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junitiro じゅんいちろう
@PapalotX
\建築士が新たな創造の世界へ🌍/ 建築士としての経験をもとに、物語をXで投稿しています ✍️/ 🧩パズルの形をしたデジタルアート(miniANISU)を手がけています/ 💎プレミアムプラス会員/ https://t.co/AzSuCtchNg🔥魂🔥
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Dec 3, 2024
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1 min read
私が経験した
悪質な訪問販売の物語
扉の向こうにいるのは、
本当に信頼できる人ですか?
〜〜〜
携帯が鳴った時、
私は施主との打合せの最中だった。
妻からの着信。
普段なら仕事中は出ないのだが、
何か胸騒ぎがして電話に出た。
「潤一郎さん...」
受話器から聞こえてきたのは、
いつもの明るい妻の声ではなかった。
震える、か細い声に、背筋が凍る。
「どうした?」
「今ね...水質調査の人が来てるの...」
妻の声が途切れた。
受話器越しに、二歳の息子の
不安げな泣き声が響いてくる。
「怖いの...あの人、
すごく怖くて...
私の態度が失礼だって...」
妻の声は次第に小さくなっていく。
私の頭の中で警報が鳴り響いた。
「落ち着いて聞いてくれ。
その人は今どこにいる?」
「廊下...廊下で待ってるの。
断ったのに帰ってくれなくて...」
「ドアは絶対に開けるな。
今すぐ帰るから」
「うん...でも...早く来て...お願い...」
妻の震える声に、
私の不安は頂点に達していた。 「申し訳ありません。
家に緊急事態が...」
私は即座に現場を後にした。
普段は空いているはずの環状線が、
この日に限って異常な渋滞だった。
そんな中、また携帯が鳴った。
ハンドルを握りながら受話器を取る。
「まだ?...早く来て...お願い...」
前回よりさらに
震えの強くなった妻の声。
背後では息子が泣き続けている。
「今向かっている、あと10分くらい」
「うん...でも怖いの...
相手がまだ廊下にいて...」
赤信号に引っかかるたび、
ハンドルを強く握り締める。
現場を抜け出してきた私の頭の中は、
家族のことでいっぱいだった。
やっとの思いでマンションに到着。
三階まで一気に駆け上がる。
廊下の突き当たりに人影が見えた。
見知らぬ男の隣で、
妻が身を縮めるように立ち、
息子が母親の足にしがみついている。
「何があったんだ?」
私の声に、男が振り向いた。