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Let the facts speak for themselves and derive the solution.
Apr 2, 2023 15 tweets 2 min read
PCRの偽陽性計算については、忽那賢志や尾身茂や佐々木淳が説明した計算方法が間違っていたことはもう既に周知であると思いますが、今回はもう少し数学的な部分の解説をしてみたいと思います。 PCRの偽陽性計算の前に、まずは正しい計算方法の練習問題。
・公正な6面ダイスを600回振ったとき、1の目が出る回数の期待値は何回ですか?

答え:600×1/6=100回
Jan 2, 2022 6 tweets 2 min read
ここの88%という数字だけで、3回目接種(ブースター接種)の入院防止効果が凄い!とか言ってる人がいるみたいなので、少しだけ解説します。この入院防止効果VEってどうやって計算しているのかというと、ちゃんと資料には書いてあってそれは以下の通りです。
assets.publishing.service.gov.uk/government/upl… "To estimate vaccine effectiveness against hospitalisation the odds ratios (OR) for symptomatic disease were multiplied by the hazard ratios (HR) for hospitalisation among symptomatic cases:"

VEhospitalisation = 1-(ORsymptomatic disease x HRhospitalisation)
Dec 24, 2021 5 tweets 3 min read
実は、ここ最近ワクチンの効果の推定が『マイナス』となっているデータが多いのですよね。昨日紹介したデンマークの結果や英国UKHSAの結果でも、3~4ヶ月以降でマイナスやゼロ付近になってしまっています。これって例のADEなんでしょうか?
assets.publishing.service.gov.uk/government/upl… また、追加接種の効果についても少しずつデータが得られてきていて、予想されていたものの、結局は一時的に元通りになる程度の効果なんだろうなという感じです。UKHSAのは若干詐欺グラフぎみなので、対応するプロットを線で結びました。これだと多分3~4ヶ月経つと同じようにゼロになるのかも😟
Dec 23, 2021 4 tweets 2 min read
東京都は他県と張り合ってどうしたいのだろう?上手くいっているなら、他県へも試薬を提供したらいいのではないかな。
bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/… 若干コメントすると、南アフリカNICDの調べでは、N501YやE484Aがないオミクロンも10%程度あるし、L452Rがあるオミクロンも数%あるみたいなんですよね。
nicd.ac.za/wp-content/upl…
Dec 6, 2021 4 tweets 1 min read
オミクロンはパンデミックの新しいチャプターなのだというシンプルな論説。簡単に結論を紹介すると、オミクロンはより早く広がり、より容易に抗体から逃れる可能性があるので、ワクチン接種をした人の感染が増加することが考えられるとのこと。
thelancet.com/journals/lance… 一方で、ワクチン接種をした人の重症化リスクは低いと考えられるとも。その理由は、ワクチンの重症化・死亡を予防する効果は、抗体よりもT細胞の免疫反応に依存しているだろうから。ワクチンの効果には、抗体だけではなく、細胞性免疫もあるのですから、その点は安心材料です。
Dec 5, 2021 4 tweets 1 min read
UKの変異株レポートにオミクロン株特集が掲載されていました。まだ何にも解らないというのが現実ですが、SGTFの話は面白かったので紹介します。SGTFはアルファ株にもあったけど今はデルタ株が99.8%を占めていてほとんど検出されえていないところ、絶対数が少ないものの、増加傾向にあるとのことです。 SGTFは69/70 の欠失に依存するのですが、デルタ株の中にも69/70が欠失してるのがあるものの(知らなかった)、それは減少にある(0.056%)。にもかかわらず増加しているSGTFはオミクロン株なのではないでしょうかという話。
Dec 2, 2021 7 tweets 2 min read
この論文(preprint)を読むと、確かにオミクロン株はADEが起こる危険性が高いと思わざるを得ないです。つまりワクチンの効果が弱まるどころか、逆に感染増強が起こる可能性があると。まだ事例が少ないのだけど、引用事例が着目されている理由はそういう理由なのでしょう。
biorxiv.org/content/10.110… ブースター接種の前倒しの件についても、下手をすればADEをブーストすることにもなりかねないことを考えれば、ADEが起きないことが解ってからでもよいのではないでしょうか。きっともう既にADEが起きるか否かの実験もし始めているのですよね。
Nov 28, 2021 6 tweets 2 min read
オミクロン株ではワクチンの効果が減弱する可能性が話題ですが、さらに心配なのが『抗原原罪』や『ADE』が起こってワクチン接種をしたことが裏目にでる可能性もあるのです。この記事は、タイミングよく出た抗原原罪に関する解説記事です。
nature.com/articles/d4158… 上記記事にも解説されていますが、簡単に言うと、抗原原罪が起こると、過去のワクチンや感染が邪魔をして、ナイーブB細胞が活性化するのを抑制してしまいます。
en.wikipedia.org/wiki/Original_…
Nov 23, 2021 8 tweets 1 min read
ワクチン接種とコロナ後遺症の関係について沢山書かれている良記事です。ただし、残念ながらワクチン後遺症については書かれていませんでした。
nature.com/articles/d4158… ワクチン接種後の感染(ブレイクスルー)でも後遺症が起きるかについては、起きことがあるのは確実ですが、ワクチンが後遺症発生を減らす効果は現時点ではっきりしたことは解らず、しかも期待していた程の効果はないみたいです。
Nov 23, 2021 12 tweets 3 min read
先日、東洋経済ONLINEの実効再生産数と東京都発表の週平均の対前週比の関係について話したので、簡易的実効再生産数の計算について説明を補足しておこうと思います。キーポイントは、Serial Intervalを平均値に固定してしまうということです。これが大事。 実効再生産数は、感染者1人が何人に感染させてしまうかを示す指標なのですが、感染させてしまう期間はまちまちで不明で、これが困難の大元です。なので、とりあえずこの数値を全ての感染で同じ値を使ってしまうことにします。平均値は4.8日とか言われているのですが、もう簡単に5日ってことで。 Image
Sep 14, 2021 6 tweets 2 min read
WHO等の専門家がブースター接種の必要性はないとの見解をランセットに公表したとの報道がありましたが、読んでみたら単なる『ご意見』ではなく、膨大な数の効果報告のサマリーとしてワクチンの効果を評価するものでした。Supplementaryが凄い。
thelancet.com/journals/lance…
thelancet.com/cms/10.1016/S0… デルタ株はアルファ株と比較すると、感染予防効果が少し下がってしまっているのだけど、重症化予防効果は殆ど下がっていないのですよね。しかもデルタ株に対する感染予防効果が下がっている原因もワクチンが理由ではないと思うので、デルタ株を理由にして同じワクチンを追加接種するのはどうかなと。
Jul 23, 2021 6 tweets 2 min read
イスラエルの保健省が公表した、ファイザーのワクチンがデルタ株に対する有効性が39%であるとの報道の1次ソースはここです。ヘブライ語が読めないものの読み取れるところを解説します。gov.il/he/departments… 有効性が39%であるというのはこの表に書かれた結果です。この表は21年6月20日から7月17日までの確定症例・発症・入院・重症化のアウトカムに関するワクチンの効果を表しています。39%というのは確定症例基準の有効性です。
Jun 13, 2021 8 tweets 1 min read
少し違った視点で一言いうと、G7って本来はオリンピックがどうのこうのって議論するような会議ではないと思うのですよ。オリンピックなんて所詮は単なるスポーツイベントなのだから。コロナ繋がりで一応考えとくわって位置付けだと思う。そんな事しか議題にできないからハブられちゃうんだと思うね。 この会見は、場違いな人間が場違いな議題を持ってG7に参加したことをよく示していると思う。事前通告があっただろう質問が2問のみだったけど、その対比が面白い。
Jun 13, 2021 7 tweets 2 min read
令和2年3月17日、当時の安倍総理もG7の後で「オリンピックについては、人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証として、東京オリンピック・パラリンピックを完全な形で実現するということについて、G7の支持を得たところでございます」と言っていたことを思い出した。
kantei.go.jp/jp/98_abe/acti… "and reiterate our support for the holding of the Olympic and Paralympic Games Tokyo 2020 in a safe and secure manner as a symbol of global unity in overcoming COVID-19."

reiterateしたんだね
g7uk.org/wp-content/upl…
Apr 26, 2021 13 tweets 2 min read
今日は木下喬弘氏の「『適用できない』って難しいですよ、定理ですからね」発言で完全に脱力してしまったのですが、彼は正三角形でもピタゴラスの定理が適用できると考えているのでしょうかね? 三角形というのは色々なものがあるのですが、直角三角形の場合に限って3辺の長さに特別な関係が成り立ち、これをピタゴラスの定理というのですね。だから当然ながら正三角形では成り立たない。
Mar 26, 2021 30 tweets 5 min read
今回は、新型コロナの伝播の特徴と(少なくとも初期の)クラスター対策の関係について一般の人々たちにも解るように、可能な限り解りやすく説明することを試みたい。実は大学入試レベルの数学を少しはみ出る程度の内容を含んでいるのだけど、直感的に理解できるように工夫する。 それでは先ずはウォーミングアップに、くじ引きの問題を考えてみたい。このくじ引きは1回1円で当たりくじの確率は100分の1で賞金は200円だ。しかも手持ち資金が続く限り何度でもチャレンジしても構わない。賢明なあなたは「賞金の期待値は2円か、割の良いくじ引きだな」と考えるだろう。
Dec 20, 2020 25 tweets 6 min read
稲葉寿氏の「感染症数理モデルとCOVID-19」という記事が話題となっています。その中でも「普遍的大量検査をおこなうことは、非常に有効な制御手段であると考えられる」との見解に賛同する人が多いものの、根拠として示されたグラフがよく解らないとの意見もありますので、私の理解の範囲で解説します。 稲葉寿氏の「感染症数理モデルとCOVID-19」の記事は以下のリンクです。
covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/3925
Jul 23, 2020 18 tweets 5 min read
PCRデマが発生した理由(とりあえず陰謀説は否定する)は、単純にPCR検査の仕組みが解っていなかったのだと思います。そもそもPCRの検査は例の2×2の表計算を使うべきではありませんでした。あの2×2の表計算の背後には図のような頻度分布があることが前提だったのです。1/n 確かに、このような分布が得られる検査であれば、疾患群が少ない(事前確率が低い)場合は、カットオフを超える被験者が偽陽性ばかりになるし、坂本史衣のいうように「感度、特異度はトレードオフの関係」になるかもしれません。2/n
buzzfeed.com/jp/naokoiwanag…