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やたら私に「ニセ医学」って使ってくると思ったら、この本の著者の方だったんですね。
読んだことないので中身は知りません。
でもコレステロールがなぜどのように制御されているのか?深く考えたら、疫学ベースだけでコレステロールが上がったら下げろ、なんて短絡な発想にならないはずです。1/14
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ちょっと私のコレステロールについての考えをここにまとめます。
この通り薬剤の介入なしで調べた場合、LDLが高いことは男性では全死亡リスクを低下させることが分かっています。おかしいですね?高いとリスクがあるはずなのに。
2/14

こちらのデータをみてもコレステロール上限しきい値とされる220あたりが死亡率が一番低いことがわかります。少し前なら医者がスタチンスタチンと迫ってきてた値です。
でもそれ以下になると死亡率はむしろ上がる。
これは理屈に合いません。適正値ってなんなの?3/14

実は先住民族はコレステロールが低い。
これについては下記を参照してください。
この話のポイントは文明社会は多くのパンデミックを経験して免疫力の高いコレステロールの高い個体が生き残ってきたのでは?ということです。4/14
免疫にはコレステロールが必要ですので、低下すると当然免疫は低下する。単純に下げていいものではない、ということも理解できると思います。
これががんに対する免疫にも影響しないとは言えないでしょう。低コレステロールとがんには一定の因果関係があると私は判断します。5/14
コレステロール低値が死亡率を上げる一方で確かにコレステロールが高すぎても死亡率は上昇します。これは本当にコレステロールが高いことが原因なのでしょうか?
私は違うと考えます。
原因は体内の炎症です。炎症が起きるとそれに対してコレステロールの必要量が増えます。6/14 Image
当然コレステロールは対応するために増産されます。つまり、コレステロールが高いことが死亡率を上げているのではなく、コレステロール需要が増え増産されて高値になるのは結果であり、その原因である慢性炎症が死亡率を上げると考えると辻褄が合います。7/14
よくLDLが血栓の原因と言われますが、これも半分は冤罪です。血管が傷つけられるとそれを修復するためにLDLが集まってくるのですから、これは冤罪です。問題は血管の炎症であり、血管の傷を塞がなければそれは血管の損傷を放置することになるのです。8/14

ただし、酸化した小さなLDLはそれ自体が血管内皮で炎症を起こします。この図の超悪玉ってやつです。
しかし、これもLDLが悪いのではなく活性酸素などの酸化ストレスが原因です。要するにLDLが高いことそのものが血管の障害を生むわけではないということです。9/14 Image
疫学研究ではスタチンで心血管イベントが減ることが示されています。これは確かに理屈に合った話で、LDLが減れば血管の修復をしなくなり血栓は減るでしょう。同時に酸化LDLも減るでしょう。
しかし根本的な問題は炎症です。それを放置して、ただコレステロールを下げていいのでしょうか?10/14
もちろん、いいはずがないんです。

一般診療データを解析して生存分析した研究で有意差がないです。
なんならスタチン処方を中止した75歳以上の患者は、スタチン処方を継続した患者よりも全死亡率が低かったことが示されています。11/14 ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…
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RCTでもこの通りで、冠動脈性心疾患は使用群のほうが少ないのに全死亡率に有意差はない。
むしろ、75歳以上の参加者では、使用群で死亡率の有意ではない増加が見られます。
これはもう、下げることの副作用があると考えるのが自然ですね。
12/14 ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…
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上記の論文の中で使用の正当性を示すとされる「ロスバスタチンを評価する介入試験(JUPITER)」についての言及があります。
「投与された人の全死亡率は100人年あたり1.63人であったのに対し、プラセボを投与された人の全死亡率は100人年あたり2.04人であり、その差は統計的に有意ではなかった」13/14
また、「JUPITER研究は、試験の早期終了と強い商業的利益相反に関連して批判を受けている。」との記載もあります。この書き方よっぽどですね。

こちらの記事。

「14人の著者のうち9人が企業との経済的関係があり」
スタチンはドル箱ですからね。仕方ありませんね♪
14/14medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/c…

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Jul 30

なんとコロナウイルスを若年成人に鼻腔内接種したという研究。
結果はがっつり感染(持続感染)、うっすら感染(一過性感染)、ほぼ未感染(不完全感染)に分かれた。
当然ながら感染時期が正確に分かるので今まで分からなかった感染初期の免疫反応の動態が判明した。1/7 nature.com/articles/s4158…
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持続性感染(左端)では感染初期の免疫細胞の浸潤が起こっていないが、一過性感染(真ん中)で感染1日めに強力な免疫浸潤が起こっている。
不完全感染では単球の減少以外大きな変化なし。
ここから分かるのは、感染結果を左右するのはこの感染初期の免疫反応ということだ。2/7 Image
こちらは血中の単球。全ての群で急速に減少している。曝露部位への遊走の結果だと考えられる。
重要なのは感染していない群でも曝露するだけで免疫反応が起きていること。
これまで私はウイルス干渉は感染しなくても曝露だけで成立すると主張してきたが証拠が示された。3/7

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Apr 25, 2023
私は細胞がS蛋白を産生すること自体がガンの原因になりうる、と考えている。 それはS蛋白がミトコンドリアを断片化するからだ。
少し説明する。 細胞のエネルギー産生経路は大まかに2つある。ハイブリッドエンジンだ。片方が「解糖系」、もう一つが「酸化系」。1/8
大雑把に言うと「解糖系」はグルコースから細胞質でエネルギーを作る。酸素は不要。 「酸化系」はミトコンドリアで[グルコースor脂質]+酸素でエネルギーを作る。 細かい説明は省略するが、このハイブリッドエンジンは同時に亢進することはない。どちらかが亢進してどちらかが抑制される。2/8
一部の細胞を除いて通常時は酸化系がメインのエネルギー産生経路だ。効率がいいから当然。しかし、細胞がミトコンドリアでエネルギー産生できない状態になるとエネルギー不足から細胞は生き残りのために低酸素に適応して酸素不要の解糖系が亢進する。3/8
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Mar 28, 2023
preprints.org/manuscript/202…
1) ワクチンによって合成されたスパイクタンパク質を免疫システムが無視することにより、再感染に対して脆弱になり、ウイルスの⾃由な複製が可能になる。1/6
2) mRNAおよび不活化ワクチンは、インターフェロンシグナル伝達を⼀時的に損なう免疫抑制を引き起こして、他の病原体に対して脆弱になる。癌やウイルス真菌感染の再活性化。2/6
3) 免疫寛容によって宿主内での SARS-CoV-2 の慢性感染を可能にする。
4)感染とワクチンによる複合免疫抑制によって自己免疫、癌、再感染、死亡の過多を説明できる。3/6
Read 6 tweets
Feb 5, 2023
告げ口ありがとうございますw
悪魔先生の発言のポイントは4つ。
1.IgG4はアクセルに対するブレーキであってバックギアじゃない。
2.IgG4には中和活性がある。
3.麻疹はIgG4出すけど終生免疫。
4.私(悪魔先生)がまいちをブロックしたので、NCCCM先生を巻き込んで迷惑をかけた。
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1.バックギアじゃなくてブレーキということは同意。
問題はこのブレーキはTregによるものだという点。Tregは抗原非特異的な免疫抑制の機序がある。つまり、新コロの過剰な抗体にブレーキをかけるだけならまだしも、それ以外の免疫にもブレーキを掛ける。これが大きな問題2/9
それとアクセル踏みすぎでブレーキが必要なら過剰な抗体産生が起きている、ということになるが、実際には経時的に感染しやすくなってブースターが必要になっている。しかもブースターのたびにVEが低くなってる。これ、ブレーキかけていいの?w
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Jan 10, 2023
「筋肉と免疫」
筋肉の維持や肥大には免疫が大きく関わっている。
ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…
詳しくはこちらの論文を読んでいただくとして、要するに運動などによって筋肉が損傷すると、炎症反応が起きてその後組織修復が行われる、ということがポイント。1/5
図をみていただくと見知った面々がここでも活躍していることに気づく。
好中球→M1マクロファージ→CD+8T細胞と炎症を起こす免疫細胞が活性化する。その後M2マクロファージ→Tregと抗炎症の免疫細胞が続く。上ののグラフの最後に出てくる黄色い線IGF1は成長ホルモンの一種。2/5
別に炎症を起こさなくてもいいのでは?とも思うが損傷した組織を取り除くことと、そのアミノ酸を再利用することが修復に必要なのだと考える。
実際、タンパク質を異化するプロテアソーム系を阻害すると筋肉は肥大するどころか萎縮する。研究者はびっくりしただろう。
ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…
3/5
Read 5 tweets
Dec 15, 2022
んー、まあやっぱりこうなったか。
私は最初から宮澤先生がマスク推奨派ということは知っていたけどその点について批判も言及もしなかった。意見の違いは理解していた。
宮澤先生が私を「ソフト反マスクだからウイルス干渉説なんだ」というレッテルを貼るから議論になっただけなんですよね。1/4
むしろ、宮澤先生はウイルス干渉説というものをご存知ない状態で議論を始めたにも関わらず、それを否定する理由を探しておられた。最初は前年の患者数が多かったことの反動、否定されると次は気候。否定するために思考すること自体がマスク推奨派としてのバイアスであることを理解したほうがいい。2/4
少なくともウイルス干渉説は根も葉もない話ではなく
機序もある程度分かっているし不明な点は多くても実際にこれまでも観測されている。
それと新コロは新興呼吸器感染症をPCRで可視化した初めてのケースで、前例がないということも念頭において考えないといけない。3/4

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