松尾 豪 Profile picture
発電・小売電気事業者、コンサルティング会社を経て、現在はとある事業会社で事業開発と海外電力市場・制度調査を担当。コメントの太宗は備忘録。発言は総て個人的な見解であり、所属組織の意向を表したものではありません。SNS上での議論は苦手です。CIGRE会員、電気学会正員、公益事業学会会員
11 Mar
今後、洋上風力が大量導入された場合、冬季に当初予測よりもVRE出力が得られず、需要期を通じて燃料不足に陥ることでkWh不足に直面する事態が増加する可能性があると考えられる。
今冬、欧州では風力出力が得られない日が多く、英国の電力取引市場では史上最高価格を記録した。
先日も、面的なkWh不足に直面した際に必要な供給力を提供する手段として、容量市場に加えて戦略的予備力の必要性に触れた。
他方で、予備力となりうる有望な火力電源は石油火力しかないのではないか。(SC以下の老朽石炭も期待できるのではないかと考えていたが、
石炭は放置すると自然発火するリスクがあり、一筋縄ではないかないとの指摘を受けました。)
しかし、実は日本には有望だと考えられる電源がある。非稼働原子力である。燃料装荷に時間がかかることから緊急稼働は難しいが、今後のVREによる供給力確保の不確実性増大を考えると、
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23 Feb
民主化とアナーキズムは紙一重。アセットや情報が分散するならば、秩序維持・効率化の観点から集権化・集約化されていく。一時期流行った「エネルギーの民主化」といったトレンドにも言えることではないだろうか。P2Pも一歩間違えると無秩序状態に陥る。電力はおそらく、民主化とアナーキズムの矛盾に
一番最初に直面する産業なのではないだろうか。電力システムの物理的制約が大きいためである。低低託送を活用したP2Pに現実味が感じられないのは、その物理的限界にどのように対処するのか、解がないためである。結局、中央管理者が定めたルールや監視の下、運用せざるを得ない。
他方で、そのような
制約・ハードルがあるからこそ、世界のイノベーターなる技術者は、エネルギーの民主化に挑戦し続けているのかもしれない。但し、これは常に資金調達との戦いであり、事業CFとは無縁の世界である。その線引きをしっかりしないと、中途半端な状態で事業進出せざるを得なくなり、経営戦略がぶれ、
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23 Feb
この故瀧本先生のコメントだが、再生可能エネルギーにも同じことが言えると思う。民主化や分散化の幻想が生まれるが、結局は資本集約になると認識。
現在、活況を呈している太陽光セカンダリ案件も然り、今後の洋上風力導入も然り。
特にデータセンターの電力需要拡大と再エネの必要性を鑑みると、資本集約の傾向は今後色濃くなっていくのだろう。

参考: jst.go.jp/lcs/pdf/fy2018…
情報化社会の進展に伴って、従来の予想を超える膨大なデータが取り扱われるようになり、この傾向は今後も拡大すると考えられる。
(中略) 世界の情報量(IPトラフィック)は 2030 年には現在の30倍以上、2050 年には 4,000 倍に達すると予想され、現在の技術のまま、まったく省エネルギー対策がなされないと仮定すると、情報関連だけで 2030年には年間 42PWh、2050 年には 5,000PWh と、現在の世界の消費電力の約 24PWh を大き
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15 Jan
あまり舞台裏をお話しするポリシーではないのですが、必要な情報をこの場で提供する必要があるのだろうと考え、私がヒアリングできている情報を共有させていただきます。(エビデンスがないことは申し訳ない)
・現在、石油火力に足りていないのは内航船です。C重油や製油所自体は余裕がある状況と
理解しております。
・2015-16年頃、石油販社による電力会社向け重油供給体制の維持が限界を迎えており、各方面から悲鳴が聞こえてきておりました。
・2017年頃から石油販社はかなり流通体制を縮小しており、結果として石油火力の出力不足といった事態を招いていると理解しています。
(舞台裏は
ここまで。)
さて、2016年12月16日に開催された第4回電力システム改革貫徹のための政策小委員会において、東亜石油株式会社代表取締役社長・昭和シェル石油株式会社顧問の玉井裕人オブザーバーは以下の通りコメントしています。
「すみません、ちょっと私石油会社ということもありまして、
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14 Jan
このロイター記事は大変勉強になる。
reuters.com/article/us-asi…

エネルギー危機には4つの要素がある。
①需要の急増により、供給予備力を稼働させ、燃料の在庫を使用してしまう
②増大をするリスクを認識できず、即座に対策を講じることができない
③潜在的な供給力不足を、現実の供給力不足に変える切っ掛けとなる短期的なイベントが発生する
④供給力不足が顕在化、事業者はパニックに陥り、大げさに反応する

今回の北東アジアのエネルギー危機は、1946-47年に英国を、1973-74年に米国を襲ったエネルギー危機の特徴と似ている。
3つの危機に共通する点は、異常気象や燃料供給の途絶がエネルギー不足を顕在化させたが、即座に対応しなかったことで危機を招いた点である。今回のエネルギー危機も10月頭にパキスタンの石油大臣が12月-1月に大規模なガス不足に陥る可能性があると警告していた。
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8 Jan
日本でも英国でも需給逼迫時に再エネが供給力として貢献していない事象が発生することが分かりました。また、CA州計画停電のように、再エネが供給力として貢献していても、供給力のふらつきで予備率が簡単に変わる事象が発生(停電実施日:8月14・15日のうち、15日の事象です)しました。さて、
この一年ではっきり分かったが、私の現時点での仮説は以下の通りです。
・再エネ導入の便益は①限界費用の低下、②既存電源の外部不経済対策、③エネルギー安全保障(地政学リスクから解放される等)、④地域レジリエンス対策に限定されるのではないか
※何か見落としているものがあるかもしれません。
また、私は再エネ導入と持続可能な電力システムをいかに両立すべきかとの立ち位置です。再エネ導入は推進した方が良いと思っていますよ。しかしながら、社会的な便益はちゃんと評価すべきではないかと。
・再エネを導入したからといって、既存火力機の廃止を直ちに設備容量の廃止に踏み込んでは
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