こんな夜だからわたしにとっての宮台真司をツイートしよう。彼は暴力AV、『女犯』に素人男優を送り込んで来た男である。バッキー事件で言うところの「監禁友の会」にあたるのがこの素人男優たちだ。『女犯』の監督、バクシーシ山下がどんなAVを撮影してきたかを、書き起こしでなくて申し訳ないが、
『証言 現代の性暴力とポルノ被害』から引用しよう。『「泣きながら撮影を拒否する女性を、男優がベッドに放り投げ、衣服を引きちぎり、複数の男たちが取り囲み、恫喝し、押さえつけ、無理矢理『レイプ』する。男性たちは泣き叫ぶ女性の髪を引きずりまわし、女性の口をふさぎ、平手打ちをあびせる。
女性は電話に手を伸ばし、気絶し、朦朧としつつカメラに『撮るな』と手を伸ばし、泣きじゃくるーー。女性は手錠で固定され、嘔吐物を浴びせられ、小便をかけられ、ムチで打たれ、ドアの外に蹴り出され、座り込み号泣する……」』『「浣腸をしたまま、書店にいって『走れメロス』を買いに行かせられる。
床についた便をなめさせられる。ミミズを食べるように要求される。失神している顔に、便をかけられる」（『水戸拷問――不完全版』』これらの暴力AVを批判した女性ライターがいた。AV人権ネットワークの若槻世都子である。再び同著より引用する。『宮台は「山下作品が犯罪なら輪姦だから親告不要で、
……内偵立件可能なのに、数十本以上の同種の作品を作り百人以上の女優を使った山下が、いっさい問題視されずに『論座』『アエラ』文化人となった理由を考えてみたらどうか」とあざわらった』若槻は精神的に追い詰められ、半年ほど経て自死する。この件を宮台はTwitterで振り返り、
若槻を「メンヘラだったそうですよ」と侮蔑し、嘲笑するのだ。AV強要について知られていなかった時代、AVの契約書というものがどういうものか情報が皆無だった時代の話だ。AVの契約書というものは、NG事項に記載しなかったものは全部がOK事項に変わるという悪魔のの契約書なのだ。繰り返すようだが
フェラはOK、AFはNG、眼射はNGと指定すると、ここに列挙されていなかった行為、例えばさきほどの「浣腸をしたまま本屋に走れメロスを買いに行く」を山下が思いついたらOK事項となる。だってNGに指定していないのだから！これが山下が訴えられなかったからくりなのだ。宮台はこの姑息な法的縛りを
知っていて、糾弾する女性ライターを嘲笑した。正義を追及した彼女は嘲笑のなか自死を選ぶしかなかった。弔い合戦に立ち上がった男はただひとり、現東大教授の小松美彦のみ。わたしはAV強要を知る2016年以前から、小松美彦の読者であり、わりと熱心なファンであった。
小松が宮台に戦いを挑んだのを知ったときは、この世に良心の炎が消えていないのを知り、涙を流したものだ。嬉しかった。舌鋒鋭く宮台に迫る小松美彦の弔い合戦の様は、一部抜粋してわたしの固定ツイートとなっている。わたしは許さない。なにがあろうと、宮台真司を。あまたの女性の涙のうえに
築かれた彼の地位から彼が引きずり降ろされるのを夢みる。わたしは憤る。若槻のために。無数の見えない傷のなかで自死を選んだ若槻のために。どれだけ悔しかっただろう。どれだけ辛かっただろう。わたしは許さない。宮台真司を許さない。なにがクソフェミだ。唾棄すべき存在はおまえだ。
久しく若槻世都子のための祈りを忘れていた。今夜は祈ろう、彼女のために。そして彼女に報告しよう。あなたが灯した火は、ときに消えたように見えていたけど、燃え広がり、ひとつの法案として結実した。まだ小さい実だけれど――見守ってください。そして、どうぞ安らかに。
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