墨東公安委員会 Profile picture
鉄道趣味が嵩じて近代日本史の研究者になってしまいました。電鉄や電力、生活文化などの歴史に関心があります。麺類やボードゲームなども好きです。歴史もエロも無修正。普遍なるもの(世界精神のかけら)に敬意を持っていきたいと思っています。
Aug 9, 2024 17 tweets 2 min read
flurry さんからこのようなご指摘をいただいたので、少しばかり感じたことを書いてみます。呉座さんが、ゲームに登場する黒人の侍?をめぐる騒動について発言された、以下の記事です。上下あります。

sankei.com/article/202408…
sankei.com/article/202408…
率直に言って、この後半の記事で呉座さんが述べていることは、極めて歴史学にとって危険で、その存立を揺るがせかねないことです。「間違った歴史認識の修正は国主導で」と見出しにありますが、歴史認識を国家の権力で押し付けることは、学問の自由を損なうものです。大変問題といわざるを得ません。 Image
Jun 18, 2024 11 tweets 2 min read
一昨日あたりからトレンドに「ハイデガー」という随分渋いワードが出ていたのですが、この記事が震源のようです。「ポリコレ」のせいでドイツでハイデガーが読まれなくなっているという、日本では受けそうな内容でしたが、どんなものなんでしょうか。gendai.media/articles/-/131… ちょっと疑問を抱いたので、近代ドイツ思想の専門家でドイツ留学経験もある長谷川晴生さんに伺ってみたところ、そんな話は聞いたことがないし、話を盛っているのではないか、とのご意見でした。ドイツで2021年にハイデガーの伝記が出ているそうで、その書評が以下にあります。
heidegger2017.wixsite.com/mysite
Apr 19, 2024 9 tweets 1 min read
英文学者の北村紗衣先生を、ネット上で長年にわたり執拗に誹謗中傷罵詈雑言をしつづけた、フランス思想やってた元京大院生であった雁琳が、裁判で220万円というかなり高額の賠償を命じられました。当然といえば当然の判決です。北村先生と弁護団の皆さま、お疲れさまでした。mklo.org/archives/1952 この判決は、最近の暇空事件でも問題の、ネットで人を誹謗する→誹謗された人が怒って訴える→「訴えられた!言論弾圧だ!」と被害者ぶってカンパを集める→仮に敗訴しても儲かる、という、人倫に悖るビジネスモデルにも一石を投じた点で重要と思います。カンパ集めが賠償増額につながりました。
Feb 27, 2023 11 tweets 1 min read
安丸良夫(故人なので敬称略)の発見による通俗道徳概念は、日本近代を語る上で必須のものと私も思います。というわけで安丸の著書を何冊か読んだのですが、むしろ江戸時代に通俗道徳が生まれた時は、革新的な思想であったという面もあったといえるのです。 つまり、身分制社会で、生まれで人生がだいたい決まるような社会において、いや勤勉・節約・孝行・等々に励めばもっといい人生が送れるんだよ(励まないと家が没落するよ)という教えは一定、社会の活力を引き出す意義があったと考えられるわけです。
Jan 2, 2023 4 tweets 1 min read
しかも、「伝統的な家庭観」の家庭というのは、近代に作られたに過ぎない近代家族をベースに、それ以前の家父長制への幻想が混ぜ込まれた、歴史上存在したことがない妄想の「家庭」だったりするのです。 その妄想の「家庭」は、「個人主義の西洋」に対する「親族間の愛情ある集団主義の日本」という、これまた実は怪しい世界観を背景に持っていたりします。欧米人の平板な日本観を自分でも内面化してしまう、セルフオリエンタリズムとでもいうべき現象があり、しかもそれが政策に影響しているのです。
Jan 1, 2023 7 tweets 1 min read
すでに指摘も少なからずなされているようですが、信じている人も多いようなので念のため。731部隊は関東軍所属であり、関東軍司令官は天皇直隷なので、いくら満州国を仕切っている内務官僚の岸信介でも、指示を出すことはできません。上司でもなんでもないのです。 明治憲法体制は、誰かが天皇に代わって政治権力を一手に握る「幕府的存在」を作れないように、きわめて分権的な構造をしていました。天皇直属という役職がいくつもあり、例えば各国務大臣も一人一人天皇直属なので、首相は他の大臣をクビにすることができません。今より首相の権限は弱いのです。
Jan 1, 2023 6 tweets 1 min read
有料記事がプレゼントされました!1月2日 22:02まで全文お読みいただけます
低成長で余裕なき社会、生き抜くためのタイパ Z世代あおる大人たち:朝日新聞デジタル digital.asahi.com/articles/ASQDM… 安田峰俊氏のコメントともども、多くの人に伝えたい記事と思い、シェアします。 「すべてが費用対効果に端を発すると思います。いわば「費用対効果社会」です。タイムパフォーマンス重視も視聴前に結末を知りたいという気分も、生産性と効率化を求める大人社会の価値観が子どもや若者に漏れていってしまった結果です。」
Dec 29, 2022 13 tweets 1 min read
学問の自由 骨抜きに〈学術のゆくえ〉隠岐さや香=思索のノート|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト shinmai.co.jp/news/article/C… ぜひ多くの方に読んでいただきたい文章です。 「私が調べる限り、米英独仏の歴史あるアカデミーにおいて、日本政府が望むような第三者推薦の仕組みは見当たらない。未来の会員は学者である現行会員により推薦され選ばれる。自由で民主的といわれている諸国でも、財界人や一般国民が正式に会員推薦を行う仕組みが存在しないのである。……
Oct 29, 2022 26 tweets 3 min read
歴史への権力による恐ろしい圧力、まさに表現の自由・学問の自由が脅かされている事態です。関東大震災における朝鮮人虐殺を取り上げた作品を、都がいちゃもんをつけて都の企画での上映をやめさせました。小池百合子の歴史修正主義が実害を及ぼしています。
buzzfeed.com/jp/kotahatachi… 最近でも朝鮮学校生徒への嫌がらせや、ウトロ放火事件のように、在日朝鮮人へのヘイトクライムは続いています。その悪しき風潮を抑えるべき行政当局が、むしろ積極的に乗っかって俗情と結託しているのは、まさに社会の危機です。マイノリティをいじめる快楽にマジョリティが溺れる社会は、病気です。
Oct 10, 2022 30 tweets 2 min read
この一連のツイートは、日本の歴史学について無茶苦茶な難癖をつけています。それが900以上のRT、1500に近いいいねを集めている状況には、肌に粟が生じる思いです。この徳永氏のツイートの何がおかしくて、どうしてこうなったかについて、私の考えを以下に述べます。 一連のツイートで徳永氏は、日本のアカデミズムは「左翼」が牛耳っていて、「日中関係史の1911-45年は左翼の反日史観だけがあって、実証研究は疎ら」などといいます。いつの時代の話をしているのでしょうか。半世紀以上前なら多少分からなくもないですが、今は21世紀です。
Oct 10, 2022 4 tweets 1 min read
日本軍は天皇を守る軍隊だったし、そもそも軍隊一般は権力を守る存在であって、そのついでに民間人も守ることがある、というに過ぎません。沖縄の日本軍はとりわけ、中国駐屯歴の長い部隊もあって、沖縄を占領地扱いしていたために、住民との関係もしばしば問題を起こしたと聞きます。 しかしより本質的な話をすれば、軍隊が一番熱心に守るのは、実は国家ですらなく、自分自身の存在です。ミャンマーを見ればわかる。国家が軍隊に乗っ取られているのです。軍隊がない国として知られるコスタリカも、権力争いやクーデターを引き起こすので、軍隊を廃止したと聞きます。
Oct 8, 2022 6 tweets 1 min read
社会科学や人文学は、人間や社会が抱えている問題を敏感に察知することが求められます。安倍氏暗殺は、カルト勢力が与党と癒着しているという深刻な問題を明るみに出しました。明らかになった問題に蓋をしたがる精神は、学徒のものではありません。専門家の倫理すら奪う安倍政治的なものの恐ろしさ。 そもそも「国が1つにまとま」っていないのは、安倍政治が分断を煽り、「敵」を拵えて叩くことで身内を固めていたからではないでしょうか。そして後継者たちも、国葬を利用して分断を煽ろうとしました。ご本尊が亡くなっても、同じ手法を利用しようとしたのです。必ずしもうまくいきませんでしたが。
Sep 10, 2022 10 tweets 1 min read
何度も繰り返しますが、私も物心ついて40年近く、安倍晋三ほど不気味なまでに礼賛が盛り上がった政治家は思い当たりません。しかも公然と伝えられる情報からして、安倍晋三は他のどんな政治家に比べても、家柄以外特筆すべきところがあるように思われません。まったく恐ろしい。 ポピュリズムという点では、アメリカのトランプやイギリスのジョンソンも似た点があるとは言えますが、トランプは二期目に失敗し、ジョンソンも非難を受けて政権を投げ出したのと比べると、国民の手によって引導を渡せなかったところ、本邦の状況がもっとも深刻かもしれません。
Sep 9, 2022 8 tweets 1 min read
「何が現実的で、何が現実的ではないかの問題は極めて流動的なはずなのだが、なぜか軍事に関する思考だけは「現実主義」として、特権的に現実的なるものの地位を約束されているような風潮がある。」newsweekjapan.jp/fujisaki/2022/… 本題とは逸れる話なのですが、西ドイツの「東方外交」(東ドイツやソ連と融和する政策)がいまさらロシアを増長させたと牽強付会の因縁付けをしている声があるらしいのですが、それに対して冷戦下で東西激突の正面だった西ドイツにとっては、融和策こそ現実的と論じたところが印象的です。
Sep 8, 2022 4 tweets 1 min read
まったく酷い話ですが、決して特殊な例ではなく、日本の「おっさん」にありがちな話でもあるように思われます。おっさんがおっさんであるだけで気持ちよく女子供に威張れる権利が最優先という、家父長制と呼ぶのもはばかられる何かです。 「家父長制と呼ぶのも憚られる何か」というのは、本来の家父長制は権力のある代わりに弱者保護などの義務や責任もあるのに、偉い人は偉いからいっそうチヤホヤしてもらえるという甘ったれた何かです。これを長谷川晴生さんは「こどおじ家父長制」と呼びました。
Feb 16, 2022 26 tweets 2 min read
呉座さん、この期に及んで誰を何で訴えるんでしょう。なんだか自分で自分をネットの玩具にしてしまっているようで、残念でなりません。 私は何度か呉座勇一さんの起こした事件について存念をネットで述べ、また多少の言論活動や学会活動も行いましたが、ずっと思っていることは、呉座さんの問題は何よりも、ネットにおける「クラスタ」の問題であるということです。オープンレターに賛同したのもそれ故に他なりません。
Jan 27, 2022 4 tweets 1 min read
小学校でのご経験の証言、ありがとうございます。これは古い鉄道史の本では、外国人技師ではなく、仙石貢という鉄道技術者のやったこととされています。それがいつの間にか外国人になっているのが興味深いです。 しかし仙石貢が地図に定規で線を引いて中央線が直線になった、というのも、現在では伝説と考えられています。というのも、その甲武鉄道の計画は、もともと甲州街道沿いではなく、玉川上水のルートを想定しており、甲州街道の宿場とは関係がないのです(だから後年、京王電軌ができた)。
Jan 27, 2022 11 tweets 1 min read
集落をきれいに真っ二つにしている線路もちょっと不思議ですが、私はそれ以上に、手前に分かれる線路が本線に対し急曲線すぎるのに違和感を感じました。路面電車とかならまだしも、汽車鉄道でこれはちょっと変では。 ロシアでは鉄道を引く際に、皇帝が地図に定規を当てて線を引き、その通りに建設されたという伝説があります。日本ではそこまで極端な例は…と思ったけど、集落の中どころか、屋敷の中庭を問答無用で貫通して、長屋門から母屋に行く間に踏切ができた家というのは実在したな。
cyzo.com/2013/03/post_1…
Sep 27, 2021 17 tweets 2 min read
「批評という行為は値段をつけるための行為である」
…さすがに絶句しました。批評を忘れ、作品の評価を金銭でしかできないコンテンツ受容の貧困さ。それこそ「表現の自由戦士」と揶揄されるような人々の問題点とかねてから私が指摘しているものですが、ここまで見事に実証されても嬉しくはないです。 この方はサークルを主宰されているそうで、固定ツイートを見ると同人誌を発行しておられるようです。であれば、自分の出したものへの反響があることの喜びは分かりそうなものですし、無視されるのは批判されるより悲しいということも想像がつきそうなものですが。
Sep 26, 2021 4 tweets 1 min read
この人とか、私について「有村悠氏を見捨てた」と触れて回っている徒輩、おそらくは「表現の自由戦士」がいますが、それこそ彼らの0か100かしかない浅薄な人間観をよく表している表現だなあと思います。自我の境界がとろけるほどの仲間と、全否定する敵しかいない。 有村悠氏と私は、大学で近所にいた奇縁があり、また氏の独特の境地に私は惹かれるものがあり、ネット上で意見を時折拝見しています。幸い氏も私の発言を時折チェックしてくださるようです。一度お会いもしました。ですが共同して何かをやる、というような関係ではありません。
Sep 25, 2021 34 tweets 3 min read
エゴサしてたらこんなツイートが見つかって目が点になりました。私は今日にいたるまで、今月いろいろ騒動になった松戸の VTuber の件について「何も発言していません」。それは twilog でも検索すればすぐ分かることなのに、いったいこの人は何を見たのか。
思わずアーカイヴしてしまいましたが、まあその、「表現の自由を守る」と称してネット上で騒ぎまわっている徒輩が、表現物をまともに読解し鑑賞する能力を欠いているという喜劇的な光景は、残念ながらまま見られることではあります。
archive.is/SIj0h