正木伸城 Profile picture
プロデューサー・ライター・フリーランス広報・マーケター|常に3冊持ち歩く活字好き|仏教思想研究家|哲学愛好家|『監獄の誕生』が座右の書|うつ病→精神病棟→36歳から本格的に社会人デビュー →3社を経て現職|著書に『宗教2世サバイバルガイド』等|『本当にわかる仏教思想』刊行予定|取材・仕事のご依頼はDMにて📩
May 26 6 tweets 1 min read
最近注目の「エキストリーム・センター」。右でも左でもない、「極・中道」と呼ばれる人たちのことだ。彼らはバランサーとして見られる事もあるが「結局は日和見」「それだと体制にやられるだけ」と批判されてもいる。アナイリン・べヴァンは「道の真ん中を歩いたら車に轢かれる」と彼らを揶揄した。→ Image 実際、「対立よりも中道だ」という人たちは権力者に「いいように」使われてきた。また、彼らは中道という空虚を信念とするがゆえに、その「空虚」にどんな思想をも投げ込み、「何色にも染まることができる」という側面も持つ。そして「考え方は皆、それぞれ」「みんな違って、みんないい」という当た→
Apr 30 9 tweets 1 min read
凄い本だ。

今後数十年は本書が人類史に関する議論の土台になるだろう。ビッグ・ヒストリーは万人にウケる。『サピエンス全史』もその先例だが、著者のハラリは専門家ではない。一方で、本書は専門家による人類史再検討書・素描書である。この本を読めば、『サピエンス全史』のヤバさがよくわかる。→ Image 人類史は長らくこう捉えられてきた。長い先史時代があり、農耕革命や定住革命はじめさまざまなテクノロジーの革新があり、さらには都市や国家の誕生などを経て共同体も巨大になる中で現在のグローバル社会が誕生したと。ハラリもジャレド・ダイアモンドもスティーブン・ピンカーもこの路線を基本的に→
Jan 2 15 tweets 1 min read
衝撃。ホロコーストを推進した重要役人アイヒマンは上の指示に思考停止で従う組織の歯車的存在だった――この理解に基づいて官僚的な人物を「アイヒマン」と非難する事がある種の様式美となっているが、それを「誤りだ」指摘するのが本書。アイヒマンは凡庸な役人だった? それも誤りである。彼は実は→ Image 独自の判断も行っていたし時には上司の命令にうまく抵抗する優秀な組織人だった。その事はその後の研究が示していた! だからアーレントの「悪の凡庸さ」概念も多くは誤用されている。誰もがアイヒマンになり得る、アイヒマンはあなたである――そうも言われるが、アイヒマンは平凡な存在ではない。→
Jun 16, 2023 11 tweets 1 min read
『射精責任』のゲラ読了。衝撃だわ。
 
添付画像のような主張を読んだ男性の中には「は? ふざけんなよ。女が自分の体内で男に『射精させた責任』はどうなるんだよ?」と脊髄反射して反論してくる人がいそう。でも、この本の本文と解説を全て読むと的外れな議論とは言い切れないことがよくわかる。→ Image 中絶につながるような「望まない妊娠」に関する議論においては、「女性の体」や「胎児」に話の焦点があたる一方で、なぜか「男性の体等」が問題にされることはまずない。そこでこの本の著者は、「無責任な射精」という言葉を引っ提げて議論の場に男性を引っ張り出した(引っ張り出すことを試みた)。→