桜野邦子 Profile picture
子供の頃から本の虫でした。でも読書感想文を書くのはとても嫌いでした。でも、こんな面白いことが書いてあったよ、とはいいたいのです。それでほとんどは読んだ本の抜粋をツイートしています。
May 27, 2021 6 tweets 1 min read
「坂の上の雲、日英同盟の苛烈なロジック」中西輝政著‥『坂の上の雲』は日露戦争の本質について論じているとは到底言えない。戦争となれば相手のあることであり、とりわけ20世紀の戦争は国際関係のダイナミクスにこそ、より深い本質がある。それゆえ戦争について考えるとき、「この国のかたち」(続) (続き)に集中する「一国史観」ほど危ういものはないからである。だか日本人は国際史観が大変苦手なのである。戦後の日本人はとりわけそうである。司馬遼太郎という作家は世代的には「戦中派」だが、知識人としては、やはり戦後知識人の一つの典型だったように見える。
May 23, 2021 20 tweets 1 min read
「ケニアが、日本企業や日本人社員に税金の支払いから免除する特別措置法」といううれしいニュースをスマホで読んで、「中国が喰いモノにするアフリカを日本が救う」ムウェテ・ムルアカ著を思い出して読み返した。 著者は2005年に日本国籍を取得。鈴木宗男の私設秘書だった人。コンゴ民主共和国出身。
Jan 3, 2021 4 tweets 1 min read
1964年製作の『ローマ帝国の滅亡』と2000年製作の『グラディエーター』に関する「ローマ人の物語」‥2作とも息子コモドゥスを皇帝失格者と見た賢帝マルクス・アウレリウスが、部下の将の一人を後継者にしようとしているのに気づいたコモドゥスが、先手を打って父親を殺した、一本目ではその意を(続く) (続き)汲んだ侍医が殺したことになっている。では、なぜ哲人皇帝マルクス・アウレリウスが、皇帝には不適格とわかっていながらも息子を後継者にしたのか。五賢帝時代、皇帝が最適の人材と判断した者を養子に迎えるやり方で、後継者に指名する方式が継承された。それは四人が息子を持っていなかった(続
Jan 3, 2021 7 tweets 1 min read
エリザベス・テーラーの「クレオパトラ」を初めてDVDで見た。塩野七生の「ローマ人の物語」を読んでいたからオクタヴィアヌスが戦場へ行くた度にテントの中で横になっているのも体が弱いからだとわかる。世界史の教科書程度しか知識がない場合よりずっと楽しめたと思う。見た後「ローマ人の物語」(続 (続き)の「アントニウスとクレオパトラ対オクタヴィアヌス」という章を読み直すと非常におもしろかった。‥統治者は神でもなければならないエジプトの王位に、ローマ人では就けるわけもなく、また就かないほうが、エジプトの安定にとってもローマ人の反応を考えても妥当な策なのであった。(続く)
Jan 2, 2021 5 tweets 1 min read
「天皇家百五十年の戦い」江崎道朗著‥国王や一部の特権階級のための政治ではなく、公、すべての人民のための政治を「リパブリック」と呼ぶのだとするならば、その訳語は日本の場合、「君民共治」こそ相応しいと、中江兆民は指摘したのだ。 名前が正しくないと、大勢の善良な人々が惑わされて混乱してしまう。だから「レスピュブリカー」の訳語として「共和制」ではなく、「君民共治」の語を用いることにする、と兆民は言うのである。‥中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国の人達も惑わされて混乱していると思う。
Sep 29, 2020 8 tweets 1 min read
「日露戦争もうひとつの「物語」」長山靖生著…当時の日本未来記には、日本の敗戦を描いたものが少なくなかった。明治35年に刊行された平田骨仙の『帝国海軍の危機』もそのひとつ。この小説が書かれた理由は、日本の準備不足をひろく訴え、海軍力増強を呼びかけるため。それに比して、大正末期から(続 (続き)昭和初期にかけて書かれた日米未来戦記は、日本が勝利する話がほとんどだった。当時は当局の干渉が厳しくなっており、例えそれが愛国的な警告を目的にしたものであっても、日本の敗戦を描くのは禁忌となっていた。
Sep 28, 2020 5 tweets 1 min read
「経済で読み解く日本史明治時代」上念司著…《日朝修好条規》これは歴史教科書では不平等条約だったと言われている。しかし、その理由は1871年に清国との間で締結した日清修好条規が完全なる平等な条約だったことに起因する。朝鮮は清国の属国であるにもかかわらず、清国と同等の平等な条約を(続く) (続き)日本と結んだら清国のメンツは丸つぶれ。宗主国である清国と対等である日本は、当然朝鮮よりは上でなければならないのだ。結果として日朝間の条約が不平等になるのは仕方のないことだった。
Sep 27, 2020 6 tweets 1 min read
「経済で読み解く日本史大正・昭和時代」上念司著…《なぜ日本が大東亜戦争へと向かったのか》大東亜戦争の発端は日露戦争の戦後処理にあった。戦争に協力してくれた英米との約束を反故にして、満州の権益を日本が独占しようとしたから。なぜそんな愚かなことをしたのか?日露戦争の戦費調達(続く) (続き)による増税と財政支出削減で疲労困憊していた当時の日本人は、ポーツマス条約の内容に激怒した。民衆の怒りに恐れをなした政府は満州の権益を英米と分け合うとは言えなかった。極めて近視眼的、大衆迎合的な政策決定が行われたのである。
Sep 25, 2020 4 tweets 1 min read
「検証検察庁の近現代史」倉本満著…田母神選対の実態は、M島、S本、S木、I井の4人が取り仕切っていた。選挙終了後、選対本部長のM島は、田母神の政治資金団体の口座に残った金をM島が主催する団体名義の別口座に移すことを提案したが、田母神はそれを断った。その後、田母神の名の下に集まった(続く (続き)政治資金に関し5000万円近い使途不明金があることが発覚し、田母神はS木会計責任者に対する内部調査を進めた。その際の相談相手がM島である。ところがM島は、インターネットの動画で田母神を横領犯であるかのごとく悪宣伝するのみならず、東京地検に告発した。使途不明金の大半は、会計責任者(続
Sep 17, 2020 5 tweets 1 min read
「アメリカ大統領史100の真実と嘘」八幡和郎著…アメリカを見習って文明開化を進めた日本には親近感を持つが、誇りだけ高い中国はかわいくないと辛亥革命以前のアメリカ人は思っていました。ところが、辛亥革命で共和国になってからは、けなげに頑張っているので助けたいという気持ちが出てきました。 (続き)キリスト教が中国では多くの信者を獲得したことも好感度を上げ、中国のことを「シスターカントリー」だという意識も生まれました。…日中が対立するとき、アメリカは原則論としては中国の主張を支持するような言い方をしつつ、日本の権益は尊重すると留保するような言い方をするのが常でしたが
Sep 17, 2020 5 tweets 1 min read
「「反日」異常事態」シンシアリー著…韓国はそのヘイトにおいて、いつも「韓国は反日ではない」と主張します。これは特に元慰安婦たちがよく主張することですが、「私たちは、日本、特に日本の若い世代を正しく導くためにやっている」と言います。外国からの評判を極度に気にするので(続く) (続き)「韓国は日本を憎んでいる」と思われることを、すごく気にしています。「日本国民の精神を拷問して、日本が自ら謝罪したり賠償したりするのは『愛国』だけど、拷問の証拠を残すのは国への迷惑になる。そんなものは『愛国』ではない」。よって、韓国は、自分達が反日だとは絶対に認めません。
Sep 14, 2020 7 tweets 1 min read
「中国に世界は激怒している」 《中国に蹂躙されたオーストラリア》奥山真司…天安門事件が起こったときオーストラリアの首相だったボブ・ホークは、同国内に滞在していた中国人留学生に「母国に強制送還することはしない」と涙ながらに告げた。そしてこの決断によって、結果的に4万2千人の(続く) (続き)中国人たちが永住権を獲得することになり、彼らの親族も含めて、合計1万人ほどの中国系移民が突然誕生することになった。つまり天安門事件が、オーストラリアでの中国系を増やすことにつながり、逆にそこに滞在する中国系が北京にとって操作しやすい「駒」となる土壌が出来上がったのだ。
Aug 29, 2020 4 tweets 1 min read
「革命と戦争のクラシック音楽史」片山杜秀著…モーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』の中のアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」は、軍隊に入る人を見送る歌。もう花から花へと飛んで回ることもできないぞとか、軍隊生活で味わうだろう苦難とか、軍人に名誉はあるが給料は安いという歌詞。まるで軍歌。 プロイセンの軍隊が強くてハプスブルク帝国の軍隊が弱かった理由の一つは多民族国家で言語の統一を欠いたから。それでヨーゼフ二世は、ドイツ語を推奨した。ゆえにモーツァルトのオペラも『フィガロの結婚』や『ドン・ジョバンニ』はイタリア語だが、『後宮からの誘拐』と『魔笛』はドイツ語。
Aug 29, 2020 4 tweets 1 min read
「美術展の不都合な真実」古賀太著…日本の国宝が海外に出るのに、借用料などもらった話は聞いたことがない。通常は借りる側が持つのが当然の輸送費などまで国際交流基金が負担している。マスコミが「○○美術館展」を開いて、海外の有名美術館・博物館に資金を注ぎ込む。そしてそれらの館が(続く) (続き)日本美術展を開こうとすると、国際交流基金がお金を出してくれる。日本は両方の意味で世界の美術館にとって永遠に「金づる」でしかない。…ここでも土下座外交。税金の無駄遣い。
Aug 24, 2020 4 tweets 1 min read
「もし、日本が中国に勝っていたら」趙無眠著…孫中山が反清朝の革命を起こした当初、彼は自らの行動を「造反」と呼んでいたのだが、陳少白がある日、日本の新聞を手に孫中山を訪ね、そこに「支那革命党孫文」と書かれているのを見せると、孫中山は手を打って喜び、「良いな、これは良いぞ。(続く) (続き)いまから『造反』という言葉は使わず『革命』と呼ぼう」と語ったことから、以後ずっと「革命」が使われるようになったのである。「日本人のための世界史」宮脇淳子著…「レボリューション」はもともと「回転」や「周期」という意味で横に転がってもとに戻ることを指し、その主体は人間。(続)
Aug 11, 2020 5 tweets 1 min read
「日弁連の正体」ケント・ギルバート著…日弁連の最大の敵は「日本国」。日弁連が守りたい人権とは「日本の国家権力の被害者の人権」。だから死刑囚や刑事被告人は擁護する。犯罪被害者とその家族は、日本国の被害者ではないので対象外。元慰安婦とされる人々も「日本国の被害者」だから大事にする。続 (続き)ベトナム戦争におけるベトナム人被害者や韓国軍慰安婦は、日本国と対立している韓国政府に配慮して、見ないフリ。北朝鮮による拉致被害者は、北朝鮮が日本国と対立している国家だから、見ないフリ。北朝鮮のミサイル実験や核実験も見ないフリ。
Aug 6, 2020 6 tweets 1 min read
「日弁連という病」ケント・ギルバート、北村晴男著…今後、徴用工を「forced laborers (強制された労働者)」ではなく「wartime laborers(戦時中の労働者)」と表現する。慰安婦については「women who were forced to provide sex for Japanese troops(日本の軍隊に性行為を強制された女性たち)」(続く) (続き)としてきた説明を変え、「women who worked in wartime brothels,including those who did so against their will,to provide sex to Japanese soldiers(意思に反してそうした者も含め、戦時中の娼館で日本兵に性行為を提供するために働いた女性たち)」との表現にすると、ジャパンタイムズは(続
Aug 6, 2020 4 tweets 1 min read
「法服の王国」黒木亮著…わたしは終戦まで佐世保におりました。佐世保鎮守府の軍法会議は鹿児島も統括しているので、鹿児島の出水の特攻基地にも行きましたが、そこからたくさん特攻機が出撃しているわけです。航空隊員はみな非常にすさんでいました。民間人と喧嘩して、殺したりしている。(続く) (続き)それで、犯人の隊員を軍法会議に引き渡すよう求めに行ったんです。そうしたら隊長がなんといったか?『特攻隊員が悪いことをした、人を殺したんだから、軍法会議にかけられるのは仕方がない。けれども、法務官がその男を引っぱっていくんなら代わりの者を連れてきてくれ』と、こういうわけです。
Jul 30, 2020 4 tweets 1 min read
「百貨店・デパート興亡史」梅咲恵司著…1852年にパリで「ル・ボン・マルシェ」という世界初のデパートをブシコー夫妻が開いた。「入店自由」「定価販売」「現金販売」「薄利多売」「返品自由」という販売方法だった。しかし、日本ではそれより200年も早い江戸時代の呉服店がこんなシステムだった。 百貨店の1階に化粧品売場があるわけは、①華がある②女性客を引き寄せ、さらに上の階へ誘導していく③化粧品売場を上の階に設置すると、下の階に香りが移動してしまう。また、1階だと空気が換気されて香りが充満しにくい。
Jul 17, 2020 6 tweets 1 min read
「それでも生きる国際協力リアル教室」石井光太著…発展途上国に生きる栄養失調の子供は、痩せこけて、お腹だけが風船のように膨らんでいる。それは、蛋白質が不足すると血液に含まれている水分が血管の外に漏れて、お腹のなかに満ちてパンパンに膨れてしまうから。 日本の低体重児の出生率は周辺国より高くて10%(北朝鮮6%、モンゴル5%、韓国、中国4%)。ここ40年で約倍増している。これは日本人女性が痩せすぎだから。それは世界の最貧国であるラオスと同じくらい。それでも日本で問題になっていないのは、低体重児がしっかりとケアを受けられているから。
Jul 10, 2020 4 tweets 1 min read
「社長争奪」有森隆著…野村HDはリーマンを買収した。「会社を買収したというより、人材を買った」と言っていた。しかし、リーマンに所属していた超一流の人材は、リーマンが経営破綻する前に欧米の同業他社に移っていた。野村が手にいれたのは、人材と呼べるほどのプロではなかったのだ。(続く) (続き)海外のM&Aで会社を買うのも難しいが、人を買うのはもっと難しいことに野村のトップ二人は気付いていなかった。ニューヨークのオフィスビルを日本企業に売る際には、日本で知られている企業に無料でビルに入居してもらったりして、オフィスがフル稼働しているように取り繕う業者が暗躍する(続