CIN3の自然経過・Natural Historyについて


#マシュマロを投げ合おう
marshmallow-qa.com/messages/332e1… Image
まず、データが限られていること。CIN3に関しては長く経過観察をしすぎずに治療するのが標準であるため、未治療での自然経過を追った大規模観察研究はなされません。

年齢によって、がんへの進行確率は変わります。CIN3が発見後一年以内のがんへの進行確率は→
25歳未満なら0.5%程度ですが80歳なら10%くらいとされています。
HPVの型別に違うと考えていいです。16型18型の方がより進行確率が高く、自然消退率は下がるでしょう。

このようにさまざまな条件で色々数値が変わる上に、それぞれの条件で十分にデータが揃っているとも言えません、→
結局のところ、『経過観察をするのか』『治療をするのか』の判断・『治療をするとしたらどの方法で』の判断をどこまで考えて決断するかになります。

それぞれの状況・検査結果・病歴・年齢・将来の妊娠の希望などを考慮して、担当の先生とよく相談することがベストとし、エビデンスに不十分なものが→
あるとした上でざっくりまとめて

CIN3を放置した場合の自然消退率は3割から4割・がん進行率は1割から4割とされています(幅の大きさを察してくれい🐰)。

治療をした場合はがんへの進行率を二桁下げることができるとしていいです。
じゃあ、どの程度の時間軸で起こるのか。

簡単に示せることではなく、予断を与えたくないので触れません。経過観察ができるとされる条件には色々ありますので担当の先生と相談ください。ざっくりそのがんの発症率から、長期にわたる経過観察は進められません。

HPVの型別リスクに対応したマネージメントは確立していません。CIN3はほとんどがハイリスクHPV感染が原因であること、型別に対応が(現時点では)変わりませんので、タイイングやHPV検査が不要・ルーチンとしてなされていない理由になります。
英国では、25歳未満のCIN2+は、罹患率の高さ+自然消退率の高さ+がん進行率の高さから、経過観察適応になります。治療しないんだったら発見する必要ないし、25歳になって残っているものだけ見つければいい。検診してもがんは減ってない。この二つの知見から25歳未満の検診は中止しています。
このような判断は専門家集団が行ってガイドライン化するべきようなものですが、考え方として示しておきます🐰

• • •

Missing some Tweet in this thread? You can try to force a refresh
 

Keep Current with Amamino Kurousagi

Amamino Kurousagi Profile picture

Stay in touch and get notified when new unrolls are available from this author!

Read all threads

This Thread may be Removed Anytime!

PDF

Twitter may remove this content at anytime! Save it as PDF for later use!

Try unrolling a thread yourself!

how to unroll video
  1. Follow @ThreadReaderApp to mention us!

  2. From a Twitter thread mention us with a keyword "unroll"
@threadreaderapp unroll

Practice here first or read more on our help page!

More from @Amamino_Kurousa

Jan 1
世界中のHPVワクチンを推奨する保健当局・専門家があたかも”不都合な真実”に触れずにHPVワクチンを推奨しているようなミスリーディングな言説には答えておくべきであろう(期待もされているようですし)🐰

明けましておめでとうございます。本年の一発目になります。いってみよー🎍

Image
①子宮頸がん死や総死亡率の低下が有意をもって示されていないのに、効果ありと言えるのか
当然言える。20代の子宮頸がんは9割減少した。20代の高度異形成も7〜9割減少している。高度異形成が減少していることはその5〜10年後の子宮頸がんが減少することを示している。コンジローマも9割減少した。
これは既に”効果”として有意をもって示されたことだ。HPVワクチンの目的は、7割の主に若い時の子宮頸がんをワクチンで予防し、残り3割の主に35歳以降に発症する子宮頸がんを検診で予防しようというもの。今あるデータで、前半が達成できることは明らかで、ワクチンは自信をもって推奨できる。→
Read 20 tweets
Dec 31, 2022
『HPVワクチンにより子宮頚がんが国単位で減少した国があれば教えて欲しい』

いってみよー🐰

①(PMID:34842903)
まずは米国。2007年にHPVワクチンを導入した後に、ワクチン接種集団で人口が置き換えられつつある15-24歳の子宮頸がん罹患率が減少している。平均4割減少。→ Image
この期間(今まで)の米国のワクチン平均接種率が5割に満たぬことを考えるとその予防効果の大きさが推定される。ワクチンの対象ではない(効果も期待できない)年齢層の子宮頸がんの罹患率は大きく変わっていない(右)。HPVワクチン導入後、ワクチン対象集団での子宮頸がんが大きく減少している→
②次にスェーデン(PMID:32997908)。2017年までの30歳未満の女性160万人を対象にした調査。ワクチン接種群と非接種群を直接比較。17歳までにワクチンを接種した集団では接種していない集団に比べると90%子宮頸がんが減少している。実際問題として20代の子宮頸がんは接種者にはほとんど発症してない→ Image
Read 5 tweets
Jun 15, 2022
今までにどの程度濃厚な接触があったかによりますが、ある程度あったのなら、非感染である状態は考えにくいです。

HPVはハイリスクHPVですら、ほとんど感染は顕在化しません。限定された局所感染が活動的感染でも極小感染病変を形成していることもあります。『みんな知らないうちに感染しています』→
HPV感染症は感染することが問題なのではなく、問題となるような感染病変として発症するかが問題になります。

厚労省の説明をウイルス学の立場から正確に記述すると、

HPV検査で陽性・細胞診で感染細胞が見つかった人の経過を追うと2年以内に90%の人が陰性化する。→
検出される感染・病変はクリアーされます。これは正しいです。
それが、HPVが完全に排除されて、全く感染のない状態になるのか?潜伏感染はないのか?とすると、それは違うだろになります。
でも、潜伏感染自体は病原性がないので、今気にする必要はないで、将来の問題になります。→
Read 6 tweets
Jun 15, 2022
手が隙くことは永遠にないので、捻り出します。さて、感染することに対する解釈が、微妙に自分と違うところがあるので、その点についていくつか→
#マシュマロを投げ合おう
marshmallow-qa.com/messages/d6847…
①HPVの感染症としての自然史をみてみると、初感染後一時的に感染病変を形成して後に免疫システムによってコントロールされ感染病変はクリアーされる(厳密には感度以下になる)。病原性の発揮されない免疫によく制御された潜伏感染状態なら問題ないが、ウイルス遺伝子の発現が活性化される→
状況になったら異形成として検出されることがある。ウイルス遺伝子の発現が活性化した状態が長く続くとがんへと進行することがある。
これが各HPVの型ごとに独立しておきます。しかも、発癌の視点からは、ハイリスクHPVだけ相手にすればいいのですが、異形成ならローリスクでも形成します→
Read 12 tweets
Jun 15, 2022
HPVワクチンは性的デビュー前に接種した方が最大限の利益が期待できる。
デビュー後の接種に関しては所謂『コップ半分の水』になる。すでに感染してしまった型があって効かない部分があることを強調するか、まだ感染していない型があって聞く部分があることを強調するか。
ワクチン接種の前にワクチンの期待できる利益を正確に測る方法がないから、事前の検査は不要。細胞診の異常をもっていても接種して構わない。今感染していない型に将来感染する機会があれば利益が発生するから。

で、将来感染する機会とは?基本的には今のパートナー(彼)ではない。もちろん→
外部からの持ち込みの可能性はあるが、現時点での性的パートナーとの間ではすでにHPVは共有している・お互いに感染しているので、将来新たに感染することはない。つまり今のパートナーとの間の感染にワクチンの利益はない。

基本的に新しいHPVに感染する機会は『新しい』性的パートナーになる。→
Read 6 tweets
Jun 14, 2022
オーストラリアがいい例なのだけど、2007年にHPVワクチンを導入した時に26歳までキャッチアップ接種を行った(定期接種ほど接種率は高くなかったが)。そのため2030年ごろには35歳以下は定期接種で接種した集団で、50歳以下はキャッチアップで接種した人口で置き換えられることになる→
その結果、女性においてHPV関連がんが相当少なくなる。同時に、子宮頸がん検診システムも非常に整備されていて、受診率も高い。もちろんワクチン非接種世代の子宮頸がんも検診で大きく予防される。その二つが合わさって、30年頃の撲滅宣言(人口10万人あたり4人以下)ができるのではないかと期待。
男子への定期接種は2018からと遅れたのだが、それ以前の世代の男性においても、女性のみのワクチン高接種率のおかげて集団免疫が形成され、男性のHPV関連疾患の減少も確認されるというおまけ付き。
全体でHPV感染症の(検診のも!)負担の少ない社会の実現に近づいている。
Read 5 tweets

Did Thread Reader help you today?

Support us! We are indie developers!


This site is made by just two indie developers on a laptop doing marketing, support and development! Read more about the story.

Become a Premium Member ($3/month or $30/year) and get exclusive features!

Become Premium

Don't want to be a Premium member but still want to support us?

Make a small donation by buying us coffee ($5) or help with server cost ($10)

Donate via Paypal

Or Donate anonymously using crypto!

Ethereum

0xfe58350B80634f60Fa6Dc149a72b4DFbc17D341E copy

Bitcoin

3ATGMxNzCUFzxpMCHL5sWSt4DVtS8UqXpi copy

Thank you for your support!

Follow Us on Twitter!

:(