ウチューじん・ささき Profile picture
特定外来宇宙人です。
Nov 11, 2023 8 tweets 2 min read
「借り暮らしのアリエッティ」も「進撃の巨人」も現実には起き得ない、高カロリー食品を24時間中食べ続けなければ体温が維持できないとか、自らの体温と体重で崩壊死してしまうのが身も蓋もない物理学のスケーリング法則なのです(´・ω・`) サイズが変わると表面積は2乗・体積は3乗で変化します。ヒトと同じプロポーションで身長が1/10になると表面積は1/100・体積は1/1000になり、10倍になれば100倍・1000倍になります。
Nov 10, 2023 4 tweets 2 min read
スケーリング法則は固定翼機(レイノルズ数)とVTOL(3乗法則)で異なり、固定翼機では翼幅10cm程度から数十mのかなり広い範囲でスケーリングが成立します。5cmを切ったくらいからレイノルズ数(空気粘性)の影響が大きくなって「士の字」ではうまく飛ばなくなります。 巨大飛行機4傑。B747(翼幅60-70m), A380(80m), An-225(90m), ストラトランチ(117m)。このへんになってくると強度/重量の両立が難しくなると同時に、地上での取り回しが困難になってきます。


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Oct 29, 2023 5 tweets 2 min read
大戦末期にドイツが開発していた殺獣メーサー砲…ではなく、4連装2cm対空砲に測距レーダーを組み合わせたVisierkopf 45照準システム。少なくとも理屈の上では、Visierkopf 38の測距情報のダイヤル設定が不要になり、「目標をセンターに入れてトリガーを引く」だけで有効弾が期待できるようになった。 Image レーダー以前のドイツ対空砲チーム。一番右の人が持っているのがいわゆる「カニ眼鏡」のステレオ式測距儀で、これで計測した距離を口頭で照準手(銃架左に座っている人)に伝えて算定器のダイヤルを設定させるものだった。対空戦闘中よほど大声で怒鳴らないと伝わらなかったんじゃなかろうか。 Image
Oct 21, 2023 8 tweets 1 min read
航空機同士の戦闘は「真面目に描くと1つの画面内に敵味方が入らない」ってのがあるけど、軍艦でも戦車でも歩兵同士でも火砲による射撃戦とはそういうものでもあります。なのになぜ「飛行機ものは難しい」ということになるのか。 ハリウッドガンアクションの場合、交戦距離を近めに設定することと、背景(地形・建物)を画面に入れることで「悪人はいま此処にいて、刑事はこっちから回り込もうとしている」という状況を絵にして説明します。でも航空戦モノの背景は空なので位置基準がわかりません。
May 25, 2023 15 tweets 1 min read
そう、DeepDreamは「とてもヒトには思いつかない」悪夢みたいな絵を吐き出した。あれをヒトの芸術家が描いていればゴミクソとして批判されたか、オークションで何億円で落札されるか、というくらい極端なのを。 DeepDreamよりだいぶ「ヒトの視覚に沿うように調整された」はずのnVidia GauGANも目玉の沢山ついた毛玉とか顔のないヒトのシルエットが樹木に溶けているとか悪夢的な、それでいて高精細な絵をばんばん吐き出した。それが芸術表現として評価されたかというと、ネタとして笑い飛ばされた。
May 24, 2023 14 tweets 1 min read
640x480モノクロ画像の取り得る全組み合わせは2^640x480≒10^92476で、宇宙の全素粒子(推定10^97)より10^1000倍くらいある。その中の大部分はヒトの目には同じパターンの水平移動・縦横鏡像・回転・位置組み合わせの違いだとしても。 ヒトの視覚野が有意と認識するパターンは、物理的・数学的に存在し得る全組み合わせのうちのごく一部。その分母は無量大数(10^68)より桁違いに大きい。ヒトの脳は認識し得ないパターンを全て無為=ノイズとして捨てる。
May 24, 2023 10 tweets 1 min read
RTしないけど、「AI絵師のスランプ」「何を描いていいのかわからなくなった」って話がTLに流れてくる。それはヒトの絵師が120年前に通った場所だ。というか120年前も「これで何周目だっけ?」だった。 600年ほど前にもルネサンスで、そこにあるもの・目に見えるものを緻密に描くことが新しいとされて、すぐに袋小路になった。120年前くらいに「見えるものを描くんじゃない、感じたことを描くんだ」と印象派が生まれて、そこからいろんな表現が生まれてことごとく袋小路になっていった。
May 24, 2023 9 tweets 1 min read
RTしないしURLも出さないけど、30年前の元祖飛ぶ飛ぶ詐欺:モーラー・スカイカーM400を二回り大きくしたような、ハンペンみたいな「リフティングボディ」の前後左右に回転式リフトファンポッドを付けたeVTOLが提唱されているらしい。LA-SF間(600Km)を1時間で飛ぶのだと。 自称「乗客40人」の物体が「二重反転可変ピッチの電動ダクテッドファン」8基で軽々と浮き、ハンペンみたいに分厚い低アスペクト比の「リフティングボディ」の揚力でスイスイ空を飛ぶ3DCGを見て「物理法則に反しているんじゃないか?」とは思わないんだろうか。
May 23, 2023 16 tweets 1 min read
eVTOLはペイロード容量が小さい(乗員2~6名)ので、パイロットを乗せると交通機関としての有用性・経済性が大きく損なわれてしまう。だから「近い将来には完全自律無人運行になります」と言い張らないと、常識的な判断力を持つ相手には信憑性が成立しない。 「eVTOLで完全自律無人の都市圏旅客運行が出来るのなら、その操縦航法システムを既存の内燃機関ヘリに積んだらもっと高速で長距離にも対応できるんじゃないの?」という話は「ヒコーキ屋」の側からたびたび出てくるんだけど、eVTOL界隈にはガン無視されている気がする。
May 23, 2023 5 tweets 1 min read
飛行場の設営条件は滑走路/パッドの面積だけではなく、離着陸する機体のフライトパスも加味されます。VTOLだからといって滑走路から巡航高度(何m?)まで垂直に上昇してから水平飛行へ移行する運用は想定されていないでしょう。 「機体が小さくなった=小さな離着陸面積しか必要としない」ということは「狭い都会でも航空機が運用できる」を意味しないのです。着陸エリア周辺に建築高度制限を設けるなら、面積は小さければ小さいほど無駄が大きくなります。
May 23, 2023 13 tweets 1 min read
パイロットを乗せると少ないペイロードが更に減るうえに人件費が上乗せだし、利用者が自分自身で操縦する機体を大都市で飛ばすのはあり得ない(事故だけでなく悪意によるテロ行為のリスクもある)ので、「アーバン・エア・モビリティ」には完全自律あるいは遠隔操縦は必須だと思っています。 NASAが超低空の都市圏航法システムを研究していることも知っています。ただし「目指している・研究している」こととそれが実現可能かは別だし、実現するのは何年後が目処なのか、それまでに整備しなければならない法律・インフラは何なのか、それに幾ら掛かるのか、その費用は誰が出すかはまた別の話。
May 23, 2023 6 tweets 1 min read
同じ重量の物体を浮揚させるために押し出す必要がある空気の質量x速度は同じになります。マルチコプターのダウンウオッシュがヘリコプターより有意に小さいのは、機体が軽いからではないでしょうか。 全備重量約370Kgのウルトラライト・タービン・ヘリコプターComposite-FX(旧Mosquito) XETのフライトの様子。芝草が凪ぐくらいのダウンウォッシュしか出ていません。
May 22, 2023 4 tweets 1 min read
「素麺は火を止めてから予熱で長めに茹でる」ってのが生産者の人から「それおいしくない」と言われてプチ炎上してるっぽいけど、多少の食感低下と引き換えに「吹きこぼれを見張らなくていい」とかのメリットもあると思うよ😧 アメリカのキッチンの多くは電熱線ストーブなので、ジョジョ4部のシアーハートアタック戦で描かれたように、スイッチを入れてから温度が上がるまでやたら時間がかかる。なかなか沸かないなーと余所見してふと見ると盛大に沸騰して吹きこぼれたりする。
May 22, 2023 7 tweets 1 min read
飛行機の航法演算はだいたい掛け算と割り算なので計算尺で出来るのだけど、重心計算は掛け算と足し算なのです。電卓なんてまだ無い二次大戦時、輸送機の積荷責任者や機上機関士には算数の能力も求められました。 飛行機にはWeight and Balance sheetって書類があって、全てのペイロード(燃料・乗客も含む)を基準点(Datum)からの距離と貨物の重量を掛けて足した値を全ペイロード重量で割ると距離が出てくるので、その距離が規定範囲内に収まることを確認するのです。 Image
May 22, 2023 5 tweets 2 min read
米空軍の空中給油機には同じエンジンと主翼で胴体が異なるKB-50(爆撃機ベース)とKC-97(輸送機ベース)があって、前者は爆撃任務を退役したB-50の改造で112機・後者は新造で811機が整備された。KB-50は1960年代に退役し、KC-97は1978年まで使われた。 F-104に給油するKB-50、F-4に給油するKC-97。なんか脳みそバグりそうな光景。 ImageImage
May 22, 2023 6 tweets 1 min read
爆撃機としては微妙な評価のロッキード・ハドソン(PV-1ベンチュラ/PV-2ハープーン)、飛行機としては乗り心地良かったりするのかしら。同クラスのノースアメリカンB-25の機内は狭くてやかましくて乗り降りめんどくさい。 B-24やB-25は主翼桁が胴体上部を貫通して、その下に爆弾倉を設けてあり、乗員室が前後で分割されていて飛行中の移動は「不可能ではない」程度のアクセスしか無い。前部区画の床はツライチではなく操縦席は中二階みたいになっていて、その前方の爆撃手席へ行くためには腹ばいでトンネルを抜ける。
May 22, 2023 8 tweets 2 min read
胴体下部のタンクが3分割されているのは、基本的には重心位置のセンタータンクから消費して、フォワード・アフトのタンクからはセンタータンクを補充する格好で燃料を移送するんじゃないかしら。 特にフライングブーム式では給油中の母機と子機の位置関係を保つ必要があり、燃料の移送によって母機の重心位置が変わってトリム変化が起きるようでは困ると思う。
May 21, 2023 6 tweets 1 min read
僕の認識では、もともと「おたく」という言葉はマニア界における特定趣味層への蔑称だった。「おたくに媚びた美少女ゲームばっかり出してんじゃねぇよ」みたいな使い方がされていた。 「美少女アニメやフィギュアを好む趣味者で、対人コミュニケーション能力が低く、会話において相手を「おたく」という二人称で呼ぶ特徴がある」というのがその定義で、「何かに秀でた知識・能力がある」というニュアンスは伴っていなかった。
May 21, 2023 10 tweets 1 min read
PBS Novaの新作"Your Brain: Perception Deception"、最新の脳神経学の研究からヒトの外界認識と意識とは何かを探る番組。すっごく面白かった。例のアレも視覚と認識の例として出たよ! Image ただ「例のアレ」、僕のPCのプレビュー表示では一度だけ、本当に色化けして「白と金」で表示されたことがある。スクショと画面の写真を撮っておけば良かったんだけど、ダウンロードした翌朝に起きたので頻発する現象だと思ったら、その後は二度と起きなかった。
May 20, 2023 7 tweets 1 min read
明暗コントラストのパターンをセンサー中心に置くことでターゲットへの自律誘導を行うのって、AGM-65マーベリックと同じ原理じゃないの(゜Д゜) とはいえ「原理が同じ」というだけでは実装はできない。この記事では例によって「爆撃機の密集編隊火力」の脅威が語られ、それを無人自律機の体当たりで撃破する可能性として提示しているけれど、図示されている誘導システムは左右にしか働かないもので、3次元の空対空の命中は期待できない。
May 20, 2023 4 tweets 1 min read
「肉汁=旨味の閉じ込め」ってのもいろんな料理本で語られているけれど、少々うさんくさいと思うのよね。鶏ガラスープなんかは水から煮だして何時間も煮込んで、残った肉を齧ってみると確かにスッカスカになっているけど、そこまでやらないと旨味は抜けないということでもあり。 カレーやシチューで肉を炒めてから煮込むのは「旨味の閉じ込め」ではなく「アク(血)の閉じ込め」だと思う。赤身のまま煮込むと血が流れ出て固まって大量のアクになる、鶏ガラ煮込みでも最初の30分くらいは数度に分けてアク取りをしないと泡だらけになる。