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まいねぇ。
@maimai0049
心に残るストーリーを描いているコンビニ店員です。ヘルパーしていたこともあります。読むとコンビニってこんなドラマがあるのか!介護にはこんなことも起きるのか?と、ちょっと感動したりできます。
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Dec 12, 2024
•
7 tweets
•
1 min read
「何言ってんの?
もう⋯イヤだよ、ボクは」
少年は、キッズスマホで
何やら激しく話しながら
コンビニの店内を
ぐるぐる回っていた。
いつも家族のための買い物に
来る少年は
おそらくママと会話。
ただ、珍しく
イライラした声を出していた。
( 今日は
何か、あったのかしら? )
店員の私は
いつになくイライラしている
少年の様子に
なんだか、不安な気持ちで
見守っていた。
「 いつだって、そうなんだ。
そんなの、知らないよ! 」
口調がきつくなってきて、 私の方が驚いた。
声が大きくなる少年に
「シー」と口元に指を当てて
合図してみた。
( 店内では大きな声を
出さないでね )
少年は私からの合図に
「ハイ」というように
首をすくめて
電話の声を小さくし
「もう切るね」と
耳元のスマホを降ろした。
少年は、そこからは
いつになく無言で
いつものペットボトルの
コーラ 2 本とサイダーを買い、
他のものは買わなかった。
確か、ずいぶん前に聞いたとき
「コーラはママと妹が
好きなんです」
というので
「じゃあサイダーは?」
「あ、それはボクが飲みます」
そんな会話をしたな、
今日に限って、ふと
そんなことを思い出した。
そして、店を出る時
少年は立ち止まらず
チラッとふりかえるだけで
スッと出て行った。
薄い水色の
ラルフ・ローレンのシャツの
後ろ姿がずっと
印象に残っている。
それは、あっけなく
訪れた別れだった。
その日からしばらく
彼の姿を見ることは
なかった。
私だけではなく
他の店員たちも口々に
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Aug 16, 2024
•
5 tweets
•
1 min read
「誰の名前だろう?」
銀行口座に見しらぬ名前で
ふり込みがあった。
しかも割と大きな額。
副業の振り込みの会社がいくつか思い当たった。
その中の担当者の名前だったかしら?あとで聞いてみよう。
そう思っていたら、その人からショートメールがきた。
『申し訳ありません。
こちらの手ちがいで振り込みの額が 2 万のところを
20万にしてしまいました。
つきましては差額の18万円なのですが、お手数ではございますが返金をお願いいたします』
やはり、おかしいと思った。
なので 「わかりました。では18万円の返金ですが、どのようにしたらよいですか?」
返信すると
『お手間をとらせてすみません。今どこですか?』
どこって⋯。
そんなこと聞くものかしら?
「〇〇区の〇〇町ですけど」
『そちら様にあまり
お手数かけては申し訳ないので、近くにいるうちの者に
取りに行かせます。
その者に
現金を渡してください』
( あれ、これって・・)
ここでピン!ときた。
これは、
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Jul 12, 2024
•
5 tweets
•
1 min read
「あの、これはどこにありますか?ママに頼まれてるので⋯」コンビニ店員の私に
眉を下げた
困った顔をして
聞いてきたのは、先日の
” 買い物をする少年 ”だった。
「何をお探しですか?」
「あのホットケーキミックスってありますか?ママが、
それがないと困るって」
「大丈夫。ありますよ」
「やった。良かった」
少年はホッとしたのか
すごくいい笑顔をした。
小学3年生くらいに見える
少年はラルフローレンの
水色のシャツを着て、
コストコの大きなバッグを
肩にかけている。
そして、反対の肩には
クリーニング店で受けとった
洋服が入った袋も
かけていた。
大人の服が少年の体より大きくて重そう。
家のお使いでの買い物なら
小学生なら
それだけでも充分に見えた。
ママは この子に
こんな笑顔をさせて、
家では一体何を言って
送り出すのだろう?
ホットケーキミックスがあるとわかると、少年は
キッズスマホでママに
電話をする。
「あるってママ。大丈夫だよ。今買って帰るね」
そう言ってスマホを切ると
再び店内へもどり
ペットボトルを3本持ってレジへきた。
( また、重いものだわ )
ホットケーキミックスも飲み物も重い。
今日も、真っ赤なほっぺで
重いバッグを両肩にかけて
レジを離れる。
そして店の出口で1度、
立ち止まり
こっちをふりかえる。
黒い瞳と目が合う。
何を言いたい瞳なのだろう。
私はレジから小さく手をふり
( ガンバレ!)
と心の中でエールした。
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Jul 11, 2024
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4 tweets
•
1 min read
「それじゃ頼んだよ」
コンビニに買い物に来た
パパと少年。
パパはスーツ姿で、
少年に声をかけて
店を出ていく。
少年は肩に大きなバッグを
かけて目でパパを見送る。
店員の私もつい、
パパさんの姿を追ってしまう。
パパさんは、待たせていた
ママらしい女の人と
低学年そうな少女と
黒塗りのタクシーに
乗り込んで行ってしまった。
少年は1人、店内で
買い物をしだした。
カゴに飲み物を
何本も入れて行く。
お砂糖もパスタも入れる。
けっこうな重さになっている。
私はなんだか気になり
彼がレジにきた時、声をかけた「ずいぶん重くて大変ですね。大丈夫ですか」
少年はりんごのような
赤いほっぺをして
「ありがとうございます。
でも、ボク大丈夫です」
と、けな気に答えてくれた。
(だけど、これ 1人で持って帰るの大変よね )
そう思った私は
「パパは
お出かけなのかしら?」と
少年に聞いて みた。
「はい。
今日は妹の発表会なんで」
「…そう、そうなんですね。
この荷物は重いから、
気をつけてくださいね」
少年はこっちをふり返りながら店をあとにした。
まだ小さな体に
大きすぎるバッグが
似合わないと思えた。
この日が
”家族の買い物をする少年”を
初めて意識した日。
彼はまた
1人だけで買い物にくるようになるのだった。