Thread by @mixingale

複数均衡のあるモデルだと、データからパラメータに行くパスも複数出てきうる。今佐藤さんたちとやってるモデルだとその問題が二次方程式に落ちるので具体的に解が二つ出てくる。そこでは安定解を選ぶべきっぽい感じがありありとしてるんだけど識別において安定解を選ぶべき理屈がいまいちわからない。

これ、二次方程式に落ちるまで具体的に解かずにSMMとかで推定してるときは、陰に安定な均衡（この場合はパラメータ→データの写像を決める均衡の安定性）を選んでいて、その制約下でデータに一番接近するパラメータを選んでいることになる。陰にやってるから気づいてないだけで。

二次方程式に落ちるまで具体的に解かずに均衡条件を利用したGMMとかを数値的に解いてるときも、陰に安定的な解(この場合はデータ→パラメータの写像を決める識別の安定性)を選んでいることになる。これも陰にやってるから気づいてないだけで同じ問題に直面している。この問題どう考えたらいいんだ？

複数均衡における解の安定性・不安定性と、そういうモデルにおける識別解の安定性・不安定性ってどういう関係にあるのか？という風に定式化して考えるべきなのかな。

こういうのって構造推定をやる限りにおいて発生する「経済学の理屈につじつまを合わせるために払わなければならないコスト」なんだけど、支払う価値のあるコストなのかわからない。理論家も計量家も「誘導型」実証家も気にしないというか認知しないタイプの問題なので。