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May 10 22 tweets 2 min read Read on X
レプリコンワクチンではmRNAワクチン共通の問題に加えて細胞から細胞への伝播、個体から個体への伝播が起きることが重大な件とされています。この問題について論文のデータから説明。スレッドの結論を最初に。レプリコンワクチンを導入した細胞は感染性のある粒子を放出し、さらこの粒子は継代可能です
このことは30年前に既に示されていました。その論文は鹿先生が紹介ずみ。また苦労人の改さんから論文の情報をいただきました。これが論文のURLです。doi.org/10.1016/0092-8…
レプリコンワクチンといえどもRNAワクチンであるため従来型のmRNAワクチンと同様の問題がある。細胞内で抗原遺伝子を発現するためそれが細胞膜上に抗原提示されてしまいキラーT細胞の攻撃を受ける。そのためこの方式は人々が細胞性免疫を獲得していない全く新規のウイルスに対して以外は使用できない
コロナウイルス、インフルエンザウイルスはこの点から適応対象から外れてしまいます。それに加えてmRNAワクチンでは抗原が長期間供給されるため抗体がIgG4化してしまいます。さらに抗原として有毒なスパイクタンパク質が使用されていますので、まさしく毒物遺伝子を人体の細胞内で発現する毒物注射。
さらには脂質ナノ粒子には従来使用されてきたアジュバント(免疫増強剤)よりも強力な免疫誘導活性があるため自己抗体が大量に誘導されます。ここまで説明すればmRNAワクチンはヒトに投与してはならないもので研究開発そのものをストップすべきものであることは明らかです。この方式は害だらけです。
ここで本題。レプリコンワクチン接種後に感染性粒子が細胞から放出されるかどうかについて考察。感染性粒子が細胞から放出されて、しかもその粒子が継代可能であれば細胞から細胞へと拡大していく。細胞から細胞に拡散していき、それが継代可能でされば個体間で伝播する可能性はかなり高くなります。
このことを示す論文があれば製薬企業は個体間伝播がないことを実験的に証明するという義務が生じます。なぜなら査読済み論文によって個体間伝播が想定される合理的な懸念を示すデータが存在するからです。
レプリオンワクチンの構成はベネズエラ馬脳炎のRNA依存的RNA合成酵素(レプリカーゼ)とスパイクタンパク質。二つのmRNAを連結し、さらにプロモーター配列を付加したもの。これがレプリコンワクチンの模式図です。このRNAからは全長のRNAと抗原であるスパイクタンパク質のmRNAの両方が合成されます。 Image
レプリコンが細胞に導入されるとレプリカーゼとスパイクタンパク質が大量に合成される。細胞内には複製されたレプリコンRNAとスパイクタンパク質の両方が大量に存在する。合成されたRNAとスパイクタンパク質はどのような運命をたどるのでしょうか。ここで注目しなければならないのは細胞外小胞の存在
これまで発信した動画では簡略化してエクソソームとしか言っていませんが、細胞から放出される細胞外小胞は三種類あることが知られています。適切な模式図を見つけましたのでその説明と共に引用しておきます
(出典ベックマンコールター社ウエブサイト) Image
細胞外小胞(EVs)は、ほぼすべての生細胞から分泌される不均一な脂質二重膜構造を有する小胞の総称。細胞外小胞は、細胞内の産生機構の違いから、エクソソーム、マイクロベシクル、アポトーシス小体の3種類に大別される。エクソソームの大きさは直径30~150nm。
エクソソームは後期エンドソーム膜の内向きの出芽により形成され、さらに細胞膜と融合することで完全な粒子を形成しエキソサイトーシスにより細胞外へ分泌。一方、マイクロベシクル(MVs)は、細胞膜が外側へ出芽して分離することによって生成。大きさはかなり広範囲にわたります(直径100~1,000 nm)
現在、エクソソームとMVsは、多くの科学的研究で注目されています。細胞内での起源が異なるにもかかわらず、この2種類の細胞外小胞の産生には共通の細胞内メカニズムと機構が関与しています。細胞から放出される粒子状のものですがレプリコンRNAを取り込んだ細胞からも当然放出されます。
30年前の論文でレプリコンRNAをとりこんだ細胞からは感染性のある粒子が放出されてしかもその感染性の粒子は継代できることも示されています。論文のタイトルは
Novel Infectious Particles Generated by Expression1 of the Vesicular Stomatitis Virus Glycoprotein from a Self-Replicating RNA
エール大学のグループの論文です。これまでレプリコンワクチンが実用化されていない理由としては早くから感染性粒子の放出の可能性が示されていたことが考えられます。以下に代表的なデータを紹介します。
この論文ではアルファウイルスの一種のセムリキ森林ウイルスのレプリカーゼに水疱性口内炎ウイルスのGタンパク質の遺伝子を連結したものを使用。Gタンパク質はenvelope spike glycoprotein (G)の略称でコロナウイルスのスパイクタンパク質同様の機能を持ちコロナのスパイクと同様の能を持ちます。
Gタンパク質はenvelope spike glycoprotein (G)の略称でコロナウイルスのスパイクタンパク質同様の機能を持つ。すなわち細胞表面の受容体タンパク質に結合して細胞とウイルスの膜の膜融合を誘導しウイルスを細胞内に侵入させる。この仕組みは新型コロナのスパイクタンパク質の機能とほとんど同じです。
この論文ではアルファウイルス由来のレプリカーゼにVSVのスパイクタンパク質遺伝子(G)を連結したもので現在ヒトへの接種が目前に迫っている(一部既に接種が治験で行われている) レプリコンワクチンと極めて似通った構造を持つものを使用。
Figure1に示されているようにレプリコンそのものが複製されるのと共に抗原タンパク質も大量に産生されます。 Image
この構造をしたレプリコンRNAを細胞に導入してみたところ意外な結果が示されました。細胞への導入効率が0.1から1%というリポフェクション法で遺伝子導入を行いVSV―Gタンパク質の抗体で細胞を染色してみました。そうすると最初は遺伝子が導入された細胞だけが光りましたが、時間の経過と共に蛍光は拡大
そうすると最初は遺伝子が導入された細胞だけが光りましたが、時間の経過と共に染色される細胞が増えていきました。まるでウイルスを細胞に感染したときと同様の現象が見られたわけです。 Image
この先は次のスレッドでポストします。

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May 10
今回のポストの目的は、一流の学術誌であるCellの査読済み論文において、現行のレプリコンとほとんど同じ仕組みのレプリコンを細胞に導入してみたところ感染性のある粒子が放出されるということが示されていたことを一般の方々に周知することです。

スレッドが長くなりすぎて途中でXからスレッドの継続を拒否されたので続きを新たなスレッドで発信することにしました。現在、日本で接種しようとしている単純な自己増殖型mRNAワクチンは感染性粒子が細胞から放出される可能性があると考える人は多いのですが、それが既に30年前に示されていたというわけです。

前回のスレッドにも書いておきましたが、このような論文がある以上、製薬企業側は感染性粒子の放出が個体間感染を招かないことを証明しなければなりません。これは開発側に課された義務であってレプリコンワクチンの危険性を懸念している研究者が証明しなければならないものではありません。このことは常識ですが念のため書いておきます。

通常の薬事承認のプロセスにおいては製品に関するリスク情報をもれなく規制当局に開示し、そのリスクを否定することが製薬企業の義務となります。

感染性粒子の放出が発表されている学術誌がPubmedにも載っていないものであればいざ知らず、現在のインパクトファクターが66.85という一流紙に掲載された情報を無視するということはいずれ裁判がおきたときに大きな不利となることでしょう。ちなみに現在、この分野で最高のIFを持つのはNature Medicineです。Cellは第二位です。

引用ポストしているこのデータですが最初にレプリコンが導入された細胞が光っているのが24時間後のデータです。それが時間の経過と共に細胞全体に広がっていくということをこのデータは示しています。これは著者たちにとって意外なことだったのです。そこで彼らは細胞の培養上清を取り出し遺伝子導入していない細胞に添加してみました。その結果を次のスレッドで示します。
最初にリポフェクション法で遺伝子導入した細胞からウイルスのような感染性のある粒子が放出されるのであれば、その培地を遺伝子導入していない細胞に加えるだけで同様の現象が見られるはずですが、その結果がFigure4です。

AはFigure2の培養上清を加えた細胞での免疫染色実験ですが全部の細胞が光っています。この結果からは最初に遺伝子導入された細胞からまさしく感染性粒子が形成されたことを意味しています。

BとCは同様の作業の繰り返しです。つまりAの細胞の培養上積を次の細胞に加えてしばらくしてから免疫染色実験を行いVSV-Gタンパク質の発現を調べるというもの。感染性粒子を継代することができることを示した実験です。この操作は10回までくり返して行うことができたと書かれています。

これらの結果から細胞培養液に感染性粒子が放出されることと、しかもその現象は代を重ねて繰り返されることがわかりました。Image
最後に示すのはVSVに対する抗体がこの細胞間伝播を抑制することを示す結果です。これまで説明してきた実験においてVSVに対する抗体を培地に加えておくとこのような現象は観察されませんでした。

ということはVSV-Gタンパク質がこの現象に関与していることを強く示唆しています。Aの実験は抗体を加えなかったケースです。Bは抗体を加えたケースです。蛍光のシグナルは完全に抑制されています。

以上で主要なデータの説明は終わりましたが、この結果が示すことはかなり深刻です。今回のコロナのレプリコンワクチンで使用されているレプリカーゼはベネズエラ馬脳炎由来のものでセムリキ森林ウイルスのレプリカーゼとほとんど同じです。

さらに抗原として産生されるスパイクタンパク質はコロナウイルスの細胞への感染プロセスにおいて重要な役割を担っています。したがって今回、相次いでヒトへの接種を進めようとしているレプリコンワクチンが導入された細胞から感染性の粒子が放出される可能性はかなり高いと言えるでしょう。Image
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