Takehiro OHYA Profile picture
Professor of Jurisprudence, Keio University Faculty of Law. Visiting Professor, Nagoya University PhD Professional Office.
Jan 9, 2022 13 tweets 1 min read
もそもそと書きます。調査結果によると現在の日本では同一キャリア・職種の場合に男女間の収入格差はおおむねなくなっているようなのですね。そんなわけあるか男女の収入格差は厳然とあるだろうと思う人が多いと思うのですが、ポイントは「同一キャリア・職種」にあるわけです。 多いパターンは出産育児に伴って退職し、非正規雇用に移ったのでその後の所得が大きく減少したというケースですが、これが生じる原因として女性のサービス業就業比率が高いこと、さらにその原因としてSTEM分野(いわゆる理系)への進学比率が低いことが指摘されているわけです。
Jan 3, 2022 5 tweets 1 min read
正月で時間に余裕ができたので高口康太『中国「コロナ封じ」の虚実』(中公新書ラクレ)を読みました(いただきもの。ありがとうございます)。結論的に言うと大変にいい本なので皆さん読むといいですよ。 ポイントはいくつかありますが、①コロナ対策では情報システムの活用が注目されているがむしろ実働人員を大量に動員したこと+できる社会システムが重要だという点が詳細に説明されていることは、表題にある中国のコロナ対策を評価する際に不可欠でしょう。
Sep 14, 2021 5 tweets 1 min read
人権の歴史的展開についてご高説を述べておられる方がいわゆるフランス人権宣言とは「人と市民の権利に関する宣言」であり人権droit humainではなく自然権droit naturelに関するものである点を無視しているのを見てにこにことしている。 簡単にだけ書きますが、まず人権が権利一般に含まれるかどうかは極めて疑わしく、その内部にもさまざまに性質の異なるものが含まれており、しかし民主政とは対立するというのが「横槍」(ノージック)「切り札」(ドゥオーキン)と表現されているように基本的理解でしょう。
Jul 23, 2021 4 tweets 1 min read
一長一短ということになるのでは。政府による規制は社会全体に適用され強い強制力を持つ一方、議会・裁判所による統制が及びます。他方、民間規制は範囲が限定され強制力にも限界がある一方、外部からの統制が及びにくい。 規制内容が誤りであった場合を考えると、民間規制であればその企業等の内部に影響が限定され、たとえば市場競争において不利になった結果として淘汰されることで消滅することも期待できる。被害を受けても同業他社に期待をかけることができる。しかしそれ以上の法的な介入手段は限られています。
Apr 11, 2021 18 tweets 1 min read
①2022年度から高校で導入される「公共」という新科目の内容について、現在の「現代社会」で説明すべき内容となっている基本的人権の保障や平和主義が消えているとか騒いでいる人が出てきているので多少書きます。 ②まず事実の確認。いずれも文部科学省による「高等学校学習指導要領解説 公民編」による。現代社会についてはH21.12(H26.1一部改訂)のもの、公共についてはH30.7のもの。違いとして指摘されているのは各科目の「内容とその取扱い」の部分だろう。
May 17, 2020 10 tweets 1 min read
①さていわゆる検察庁法改正案問題。これもまず事実を確認しておくと、実在するのは「国家公務員法等の一部を改正する法律案」であり、新旧対照表で289ページあるうち、検察庁法部分は12ページ、さらにそのうちいわゆる定年延長関係は6ページ半です(他は何かというのはあとで述べる)。 ②また、事実を指摘したらモトケン先生からご返事いただけなくなってしまったのにまだ元のtweetだけがRTされている状況にありますが、役職定年・勤務延長とも一般公務員に導入する予定の制度を検察官に対しても導入しようというものであって、制度的には横並びです。