巫俊(ふしゅん) Profile picture
中国古代史を専攻していました。
Jan 3 7 tweets 2 min read
鳴門海峡の激流に耐えた鯛が、骨折を重ねて成長した証として知られ、こうした膨らんだ骨が「鳴門骨」と呼ばれますが、論文をまとめたブログによると、骨折は通説だとされ、血管棘及び神経棘に形成される「良性の骨腫」と指摘する論文が出てて、つまり環境に加えて遺伝要因がある魚の良性腫瘍らしいとか これは勉強になりました。参考にした以下のブログに、論文へのリンクもありました。

リンク

ameblo.jp/husakasago/ent…
Jul 13, 2024 8 tweets 2 min read
「日本最古の西洋ブドウ」と言われ、平安時代から栽培されてるとされるのが、「甲州」と呼ばれる山梨県の白ブドウです。柑橘やナシの香りがして、さっぱりとしてフレッシュな味わいですが、その「ゲノム」(遺伝子)が解析され、カスピ海南岸に起源があるイランのブドウに由来することが分かりました。 Image 西洋ブドウは高温多湿に弱く、日本では明治時代に露地栽培を開始しますが、導入に失敗してます。2013年現在の統計でも、西洋ブドウの国内栽培面積は、ワインにして海外に輸出する「甲州」を含めても、6パーセントに過ぎません。日本の大多数のブドウは、北米原産種や北米・西洋の交配種の雑種です。 Image
Mar 10, 2024 8 tweets 1 min read
このことからすると、武御雷とかスサノオとか、綏靖天皇とか、三輪山の雷の雷とか、菅原道真とドラゴンボールの孫悟空は同体で、スーパーサイヤ人=ヘビ(サル)の雷神にあたる可能性が浮かび上がります。『宇治拾遺物語』の「猿神退治」の猿はヤマタノオロチの置き換えだし、弥生時代の銅鐸にも猿がいて 季節が循環するときに、戦う「武人」が何かを打倒するなど活躍して、世界が再生に向かう=春が来る神話が、神戸市から出土した桜ヶ丘銅鐸などに描かれてます。オロチ的なヘビの怪物を打倒すると、春が来る神話が描かれるはずの場所に、意味深な感じでサルが描かれてるのですが、
Feb 19, 2024 7 tweets 1 min read
一瞬、天の岩戸隠れと関係ある?と思って、ギクリとしました。「天の岩戸」は雲である可能性が、ある万葉歌から示唆されます。 「天の岩戸」が雲だとすると、これはちょっと驚愕する話なのですが、天文学的現象の「日食」(日蝕)が起こった時、弥生時代の日本神話では、「世界の終わり」がやって来るので、太陽の「光」が「闇」に喰われ始めるのですが、その時、「岩戸」を形成していた雲が割けて開いて
Jan 13, 2024 7 tweets 1 min read
人間は、死ぬと、ウジが溢れ出てきて「動き回る」ので、ある意味で言えば、静的状態として「死んでる」かは分からない状態でした。出雲市の中村1号墳では、被葬者の足の骨が、埋葬されてから10年ほど経過してから、抜き取られて動かされてまして、「死者の運動機能を阻害」したものだとされてます。 「神話においてヨモツヘグイを行ったイザナミがイザナギを追走したように,黄泉国での飲食後も死者はなお生者に危害を加える力を持っていたことから,死者の運動機能を阻害して追走しないように脚の骨を動かしたと考えた」と、その中村1号墳を発掘した考古学者の報告書の中に解釈の記述がありました。
Jan 13, 2024 14 tweets 1 min read
「穢れ」の正体は【過剰な生命力】(エントロピー)でした。日本列島には「洪水神話」が無く、洪水の後の世界から始まり、ヤマタノオロチ的なものと戦って、湖と化した盆地を「排水」する神話があった訳ですが、遺体を水で洗って清める「洗骨葬」や、罪を川から海に流す神社の祝詞「大祓詞」の存在から、 【過剰な生命力】を処理して、「平常」な存続可能な状態に戻すには、「流す」くらいしかできることが無かったのです。渡来系弥生人は、縄文系在来人がいる山を避けて微高地・湿地に住み着いたとされ、溝を掘る「排水」は生きるために必要な作業でした。水田を作ったり、集落を水から守るために。
Nov 26, 2023 10 tweets 1 min read
やっぱり、全体像が見えないまま、相互作用で組み上がってる世界を見ないまま、個別に研究されてる「歴史」や関連の分野って、違和感があります。 マイクロバイオームの研究の本読んでても、個別の研究成果が細部で目覚ましく繰り広げられてる上で、相互作用してるものを統合して認識しようと、適切な変換方法を探してるように見えるので、個別の研究視覚や方法論を「深化」させるだけじゃ、見えてこない世界があります。
Nov 26, 2023 6 tweets 1 min read
人体の表面・内部には、おおよそ2千万個の遺伝子が存在するが、そのうち、人間のヒトゲノムはたった2万個で、残りは微生物(細菌)の遺伝子だとのことです。その遺伝子は、自身のタンパク質の翻訳や転写にいそしんでて、人体は微生物にまみれてる。その均衡が崩れたときに初めて病原性が生じるとか。 Image 本書によると、人体の細胞と人体に棲む膨大な数の微生物の相互作用/共進化で、人体の中の自然な生態系(人体は自身の生態系で成り立ってる「生態系」そのもの)が維持されていて、それが崩れると病気になるとあります。
Nov 18, 2023 18 tweets 1 min read
朝鮮半島における『三国史記』が記す高句麗時代の地名(平壌とソウルの中間地域)には、「濊語」(わいご)とされる言語の地名が音・意味の両方で記述されており、東京大学教授で『韓国語音韻史の探求』(2013年出版)の著者・福井玲氏は、この濊語が日本語系統言語だと指摘しています。 朝鮮半島の歴史書『三国史記』は、この地域の先住民として「濊」(わい)を挙げており、また、「濊」と呼ばれる人たちは朝鮮半島東南部の新羅の近くにもいたことが、晋代の印の出土で確認されてるとのことで、少なくとも朝鮮半島の南側に分布する濊の中には、日本語系統言語集団がいた可能性があります
Nov 18, 2023 5 tweets 1 min read
「倭」という言葉は、古くは大陸側の集団を指す言葉(「濊」とも表記)でしたが、現代日本人の大多数の祖先にあたることが遺伝学で確認された「遼寧地域」の集団が海民になり、海を移動して沿岸各地を経由しながら、日本列島に来て渡来系弥生人になりました。その言語が日本語の元になったものでした。 Image ただ、それは、内側に閉じた海(黄海沿岸)を行き来し、大陸における「鉄器時代が始まる頃の変化」から取り残された人たちでした。黄海は青銅器・鉄器の起源にあたるユーラシア西方から最も遠くに位置してるため、そこにいた集団は文明の発達から取り残されました。 Image
Nov 18, 2023 6 tweets 1 min read
先秦時代の大陸側の「倭人」集団は、入れ墨をしてた可能性があります。『楚辞』や『戦国策』に、歯を黒くし、顔に入れ墨を彫った「黒歯雕題」の人たちが出てきます。台湾と沖縄の間の先史時代の交流が限定的だったので、南から来たと思ってた要素は、実は山東半島の稲作地域から北回りで来てるようです Image 『楚辞』では長江流域の楚国周辺に「黒歯雕題」を求める訳ですが、「大呉の国」だともされ、中国東南の呉・越の付近だと見られてたこともあったようです。そのため、「倭人」集団に限らず、歯を黒くすることや、顔に入れ墨をすることは普遍的に存在したのかもしれません。
Nov 17, 2023 7 tweets 1 min read
中国側が認識してた大陸側の集団が「倭」(入れ墨をした人たちを指す)で、それが海の向こうの島にいた人たちをも指すように拡張された結果、北部九州の奴国が倭国の「極南界」と記述されるようになりました。 『後漢書』が成立した段階では、「倭国」という国領域として整理されてるけど、それは後からまとまっていった情報です。『呂氏春秋』や『山海経』などの先秦時代の文献は、「倭」や「濊」と呼ばれた人たちが大陸側にいたことを記述し、そこから沖縄まで続く航路の記述が出てきます。
Nov 16, 2023 7 tweets 1 min read
@Youken1316 @cicada3301_kig 「中国人」というのは、存在するのか?というところに進むと、更に深みが増しそうです。そもそも、燕自体、西周史の研究者は「冒姓」の諸侯国だとし、周と同系の姫姓を名乗る「何か」でした。戦国時期の燕の隣の中山国は「狄」が建国した国家です。燕は西周の盛時には西周王朝の拠点でしたが、 @Youken1316 @cicada3301_kig 「燕」は、周との連絡が絶え、連続性を失った後になってから、姫姓の国として「復帰」した歴史があります。そうした間、黄河周辺の衛国やケイ国は狄王の侵攻を受け、滅んだこともありました。
Nov 12, 2023 7 tweets 1 min read
アワシマ信仰は、漁村に限らず性的に放逸だった社会では、性行為とも深く結びついてて、井原西鶴などは男性が出漁中、女性は娘から人妻まで売春してたとし、そうした女性を淡島大明神に例えているが、女性器をアワシマと呼ぶとする江戸時代の文献もあり、東北地方では今もアワシマは女性器の隠語だとか Image そうかと思えば、「淡島の龍女」とされ、苦悩する龍女(悪の存在)を男が法華経で救う神話伝説パターンにもなってて、そちらも江戸時代にはよく知られてたとのこと。こうした龍女の伝説は、琵琶湖の竹生島だとか各地にありますが、その古いものは『肥前国風土記』の松浦佐用姫の伝説から来てるので、
Oct 18, 2023 4 tweets 1 min read
草壁皇子が亡くなった時に、柿本人麻呂の作った歌。皇子は死後、天の原の石門を開けて、神になる。

天の原 石門(いわと)を開き 神上がり 上りいましぬ
(『万葉集』巻二)

あっ…と思ったのですが、天の岩戸って、もしかしなくても「雲」なのでは?雲を開くのは、楯築墳丘墓の神話と同じですし。 ヤマタノオロチの胎内から出てきた三種の神器の「天叢雲剣」も、「雲を開く」ことで何かが「再生」する仕組みだった先史時代の神話表現が継承されてます。日本の天皇の起源は、この岡山県の楯築墳丘墓にある訳ですが、「雷神のヘビ」を線刻した白い雲(出土弧帯文石)が割れると、被葬者が神に再生します Image
May 15, 2023 5 tweets 1 min read
この松村一男氏の示してる神話を、最近の印欧語族神話の研究で示唆されてる女性本位の神話に直して、カムムスヒや瀬織津姫などの「水を流す女神」と比較し、ヒルコのモチーフなどに目を配りつつ、生まれてくる皇子が蛇を打倒する話を復元しないといけないです。これが本当に興味深い話でして。 ケルト神話ではこれが「知識の鮭」の神話で、イランのゾロアスター教の教典『アヴェスタ』ではウォルカシャ海にいる知識ある魚「カラ魚」の神話になってますが、不死=知性という特徴があり、日本では人魚の肉を食べて不死になり、知識を伝えた八百比丘尼の伝説を形成することになりました。
May 15, 2023 5 tweets 1 min read
駒沢大学がネットで公開してる論文に「高僧伝の注釈的研究 (Ⅲ)」があったので、引用元のご教示が気になって開けたのですが、三国呉の皇帝・孫皓は、仏像におしっこをかけて楽しんでたそうです。そういう話になってました。 糞尿と意訳されてるので、おしっこだけとは限りませんが、孫皓の陰部が腫れてきたので絶叫し、仏に帰依を勧められたとか、しばらくしたら痛みがおさまってきたとか、仏教的故事の解釈からは逸脱しますが、性病っぽくもありますね。梅毒は大航海時代の病気だったはずなので、そういうのあるか不明ですが
May 15, 2023 14 tweets 1 min read
印欧語族の古層の神話を伝えるゾロアスター教の教典『アヴェスタ』のヤシュト第5章には、水の女神アナーヒターが水の生き物ビーバーの衣をまとってるとあるけど、日本神話では川の女神瀬織津姫にあたるのはカワウソだったはずです。
海の果てのウォルカシャ海に光輪が鳥になって飛んでいく(王の衰弱を示す)のは、ヤマトタケルの魂が鳥になって大海の向こうに去ったのと同じだし、川の水を海に流す水の女神は、海の果てに去っていった日没した太陽を妊娠する水中/地中の女神のことでもあります。このモチーフは日本神話と一致します
May 15, 2023 4 tweets 1 min read
オスマントルコは西欧側による他称に由来し、オスマン帝国はトルコ人の帝国では無かったので、「オスマン帝国」と呼ぶ。そうした知識が講談社選書メチエの本で示されてた頃、中国史ではそれとは逆の方向性にあたる「拓跋(たくばつ)国家」が論じられてて、こうした風の「ねじれ」がありました。 最近では、「拓跋国家」の見立ての強引な部分が指摘されてるようですけど、そうした視点の研究が盛んな頃に、個人的に疑問を感じたと言っても、「概説書にそう書いてあるよ」と言われたら、それ以上のことは話せませんし、同じ疑問を感じてる人を探すしか無かったはずです。
May 15, 2023 4 tweets 1 min read
南西アフリカのコイサン系狩猟民の、白内障で目が見えなくなってきた老人は、私たちの社会で「個人の想像」とか「妄想」と呼ばれる、脳裏に浮かんできた物語を「歴史」(歴史と本に書かれてるけど、翻訳概念なので原語不明)と呼んでるらしいのですが、 AIが話す夢幻を見ながら話してるみたいな話も、それとたいして違わないと言えば別に違わなくて、ただ、AIの学習した似たり寄ったりの内容をそのままツイートするとか、レポートにする生活をすることには疑問がある訳です。
May 15, 2023 5 tweets 1 min read
「徳川家康は今川義元の人質では無かった」説も、新しい同時代史料の研究が示した今川の御一家衆の一員としての家康の姿そのものが、古代ローマやモンゴル帝国の「人質」概念から理解できる訳でして、研究が進んで分かったすぐれた解釈に歴史用語の更新が追い付いていない気がします。 「徳川史観」で検索したら、徳川家康とか豊臣秀頼の研究の本の「主な内容」の紹介に、「徳川史観」を覆す云々とあり、「ええっ……」となってます。これ、そういう言葉選びは変だと感じてる私が、「この人は、最先端の研究姿勢のことを、何故、変だと思ってるんだろう?」と思われるってことですよね?