Thread by @LIU_Yen_Fu

台湾の大手テレビ局TVBSが蔡英文総統任期最後の世論調査を発表した。日本での支持率にあたる満意度は42%で、不満は46%だった。馬英九の任期終了直前は満意度23%(不満58%)、その前の陳水扁は同13%(不満69%)と比較すれば十分成功した政権と言え、だからこそ民進党政権が継続→
news.tvbs.com.tw/politics/24798…

することになったともいえる。5月20日に発足する頼清徳新政権は蔡政権の恩恵に与っている状態だが、逆に言えば前政権よりも支持率が低い状態で政権をスタートさせることになりかねない歴代政権が経験したことない逆風にも晒される。調査では蔡政権の過去8年の評価も聞いており、介護政策、自主国防、→

国際的地位向上の3項目が順に支持が高かった。逆に住宅政策、エネルギー政策、司法改革については不支持が高いワースト3の項目だった。すでに頼政権の閣僚人事は発表されており、国防や外交などを司る閣僚や政権幹部は蔡政権の主要人材がポストを変えつつも残っている。高評価の部分では大きな変更を→

加えず、支持を維持したい形だ。2期目を目指したいだろうから守りの運営で失点を回避したいのだろう。ただ、野党陣営や社会が今重視するのは比較的落ち着いている対外関係や中台関係ではなく、蔡政権でもワースト評価だった民生に関する部分だ。若者を中心に不動産価格高騰で家は買えないし、→

原発廃止に向かう政策もあり、慢性的な電力不足が続き、いまだに大規模停電が散発的に起きる。身近な問題なだけに有権者の意識も高く、頼政権は世界から台湾情勢で注目を浴びつつも国内では少数与党の上に各種内政問題の対応で奔走することになる。蔡政権は圧力を強める中国に対して毅然と対応し、→

過去の陳水扁政権と異なる台湾として国際社会に通じるナラティブを敵失も重なって広めて、台湾情勢を台湾社会も納得できる形で見事に安定化させた。台湾社会はそれに高い評価を与えたことが、歴代政権と異なり任期終盤の相対的にかなり高い支持率につながっている。ただ、それは逆説的に台湾社会が→

対外関係について対応が着々と進んでいるから意識しなくていい環境となり、内政問題に多くの関心がシフトしている状態を生み出した。世界は台湾有事の回避のために引き続き頼政権について中台関係の視点から着目するだろうが、頼政権にとっては次の選挙に向けて内政問題こそが焦点なのである。内政が→

社会の主要焦点であり続けるのであれば、国民党が2028年に政権を奪還することは十分可能であり、国民党は本気で政権返り咲きを目指すために中国との距離感を馬英九のようにべったりもせず、かといって対話できる存在だとアピールする絶妙なポジション築きつつ、米国との関係も強化して防衛政策でも→

自主国防強化の点では方法は異なれど蔡政権路線自体は否定せずに自身の主張に取り込んでいくだろう。