス学にちょっと詳しくなりたい良い子のみんな

ウイルスと細菌で一番大きな違いといえば、自己単独で増殖できるかどうかになります。細菌はざっくり栄養があって環境が許すのであれば自分自身で自分自身のコピーを作ることができます、生物であることに議論がなさそうです。
一方→ ウイルスは基本、遺伝情報のみを持つ生物(🐰はウイルスを生物であるという立場を取ります。異論は認める)ですので、ウイルス単独では増殖することができません。他の生物(細胞)の中に『感染』して増殖に必要なものを拝借して自己のコピーを作ります。
May 28, 2023 9 tweets 1 min read
呼ばれている気がした🐰いい天気楽しんでます?

HPV発癌には20年以上かかっているので、子宮頸がんでも検診をしなければ発症のピークは40歳以降になり、ホストもウイルスも子孫を残しているので、癌になる性質は負の進化圧として大きいとは考えにくいという論点は概ね正しそう🐰→ 一方HPVは局所感染であり、感染病変(狭義の宿主)に注目すると『癌になるような性質』を発揮している時点『高度異形性』においてウイルス産生は行われておらず次の宿主への感染へとつながらない状態になっています。ウイルス側としてはまさにデッドエンドになっているわけで、→
May 27, 2023 16 tweets 1 min read
『子宮頸がんから高リスク型HPVの検出・発見に関して、どうやってやったの? PCRって言わないよね』
PCRが使えたのなら声を大にして言ってもいいのですが、子宮頸がんから初めてHPVが発見されたのが1983年。PCR法が初めて発表されたのも1983年と、発見時にはPCRは存在しませんでしたので無理🐰→ 現在は、子宮頸がんから高リスク型HPVの検出にPCRは応用されていますが、早くても1980年台後半の遅めの時期に導入された話になります。

「子宮頸がんから高リスク型が必ず検出される」って簡単に書いてますが、ほんと当時は簡単じゃなかったの。仮説を持ってから検出まで10年かかりました→
May 27, 2023 16 tweets 1 min read
『癌を誘発する能力がウイルスの生存に有利になる可能性があるわけないよね』

これも素晴らしい。

ウイルスが持つ諸機能・能力は最終的にはウイルス(ゲノム)自身のコピー数の増加に対してに有利になっているはずだ。癌になるということは、ホストが死ぬということで→ 自身が増殖するためにホストの細胞を必要とするウイルスにとって有利になるわけがない、と言える。表面的な議論としては正しく聞こえるが、どうよ

行ってみる?🐰

HPVによる発癌においても重要な問いの一つでもあります。

May 26, 2023 25 tweets 1 min read
『なんでHPV🦠感染が子宮頸がんの原因だと分かるの?』

素晴らしい質問だ。たった一言の質問だが、これがわかるまでには、仮説として提出されてからの、無数の科学者と(研究に参加した患者たち)の20年にわたるエビデンスの蓄積があるわけだ。

追体験してみる?😊

①話は第二次世界大戦前に遡る。子宮頸がんを予防する方法として→細胞診(パップスメア)が開発された。アイディアは単純でがんになりそうな細胞をとってきて見つけよう。見つけたら取り除いて治療すればがんにならないと言うわけ。
②細胞診で異常があるヒトを調べてみると、子宮頸部に→
May 26, 2023 6 tweets 1 min read
HPV感染が原因となっている子宮頸がんで『コッホの4原則』を満たすような実験が『簡単』って言われてもさ🐰

①子宮頸がん発症者にはウイルス癌遺伝子が組み込まれていてもウイルス自体は存在しないので抽出できず
②仮にウイルス粒子をなんらかの方法で手に入れて、感染実験をしたとして→ 発癌するかどうかを観察する(何十年かけて発癌するのを観察するの?とても人道的な実験ですね)
③その発症した癌からはウイルス癌遺伝子は検出されても、ウイルス自体は存在しないので原則4を満たすことはできない
May 26, 2023 4 tweets 1 min read
男性女性関係なく全癌の5%近くを占めるHPV関連癌。人類はそれを予防する方法を手に入れました。100年後に21世紀を代表する医学の達成と記録されるものです。

定期接種として若い人にはワクチン、25歳以上の大人には検診。この二つで子宮頸がんで命を落とす人はほとんど居なくなります→ 制度的・技術的には両方とも日本では手に入らないものではありません。
知らんかったではあまりにも勿体無い。
毎日8人が死亡し、30人が子宮頸がんと診断され、100人が上皮内癌と診断されています。稀な話ではないですよっと。→
May 25, 2023 14 tweets 2 min read
検診で子宮頸がんを予防すると言うことはどう言うことか日本と英国を比較しながら見てみる?

データは双方公開されているがん統計から。背景条件から
・2016〜2018年のデータで両国ともワクチンの影響はない
・検診がないと仮定した場合の素の子宮頸がん罹患率は両国とも10万人あたり30人弱とする。→ ・検診受診率は英国が70%を超えるくらいで、日本は35〜50%を切るくらい。20代以下は英国60%に対して25〜30%くらい?2倍くらい違うと言うことにしようか?
・検診込みの子宮頸がんの罹患率の差(負担)の差は1.5-2倍違うとして大きく外れていない。
・HPVの型別感染率を見た場合英国は→ Image
May 25, 2023 17 tweets 1 min read
最高のタイミングで検診を受けて、高度異形成で発見でき治療すれば子宮頸がんにならずに済む(実は浸潤癌でしたということがないことを祈るばかり)。検診で『子宮頸がん予防』といった場合これ以上の話はない🐰


news.yahoo.co.jp/articles/fc81c… 高度異形成・上皮内がんと診断される人は、子宮頸がんの3倍いて、毎年3万人から4万人の間だ。ざっくり毎日日本全国津々浦々で100人が上皮内がんに罹患している。そのうち40歳以下が6割。毎日60人の若い(40歳以下の)女性が上皮内がんと診断されている。
子宮頸がんの生涯罹患率は1.3%とすると→
May 25, 2023 6 tweets 1 min read
HPVワクチンの目標は『子宮頸癌で亡くなる人を減らすこと』だけなの?

子宮頸がんで亡くなる人の3倍『子宮頸がんに罹患』して、子宮を摘出や抗がん剤や放射線治療をする人が存在して、HPVワクチンはそれも減らすことができる。
なくならずとも年1000人40歳までに子宮頸がんで子宮を失う人がいる。→ 子宮頸がんになる人の3倍くらい高度異形成と診断されて、円錐切除などの侵襲的な治療を受ける人がいる。しかもそのピークは25歳から35歳。検診率が上がれば(そう誘導するのでしょ)罹患率も上がるよ。

もちろん高度異形成もHPVワクチンで減らすことができる。

May 24, 2023 4 tweets 1 min read
『高リスクhpvに感染したとしても、90%の人が自然に治る?』
検診での予防を全く行わない場合、日本人の生涯子宮頸がん罹患率は3%弱くらいで、HPV関連の咽頭がん・肛門がんを入れると、4%弱くらいになります(女性だけ考えみてるよ)。3〜4%の人がHPV関連のがん発症リスクがあるということです→ 性交渉の経験のある人が全員生涯で一度はハイリスクHPVに感染する機会があるとして(それほど外れてもいないでしょう)、そのうち90%の感染はがん発症していないということです。自然に治るというのはそういう意味で、発癌リスクがあるような感染病変がないあるのかないのかを20代から40年間→
May 24, 2023 5 tweets 1 min read
HPVのキャリアになっていたらワクチンは意味がない?
コンジローマが発症していないということはどういうこと?
発症しないためにできることはなんかある?

いってみようか→
#マシュマロを投げ合おう
marshmallow-qa.com/messages/27046… 一度書いたスレッドが消えたので凹んでます。簡単に行きます
①HPV感染には複数の型があり独立した感染で独立した発症リスクになります。ワクチンの対象となる型に感染していれば、ワクチンの効果を大きく減弱させることになりますが、他の型の感染を予防できれば、その分の発症リスクは予防できる→
May 23, 2023 13 tweets 1 min read
今からの世代、定期接種対象世代以降にとって、子宮頸がん予防は検診よりワクチンがより重要です。
21年に2価ワクチン接種集団で20代の子宮頸がんがほとんど発症していないことがわかった英国でどのような議論がなされているか見てみます?BBCから→
bbc.co.uk/news/health-60… (英国でワクチン接種者で癌が増えているって主張をみたら、真っ赤な嘘です、接種者から癌が発症していないデータがあります)
タイトルがそのまま『Vaccines could mean only one smear test a lifetime』”ワクチン接種すると子宮頸がん検診は生涯で一度でいいかもしれない”になります。

Jan 1, 2023 20 tweets 1 min read
世界中のHPVワクチンを推奨する保健当局・専門家があたかも”不都合な真実”に触れずにHPVワクチンを推奨しているようなミスリーディングな言説には答えておくべきであろう(期待もされているようですし)🐰

明けましておめでとうございます。本年の一発目になります。いってみよー🎍

①子宮頸がん死や総死亡率の低下が有意をもって示されていないのに、効果ありと言えるのか
当然言える。20代の子宮頸がんは9割減少した。20代の高度異形成も7〜9割減少している。高度異形成が減少していることはその5〜10年後の子宮頸がんが減少することを示している。コンジローマも9割減少した。
Dec 31, 2022 5 tweets 1 min read
『HPVワクチンにより子宮頚がんが国単位で減少した国があれば教えて欲しい』

いってみよー🐰

①(PMID:34842903)
まずは米国。2007年にHPVワクチンを導入した後に、ワクチン接種集団で人口が置き換えられつつある15-24歳の子宮頸がん罹患率が減少している。平均4割減少。→ この期間(今まで)の米国のワクチン平均接種率が5割に満たぬことを考えるとその予防効果の大きさが推定される。ワクチンの対象ではない(効果も期待できない)年齢層の子宮頸がんの罹患率は大きく変わっていない(右)。HPVワクチン導入後、ワクチン対象集団での子宮頸がんが大きく減少している→
Dec 30, 2022 9 tweets 1 min read
CIN3の自然経過・Natural Historyについて


#マシュマロを投げ合おう
marshmallow-qa.com/messages/332e1… Image まず、データが限られていること。CIN3に関しては長く経過観察をしすぎずに治療するのが標準であるため、未治療での自然経過を追った大規模観察研究はなされません。

年齢によって、がんへの進行確率は変わります。CIN3が発見後一年以内のがんへの進行確率は→
Jun 15, 2022 6 tweets 1 min read
今までにどの程度濃厚な接触があったかによりますが、ある程度あったのなら、非感染である状態は考えにくいです。

HPVはハイリスクHPVですら、ほとんど感染は顕在化しません。限定された局所感染が活動的感染でも極小感染病変を形成していることもあります。『みんな知らないうちに感染しています』→ HPV感染症は感染することが問題なのではなく、問題となるような感染病変として発症するかが問題になります。

厚労省の説明をウイルス学の立場から正確に記述すると、

HPV検査で陽性・細胞診で感染細胞が見つかった人の経過を追うと2年以内に90%の人が陰性化する。→