平 裕介 Yusuke TAIRA Profile picture
弁護士(東京弁護士会)|研究者→https://t.co/VMgxHxeIl0 |大学で行政法等を担当|「宮本から君へ」訴訟・角川人質司法違憲訴訟・砂川猟銃訴訟の弁護団|「セックスワークにも給付金を」訴訟・共産党松竹事件・共産党神谷事件の弁護団長|憲法訴訟・公共訴訟|ポスト等は個人の意見です
Jul 16, 2024 4 tweets 1 min read
つい先週の選挙の候補者に関する新聞記者の私的なSNSアカウントでの表現について、その候補者が弁護士による法的手続をとる可能性をSNSで明言。その記者の新聞社はすぐに謝罪し、その記者も謝罪。公職選挙の候補者に対する政治的表現の自由(憲法21条1項)をあまりに軽視した対応。記者の萎縮連鎖社会へ 先月まで公党の国会議員を20年務めた前知事選候補者(128万票の支持を集めた)が新聞記者の私的なSNSでの論評に対してスラップ訴訟をする可能性をSNSで発信し、支持者のキャンセル・カルチャー(CC)を煽り、新聞不買運動の契機を作った。新聞社も記者もCCに即効屈した…

なお、スラップ訴訟については↓ Image
Jan 2, 2023 9 tweets 1 min read
立憲民主党の塩村あやか参議院議員が、AV人権倫理機構(アダルトビデオ(AV)業界の発展と健全化を目的として設立された非営利の団体)による以下の声明を「被害の矮小化」するものとTwitterで非難。しかし同声明は、弁護士がAV事業一般を「虐待」だと記者会見したことによる職業差別行為への批判ですよ 塩村議員は、「2022年11月29日『Colaboとその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見』における角田由紀子弁護士のアダルトビデオ業界関係者に対する職業差別、出演者にスティグマを負わせる発言に対する抗議声明」に係る事実関係を歪曲しているか、明らかに不合理な事実評価をしています
Dec 31, 2022 7 tweets 1 min read
「ヘイトランキング」なる投票を実施して私人ら(政治家も含むが私人と分けない)のワースト1~10を順位付けし、全世界にネットで公表している団体が、同時に「差別やいじめは良くない」と声高にアピールしているのだが、“あれ自分たち矛盾挙動やってないかな…”とか少しでも思わないのだろうか… おそらく疑問にも思わない、自分たちのやっているこそ「正義」だといわば信仰しているからこそ、こういうことが平気でできるのだろう。しかし当然ながら説得力がなさすぎるので、どんどん支持する人間は減っていくでしょうね
Dec 31, 2022 4 tweets 1 min read
昔テロや民間人殺傷事件を起こした者のインタビュー記事は歴史的教育効果が高く真似する人などいないことが当然に分かるからニュースバリューは高いが、特定の自治体で数年ぶりに住民監査請求が認容された事例は性的表現と関連があり不快な表現っぽく悪影響がありそうだからニュースバリューが低い…? これも報道・取材の自由であり、ニュースバリューを報道・取材する側が決める自由の問題ではありますが、この点については、以下の著名な憲法判例である博多駅事件最高裁決定(最高裁判所大法廷昭和44年11月26日決定 刑集23巻11号1490頁)の内容が想起されなければなりませんね↓
Dec 30, 2022 9 tweets 1 min read
【不正】とは一般には「正しくないこと」だが、法令用語としては「立法趣旨に応じて一定の法律的意味が与えられている」(『有斐閣 法律用語辞典第5版』(2020)1003頁)というのが一般的で、必ずしも犯罪行為だけに限定されるものではない。広く法令違反・職責違反行為を指す場合がある(会社法358条1項等) ちなみに、地方自治法242条の住民監査請求や242条の2の住民訴訟の対象は、違法or不当な“財務会計”上の行為等だが、ここで「不正」という場合、会計が「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする」(会社法431条)という【公正な会計慣行に違反する場合】をも含む意味だと考えられる
Dec 30, 2022 4 tweets 1 min read
セックスワーカーに対してTwitterなどで売春婦というのは場合によっては名誉毀損あるいは侮辱となる。公共の場所での萌え絵どうこうのレベル(法律で規制されているわけではない)などではなく、それは法規制の対象行為なので。表現の自由は無制限ではありませんよ セックスワーカー/ワークという用語(社会学のキーワードでもある)を知らない(とみられる)方々が散見されますが、青山薫教授の「セックスワーカーへの暴力をどう防ぐか」SWASH編『セックスワーク・スタディーズ 当事者視点で考える性と労働』(日本評論社、2018年)138頁などを読んでみてくださいね ImageImage
Dec 30, 2022 5 tweets 1 min read
売春防止法の改正(規制強化)はAV新法を改正しなくてもAV事業関係者へのさらなる規制となる可能性が高いだろう。このことは法学セミナー2023年1月号の特集記事「2022年の新法・改正法を考える」の1つである拙稿・平裕介「AV新法と職業の自由」法セミ816号36頁以下をお読みいただければ分かると思います なお、こちら↓にご登録いただければ拙稿だけであれば無料で全文読めます

Dec 28, 2022 8 tweets 1 min read
元内閣官房長官の現職国会議員が、適法かつ自主規制基準に反しない広告表現の具体的内容について、問題があるとか自主規制強化の可能性をチラつかせた上、支持者らのファンネルを発動させる行為は、あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」を中止に追い込んだ行為に匹敵する危険なやり口 それを普通に所属政党(しかも少なくとも今は野党第一党)関係の動画で全世界に公開して「公共」スペースで発言しているのだから、「表現の自由」へのキャンセル・カルチャーの威力は、例の一人の研究者を潰したオープンレター以上のものがある。支持者やいわば信者らのファンネルもかなりの数量になろう
Dec 28, 2022 4 tweets 1 min read
弁護士に「本当に司法試験受かったのかと思う」という人には、正当な権利行使をしている市民にも「反社会的勢力」(殺人事件を起こした団体等)というレッテルを平気で貼れる人が含まれてそうですね。でも、もうそういう運動が通用する時代は終わったと思いますよ。持続可能な「社会運動」ではないですね というか、そんなふうに侮辱している方々、今、司法試験受けて、あなた方は全員、普通に受からないでしょ。言ってて恥ずかしくないのだろうか(恥ずかしくないのか)。なお私は一応8科目仕上げる自信ありますが…
Dec 27, 2022 7 tweets 3 min read
適法かつ法規制をする正当化理由もない自由(表現の自由等)ついて①元国会議員などの影響力のある人物が、例えば表現の内容がおかしいとツイートし、その後、②現職の知名度の高い国会議員が動画で「社会通念」を理由に当該自由を自主規制しても良いのではと提案する。自由を抑制される当事者の声は無視 「社会通念」という曖昧不明確で、当該自主規制を呼び掛ける政党や現職国会議員が想像する多数決的基準を持ち出し、自主規制を呼び掛け、公共空間での市民の(適法で本来法規制不能な)自由の排除・キャンセルを促す。非立憲主義的

その上自由を抑圧される当事者の声は無視。国会も通さず。非民主主義的
Dec 7, 2022 13 tweets 1 min read
「公共スペース」での性的表現は「不快」だから止めろという見解は憲法論を軽視している(あるいは知らないか知ろうとしない)。例えば「囚われの聴衆」事件判決の解説で、紙谷雅子教授は「性的に露骨な表現」は「視覚」の場合には「強制を回避しやすい」としその場から去ることができる旨指摘している 紙谷雅子教授「判批」(「囚われの聴衆」事件=最高裁判所第三小法廷昭和63年12月20日判決の解説)長谷部恭男他編『憲法判例百選Ⅰ 第7版』(有斐閣、2019年)44ー45頁)
同45頁は「聴覚よりも視覚の方が外部からの表現を回避しやすい」から視覚の場合には「『とらわれの聴衆』の議論がなされない」とする
Dec 7, 2022 5 tweets 3 min read
#セックスワークにも給付金を」訴訟の期日は明日11時!
違法なことをしておらず納税手続もしている。なのに国は、セックスワークに関する事業を「不健全」な職業だと言い、コロナ給付金を1円でも支払うことは「国民」が許さない、という旨の主張をしました。職業差別です!
call4.jp/search.php?typ… コロナ給付金(本件では持続化給付金と家賃支援給付金)を支給するのは中小企業庁(長官)ですが、中小企業庁設置法の目的・所掌事務(1条の健全は大企業等からの経済的独立性を意味し、性的な健全性は意味しません)からみても、性風俗事業者の除外は行政法的にも不合理です
elaws.e-gov.go.jp/document?lawid…
Dec 6, 2022 6 tweets 1 min read
『「社会正義」はいつも正しい』解説記事公開停止の件。理由が「テキストが持ちうる具体的な個人への加害性」等ということだが、このような理由で非公開となるのであれば、表現の大半はキャンセル・カルチャーの「標的」となる。さらに自主規制が進めばネット空間がそのまま「表現の不自由展」となろう 不合理な自主規制が今後も進めば、近代立憲主義で否定したはずの中間団体により個人の自由は抑圧される。今回の件も自主規制の弊害が顕在化したもの
近ごろは、政治家や政治家に近い元議員等が、特定の団体や勢力と一体化し、法的には規制されていない表現の自由を非民主的に抑圧する動きもみられる
Dec 4, 2022 4 tweets 1 min read
宗教法人の解散請求は法人格を失くすものにすぎないから信教の自由の問題とは関係ないという議論は、憲法学の観点からは雑すぎるので、宗教法人の構成員たる信者の信教の自由(憲法20条1項前段)に対する間接的制約・事実上の制約となることを正面から認めた上で、ではどうするか?という議論をすべき 最高裁平成8年1月30日決定民集50巻1号199頁は、宗教法人の解散命令は「信者の宗教上の行為を禁止したり制限したりする法的効果を」伴わず、「専ら世俗的目的」による措置で、直接的制約はない旨を述べるが、命令確定による信者の信教の自由の間接的・事実上の制約は認めた判例と理解するのが通説だろう
Nov 29, 2022 4 tweets 1 min read
自治体等の公共団体からいわゆる大量の行政文書の請求が権利の濫用なんじゃないか?という法律相談を自治体側から受けた経験は何度かあるし、行政文書の情報公開条例改正に関する助言をしたこともあるが、関連する裁判例(の相場)によると、権利の濫用になるハードルはかなり高いんですよ 開示請求権の背後には住民の知る権利がある(これを明記する条例の場合)ので、裁判所はそう簡単には権利の濫用を認めないです。その結果、現場の公務員は疲弊して精神的に参ってしまうこともあります。ですから最近は写し交付ではなく閲覧のみの場合であっても手数料をとる条例(か規則)を作る自治体も…
Nov 28, 2022 13 tweets 1 min read
多数の者が「不快である」というだけで公共スペースでの自主規制OKだというならば、道路でのデモなんて気軽に出来なくなるだろう。交通渋滞をも引き起こしうるデモについては内容に関わらず不快に思う人は多数いる。自主規制しろと言われる声の方が大きくなり、伝わるデモのメッセージも伝わらなくなる なぜ交通渋滞という24時間しかない他人の貴重な時間を奪ってまで公共スペースでデモを行えるのか、ゾーニング自主規制信仰者の方々は考えるべき。人権を行使すれば、そもそも多数の者を不快にする場合がある。表現の自由も同じだ。公共スペースは、100%無痛で不快にならずに出歩ける空間などではない
Nov 26, 2022 16 tweets 2 min read
JR大阪駅の御堂筋口の「咲全国編×雀魂」のコラボの広告について、前衆議院議員という社会的影響力のある公人あるいは準公人が、表現キャンセルの火付け役となる情報発信をSNSで行うことで、私人の表現(営利表現)の萎縮を生じさせ、あるいはそのきっかけを作る行為は、【非立憲】的であるというべきだ 法律にも条例にも違反していない表現の自由の行使について、一元国会議員が「性的」に感じたというだけで、それをいかがわしい表現だと暗に示して公共スペースから排除しようとする行為は、特にその情報が(例えばツイートがバズることで)拡散すると、市民の表現行為に強力な萎縮効果を及ぼすことになる
Oct 31, 2022 6 tweets 1 min read
AV新法の拙速な判断過程を強引に美化する残念な記事と言わざるをえない…。曽我部先生のコメントプラス(逆に素晴らしいコメント)を一緒に読むことが絶対的に必要な、取り扱い要注意の記事です

AV出演被害救済法、スピード成立の舞台裏 NPOがつくった潮流:朝日新聞デジタル
asahi.com/articles/ASQBS… そもそも2022年4月施行の成人年齢引き下げの民法改正は2018年。これは2015年公選法改正を踏まえたもので、2018年消費者契約法が改正されて若年層が被害を受けやすいタイプの契約の法規制が拡大し消費者保護が図られたが、他方で政府はAV出演契約については同様の議論・法規制による検討を行わなかった
Jul 17, 2022 9 tweets 2 min read
売春防止法案の質疑(第24回国会同衆議院法務委員会会議録33号昭和31年5月11日)で、松原一彦政府委員は「性の方面における羞恥を失った者は…人間じゃない。本来性行為は神聖であって男女の性交は神前の誓いから始まっておる」とまで明言しています。このような宗教的思想が立法趣旨となっているのです さらに、売春防止法案の質疑で、松原政府委員は「夫婦といえども、これ〔引用者注:これ=性交と思われます〕をば白日のもとに露出すれば、わいせつなのです。悪魔です。魔道です。決して人とは認めません」と続けます。つまり、悪魔や魔道の防止が立法趣旨です

(発言のURL)
kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102…
Jul 17, 2022 12 tweets 1 min read
これは地方自治法244条2項(&3項)の解釈・運用の問題。泉佐野市民会館事件判決(最判平成7年3月7日)によると「利用の希望が競合する場合」には利用拒否できますが、学生・生徒以外の利用を妨げるという理由だけでは違法の疑いが濃いと思います

図書館で自習はダメ? 論争再燃 sankei.com/article/201602… 上記判決の園部逸夫裁判官の補足意見に照らすと、公の施設の利用拒否については、拒否の根拠となる条例の要件のよっては、その解釈適用について行政裁量を認めるべきとする立場もあり得ます。とはいえ、平等原則など解釈上適用すべき条理により裁量は統制されますので、慎重な運用をすべきです
Jul 15, 2022 5 tweets 1 min read
内閣府設置法が話題。同法4条3項33号は内閣府の所掌事務として「国の儀式並びに内閣の行う儀式…に関する事務」関係を司ると規定しますが、これは行政法学上の組織規範(行政組織法)であって、規制規範や根拠規範ではない。独と同じく重要事項留保説等による侵害留保説(行政実務)の克服が必要でしょうね 重要事項留保説を前提とするとしても、近時、場合によっては組織規範を法律の留保の根拠となりうるものとする見解もみられる(宇賀克也『行政法概説第7版』(有斐閣、2020)35頁)ので、法律の留保の原則の根拠との関係ではやはり根拠規範が必要(ない場合は同原則違反)という見解(同34頁)が妥当でしょうね