たっつん Profile picture
介護士歴19年のうち、介護部長を16年やってます。介護についての投稿をまとめた書籍がKADOKAWAさんより発売中。書籍を買ってくださるのはもちろん嬉しいですが、フォローして投稿を見るだけならタダなので、そっちもおススメ。
Apr 3 4 tweets 1 min read
「 おーーーーーいっ! 」
夜になると大声で叫び続ける
認知症のN夫さん。

ご自宅で介護している
ご長男さん夫妻が
ゆっくり休める日を確保するため、

老人ホームでの
お泊りを試しておられたが、
これまで全てのホームで
1泊もできずに利用を断られていた。

わけあって、
ぼくの勤めるホームで
1泊利用を試して頂くことになったが、

事前の情報で
” 介護の全般に拒否が強く、
夜中になると大声で叫ぶ ”
というのを知らされていたので、

ぼくが宿直
( 夜勤ではなく、
警備員のような役割 )
でホームに泊まる日に合わせて
お越し頂くことになった。

22時の見回りを終えると
翌6時の間は待機しておくが
仕事の宿直なので、
つまりは朝まで仮眠できるのだが、
その時間を寝ない覚悟だったのだ。

N夫さんは
ほんとに全てにおいて
拒否がスゴくて、

食事も水分も
ほとんど口につけてくれないし、
トイレも行かない。

紙パンツが濡れているかも
確認させてくれないし、
おフロにお誘いしても
「 家で入るからええ! 」
と拒否される。

ただ、
日中は叫ばれることはなく
お部屋で横になっておられた。

問題は、
やっぱり夜だった。 一日中なにも食べていないのに、
夕食を目の前にお出ししても
やっぱり食べてくれない。

トイレの声かけもやっぱり拒否。
パジャマにも着替えてくれない。

しかたなくお部屋にお連れして
横になって頂くが…

お1人になられると、
大声で
「 おーーい!おーーーいっ! 」
と叫びだした。

誰かが行くまで
どんどん声量が上がっていく。

他のかたが寝れないレベルなので、
職員がお部屋に行かざるを得ない。

それなのに、
「 どうされました? 」
とお聞きしても
何も言われないし、
身体に触れるのも拒否される。

これが延々と続くので、
夜勤者さんには
他の入居者さんの対応をしてもらい、

22時以降は
ぼくがN夫さんの対応を
マンツーマンですることにした。

そして、

N夫さんは一睡もされなかった。
ほんとに対応が困難だと、
たった1日でわかった。

翌日。

N夫さんが帰られた後で
次回以降のご利用は
さすがに難しいことを、
夜間のご様子を交えて
長男さんの奥様
( ご家族さんの窓口 )
にお伝えしようと電話をしたら、

「 今回はほんとに
ありがとうございました。
おかげで昨晩は
ゆっくり休むことができました! 」

と、感謝の言葉を
先に言われてしまった。
Dec 15, 2023 5 tweets 1 min read
「えっ?2週間でこんなに認知症って進んじゃうの?」

D子さんのあまりの変貌ぶりに、
ぼくたち職員は驚きを隠せなかった…

90代のD子さんは、軽度の認知症はあるものの、
”なんで施設に入居されたんだろ?”って、
思うくらいしっかりされたかただった。

朝はご自分で化粧をしてお部屋から出てこられ、

テーブルを拭いたり、他の入居者さんにおしぼりを配ってくれたりと、職員の手伝いをしてくださる。

新聞広告を折りたたんで、『使い捨てゴミ箱』を作るのが得意。

そんなD子さんなので、他の入居者さんとは会話が噛みあわず、職員と笑って過ごすことのほうが多かった。

そんなD子さんが、急に体調を崩して入院されることになった。 さいわいにも、2週間ほどで退院してこられるとのことで、ぼくたちは安心したのだが、実際、戻ってこられたD子さんの、あまりの変わりようにかなりのショックを受けた…

杖をついて歩いておられたのが車椅子になり、
職員のことを1人も覚えておらず、

トイレの場所や職員を呼ぶナースコールを認識できない。

これまで普通にご自分で用を足しておられたのに、当たり前のように失禁してズボンを濡らし、オムツの中に出てしまったウンチを手でいじり、布団で拭いてしまう…
Sep 17, 2022 9 tweets 1 min read
認知症のおばあさんが、いつも夜中に人の部屋に入る。止めてもガンガン行くので、職員さんが困ってた。様子を見る為に、ぼくが夜勤をする。0時ちょうど。そのかた(Kさん)が部屋から出てきた。車椅子を足でこいで移動している。遠くから見てると、すぐに隣りの部屋のドアを少し開け、中を覗かれてる その後ドアを閉め、すぐその隣りの部屋へ。また中をチラッと見て、隣りの部屋へ。それをフロア内の全30室。小一時間かけて回り、ご自分の部屋に戻られた。少しして、Kさんのご様子を確認すると、よく寝ておられる。2時。また出てこられ、同じ行動を取られる。一緒に夜勤している職員さんに聞くと、
Sep 15, 2022 6 tweets 1 min read
認知症のおばあさんが「おうち帰らなあかん」と、夕方になるとウロウロし始める。毎日のことでなかなか落ち着かれず、職員みんなが困ってた。ある日、「おうちまで送って行きますね」と一緒に施設を出た。隣りに付きながら、なるべく穏やかに話しかけるが、「ついてこんでええ!」と大きな声で怒鳴る こけそうな時など、すぐに手が届く距離で付いて歩き、どうしたらいいか迷ってる時に話しかける。だんだん、ぼくの顔に安心される感じが大きくなる…そんな散歩を2時間。最後はヘトヘトで座り込まれた。施設に電話して車で迎えにきてもらう。おばあさんにお茶を飲んで頂いて、それから一緒に施設へ戻る