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Jun 13 18 tweets 1 min read Twitter logo Read on Twitter
どのような形で戦争が終結するか現時点ではわからないが、勝とうが負けようが戦後ロシア社会には多くの帰還兵がウクライナから戻ってくる。
 これについて書かれたネット記事を見つけた。『戦争が終わったら何が起こるのか』以下一部抜粋と要約です。
dzen.ru/a/ZIGgQI9VxzA8…
過去の戦争を参考にすると、1989年に唯一公表されたデータによると、アフガニスタン戦争の帰還兵は約62万でした。このうち約3,700人が刑務所に収監され、約46万5,000人が離婚や深刻な家庭内紛争を経験しました。さらに3分の2以上が満足できる仕事を見つけられず、職場で頻繁に問題を起こしました。
チェチェン紛争の場合、モスクワの医学研究所が2003年に発表した統計によると、約150万人の帰還兵がPTSDに苦しんだ。主な症状は突発的な癇癪や抑うつ状態で、帰還兵に関わった者が死に至る場合もあり、そこには彼らに近しい人や、通りすがりの人すら含まれます。
ウクライナに従軍しているロシア兵は何名なのか、ロシア当局からの正式は発表はありませんが、ウクライナ国防省情報総局によると37万人で、予備役は20万人だとされています。
アフガニスタンとチェチェンの帰還兵には違いがあります。アフガンへ行った人たちはイデオロギーで満たされていました。大祖国戦争の帰還兵、そして祖国と共産主義の理想への献身を規範として育てられた彼らは、帰還兵がいかに社会から尊敬されるか知っていました。
しかし、彼らは帰還すると官僚機構と衝突しました。場合によっては彼らの従軍経験は短所だと見なされ、むしろ、彼らの一本気で自制が利かない性格や、予測できないリアクションは恐れられました。理論的な帰結として、若い帰還兵たちは犯罪に走るか、よくて警備会社に勤めるかしかありませんでした。
1992年6月23日にはエカテリンブルグでアフガン帰還兵およそ700人が、売りに出された400戸9階建ての集合住宅を占拠し、有刺鉄線とバリケードで要塞化して立て籠もりました。当局は彼らを追い払おうとしましたが、1か月半籠城が続いた結果、この集合住宅は帰還兵たちに譲渡されました。
また、当初は犯罪者と戦っていた帰還兵たちも、やがて自分たちが犯罪者となっていきました。統計によると、このときに活動が盛んだった犯罪者グループの狙撃手や戦闘員の多くがアフガニスタンからの帰還兵です。
チェチェン紛争の帰還兵はどうでしょうか。彼らはもう共産主義の理想に身を捧げたりはしませんでした。そして、アフガン帰還兵が社会や国民からどのような扱いを受けたか見てきました。
 とはいえ、それでも彼らには国家が自分たちを守り、社会が自分たちを支えてくれるという期待がありました。
しかし残念ながら、そうはなりませんでした。
 このように、アフガ二スタンとチェチェンで失われた社会にとって有益な人たちは約200万人です。今回の戦争も、規模と期間を考慮すれば同程度の帰還兵が発生します。
 彼らが戻ってくとどうなるのか?これには肯定的な予測と否定的な予測があります。
(国家にとって)肯定的な予測ですが、国家は彼らをアフガンやチェチェンの帰還兵と同様に扱います。酒に溺れたり、刑務所に収監されたり、家庭崩壊を起こしたりするなどして、社会にとって潜在的に有益な成員を失うことになりますが、そういう人は全人口の”わずか”1%程度です。
否定的な予測ですが、大規模な社会の分断が進みます。つまり、ロシア人の100人に1人が社会の無関心層や富裕層に不満を持つことになります。また、アフガンとチェチェンの帰還兵を含めると、50人に1人です。あらゆるバスやその停留所、ショッピングセンターに彼らは存在することになります。
「撃ち方を知っている人を怒らせるな」という言い回しがあります。彼らは引き金を引くことを恐れません。ですが、たいへん残念なことに「彼らはあそこで戦っているが、変わらずに私たちと同じである」という考えを、私たちの社会の一部はすでに受け入れています。
そう、一部の人たちにとっては「すべてが変わらない」なのです。しかし、最前線にいた兵士たちにとっては、それは違うのです。帰還兵たちは可能な限り、行動を起こします。行政の施設や市庁舎を占拠するなどして、役人たちの基準ではなく、自分たちの基準で公平を要求します。
連邦から脱退すれば、すべてがうまくいくと信じている人たちもいます。これはすでに起こったことで、いくつかの共和国はソ連から抜けましたが、五体満足では済みませんでした。
 そして、ロシアが今すぐ内戦状態に陥ることだって、あり得ないことではありません。
正義を擁護している人たち、あるいは、祖国と故郷ために、そして、ロシアに残り、暖かい部屋でくつろぎながら、親の金を娯楽施設で使い果たしている人たちのために、血を流した人たちが、このような人たちを敵対視したときに、内戦状態となる可能性があります。
このような事態になると、反抗者たちは社会そのものではなく、国家とその指導者に罪があると考えます。
 私たちの国家の体質の基礎が替えられるのか、建直されるのか、どうなるかは言葉にするのが難しい。ただ、示された建直しの可能性を、社会の最下層から最上層まで皆で考える価値があります。
以上だが、この記事の筆者の他の記事も読んだが、主に西欧に批判的な内容が多く、反ロシア政府的な作風というわけではない。この、戦後のロシア社会の安定は帰還兵の扱いにかかっているという視点は、ロシアに住んでいる人ならではだと思った。これは戦争に勝とうが負けようが関係ない。

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Jun 12
戦争に関するロシアのネット記事を見ていると「ленточка」という表現をよく目にする。
 これは名詞「лента」の指小形で「リボン、テープ状のもの、細長いもの」を意味するが、最近では「ウクライナ(の最前線)」という意味でロシアでは頻繁に使われているようだ。
за ленточку→ウクライナへ(行く)
за ленточкой→ウクライナにいる
из-за ленточки→ウクライナから(戻る)
 ちなみにアフガニスタン戦争をしていた頃は、「アフガニスタンへ行く」ことを「за речку」と言っていたそうな。直訳すると「川の向こうへ(行く)」。
この「ленточка」はもともと軍隊で使われていた俗語で「最前線」を意味していたが、部分的動員令が発令されると「ウクライナ」を意味する言葉として、ネットを中心に動員された兵士やその親族が使い始めた。
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