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内科医です。ツイートは個人の見解です。
Jan 10, 2023 9 tweets 2 min read
アメリカMGHでmRNAワクチン接種後心筋炎を呈した16例(88%が男性、平均16歳)とmRNAワクチン接種後無症状対照群(45例)の比較。心筋炎群の血漿中に抗体と結合していない遊離スパイクタンパク抗原(33.9±22.4pg/mL)が高レベルで検出され、対照群では検出されなかった。
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36597886/ Fig1.ワクチン接種後心筋炎を呈した若年者16例と、ワクチン接種後無症状の若年者45例から血液サンプルを採取し、SARS-CoV-2抗体、SARS-CoV-2抗原、サイトカイン濃度の測定を行った。
Aug 24, 2022 4 tweets 1 min read
日本から70歳男性、モデルナ2回目接種後のMiller-Fisher症候群(MFS)(ギランバレー症候群の亜型)接種1週間で複視あり。両眼の外転制限と運動失調、腱反射消失あり。抗GQ1b抗体陽性で確定診断。IVIGで治療された。入院5日後に右顔面麻痺出現、MFSに顔面神経麻痺が随伴した。
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35996074/#affi… COVID-19ワクチン後のMFSの既報は4例でともにファイザー接種後、モデルナ接種後は本症例が初。5例すべてで接種から発症まで7日以上、抗ガングリオシド抗体の陽性率が高い(検査歴のある4例中3例)、IVIGで概ね良好な転帰をたどった。
Aug 24, 2022 5 tweets 1 min read
ファイザー接種後MIS-C。18歳男性、接種3週間後に頭痛、発熱、関節痛、発疹で受診。貧血、血小板減少、炎症反応上昇、左室壁運動低下、MRIで脳梁の細胞傷害性病変あり入院。MIS-Cの診断基準を満たし、IVIGとmPSLで治療。SpikeIgG陽性、N抗体陰性、過去感染は否定された。
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35996419/ 結膜炎、皮疹、口腔粘膜炎
Aug 23, 2022 6 tweets 1 min read
日本では終末期に高齢者が食事を摂れなくなると点滴や経管栄養(胃ろうなど)が当然のように行われるが、経管栄養などの広義の延命のための医療行為を行うことは非倫理的(患者の尊厳を冒す行為)と考えられている国々もある。1/
jstage.jst.go.jp/article/jsrcr/… スウェーデンでは高齢者の終末期に点滴、抗生物質投与、血圧測定、検査などは行わない。痛み止めや熱さましは使う。ケアは少量の食事と水分、暗い照明や音楽。患者の意向を重視する。食べられなくなってから2週間程度で安らかに看取られる。無理に食べさせないので誤嚥性肺炎も少ない。2/
Aug 23, 2022 4 tweets 1 min read
コロナ感染を本当に気にしている人はフェスに参加したりはしない。フェスやライブでのマスク着用、声出し禁止ルールは、参加者のために作られたルールというよりも、社会の要請により作られたルールである。 マスクしようが声出し禁止しようがあんなに人が密集していれば風邪の人がいればうつるのは防ぎようないと参加者ならわかる。フェスにいったこともないような外野のお願いを形だけ聞いてお行儀よくしているだけ。
Aug 16, 2022 8 tweets 2 min read
BCG未接種の1型糖尿病患者144人に対するCOVID-19の予防効果に関する二重盲検、プラセボ対象比較試験でBCG Tokyo株がプラセボ群と比して92%のCOVID19に対する予防効果を示した。
cell.com/cell-reports-m…
1/
1型糖尿病に対する治療としてBCGの効果を検証する臨床試験の一部として、COVID-19パンデミック開始前にBCGを3回接種されていた患者のCOVID-19に対する予防効果を見た試験。盲検化され追跡も15か月しっかりとなされている。
2/
Aug 10, 2022 6 tweets 1 min read
ワクチン接種後のTreg増強の原因についての仮説。
免疫を活性化するTH1,TH2,TH17,TFH(エフェクターT)と、抑制するTreg
いわばアクセルとブレーキの関係。
Tregは免疫応答におけるブレーキの役割を果たす。エフェクターTが働けばTregが活性化し、生体の恒常性を維持する。 mRNAワクチン投与後の胚中心応答は少なくとも6か月持続しており、既存のワクチンに比べて長い。胚中心応答をサポートするTFH細胞も活性化されている。
Aug 9, 2022 7 tweets 1 min read
集団免疫はいかにして得られるか? 髄膜炎菌とコロナウイルスの違いから考える。
イギリスで1999年に導入されたC群髄膜炎菌ワクチンでC群髄膜炎菌に対する集団免疫が得られた。1/7 髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、致死的な髄膜炎を引き起こす細菌で、世界で毎年30万人の患者が発生し、3万人の死亡が出ている。日本では戦前に4000例を超える報告があったが、1990年代以降は1桁台の報告に減少している。稀な感染症である(5類指定)2/7
niid.go.jp/niid/ja/kansen…
Aug 8, 2022 11 tweets 2 min read
抗原原罪(original antigenic sin)または免疫刷り込み(immune imprinting)
Janeway Immunobiology 9th edition 1/11 2歳のときインフルエンザ(エピトープとしてA,B,C,Dを持つ)に感染し、すべてのエピトープに対する抗体(A,B,C,D)を作る。2/11
Aug 6, 2022 4 tweets 1 min read
ヒトコロナウイルスは風邪の10-35%を占める。感染率は幼少期から年齢を経るごとに増加して、成人の80%以上が抗体を持つようになる。コロナウイルス感染症には季節性があり、晩秋、冬、初春に多い傾向がある。
HARRISON'S PRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE(有名な内科の教科書) 新型コロナウイルスも、ワクチンがあろうがなかろうが、結局ある程度広まり感受性のある(感染しやすい人)に行き渡るまで終わらない。小さく変異するから周期的に増えたり減ったりする。どんなに感染を抑え込もうとしても無理だということがよくわかりました。
Aug 5, 2022 8 tweets 2 min read
ナイーブT細胞はサイトカインの刺激により、TH1,TH2,
TH17,TFH,Tregなど、さまざまな機能を持ったエフェクターT細胞に分化誘導されます。
TH1:細胞内病原細菌の排除
TH2:アレルギー反応、寄生虫免疫
TH17:好中球誘導、細胞外病原細菌
TFH:抗体産生
Treg:免疫寛容の誘導 2/ IL-10はIgG4を誘導することが知られており、IL-10はTregによって産生される。だからIgG4はTregの活性化を見ているのではという考え方もあるようです。3/
Jun 7, 2022 23 tweets 5 min read
コロナワクチン接種後の抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の6例の症例報告。MDA5陽性DMは間質性肺疾患の高リスクで、予後不良である。MDA5は1型IFN産生を誘発し炎症メディエータを誘発する。新型コロナワクチンがトリガーとなりMDA5を介して樹状細胞の活性化に繋がるという報告もある。
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35661906/ 2021年10月に報告された別文献の報告。58歳男性、mRNAワクチン(種類の言及なし)接種4日後に呼吸不全とショックを発症、口腔内水泡、指の潰瘍、肺のびまん性すりガラス影、COVID-19陰性、MDA5に対する血清抗体陽性であった。
doi.org/10.1016/j.ches…
May 19, 2022 7 tweets 2 min read
モデルナ廃棄事例
京都府:1万回 5月末期限
news.yahoo.co.jp/articles/25822… 岡山市:5万1000回廃棄 5月26日期限
news.yahoo.co.jp/articles/ec148…
May 14, 2022 6 tweets 1 min read
医療者側が命の押し売りを続けてきた結果、社会経済活動が制限され続け、さすがに我慢できなくなってきた人たちが増えている。流れが変わりつつある。 医療者側はできるだけ多くの命を救うという病院の論理を社会全体に押し付け、その結果として正常な社会経済活動が制限されてきた。
Apr 16, 2022 9 tweets 2 min read
スパイクタンパクそのものがヒト血小板上のACE2を介して血小板凝集を促し血栓傾向を誘発するという論文  1/9
jhoonline.biomedcentral.com/articles/10.11… スパイクタンパクのサブユニットS1は、in vitroでコラーゲン、トロンビン、ADPに反応して血小板凝集とATP放出を増強した。(一方S2は増強しなかった、つまりS1サブユニットが血小板凝集に関わっている)2/9 Image
Apr 9, 2022 13 tweets 2 min read
造血幹細胞移植患者のTregの恒常性維持にリンパ球数が関与している。1/13
Tregと自己免疫疾患発症のヒントになりそうな話。
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20389017/ CD4陽性リンパ球がTregの恒常性維持と関わる
この研究では、Tregが造血幹細胞移植後の患者でどのように増えていくのかを見ています。実際に移植された患者のCD4陽性リンパ球の数値によって、Tregの増減が制御されているという文献です。2/
Apr 8, 2022 6 tweets 1 min read
イスラエルの880万人の接種者を調べた調査で、ファイザーmRNAワクチンは10万人あたり16人の帯状疱疹発症リスクの増加、5人の虫垂炎の増加、3人の心筋炎の増加、1人の心膜炎の増加を認めました。
nejm.org/doi/full/10.10… この手の論文は必ず、結論が「でもCOVID-19になった後の方が頻度が高い」(だからコロナ怖い)なんですが、日本のワクチン接種数は4月7日時点で延べ2億5973万回、陽性者数は累計687万です。ワクチン接種数が比率で37.8倍多い。
Apr 7, 2022 14 tweets 1 min read
BCG therapy is associated with long-term, durable induction of Treg signature genes by epigenetic modulation
BCGの1型糖尿病に対する治療は、Tregを増加させるという文献を読み、BCGはTregの機能強化で新型コロナの重症化予防に寄与しているのではと考えた。1/14
nature.com/articles/s4159… 1型糖尿病は膵臓のインスリンを出すβ細胞に対する自己抗体が原因です。抗体は本来、病原体などの外来抗原(外から来た敵)を認識し攻撃するために産生されますが、自己免疫疾患の患者は特定の自己抗体(自分を攻撃する抗体)が持続的に分泌されてしまいます。2/14
Apr 4, 2022 10 tweets 2 min read
MDA5と新型コロナウイルス感染症、mRNAワクチンの気になる関連性
抗MDA5抗体は、皮膚筋炎(DM)という自己免疫疾患の患者で見られる自己抗体です。皮膚筋炎は筋力低下を起こしますが、抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎は、筋症状がなく、重症の間質性肺炎を起こします。1/10 抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に随伴する間質性肺炎と、COVID-19の肺炎の類似性(胸部CTでの間質性肺炎所見、発熱、関節炎、筋炎、血中サイトカインなどの強い炎症性疾患としての臨床像)が以前から指摘されていた。2/10
erj.ersjournals.com/content/56/3/2…
Apr 1, 2022 12 tweets 2 min read
東大の石井健先生のmRNAワクチンとアジュバントについてのnatureレビュー
Making innate sense of mRNA vaccine adjuvanticity
nature.com/articles/s4159… ワクチンに必要な成分は、抗原とアジュバント。アジュバントは、抗原を標的とした免疫応答(免疫原性)を引き起こすのに不可欠だが、局所や全身での炎症を引き起こす反応原性(時に毒ともなる)の原因ともなる。ワクチンの有効性と安全性の理解のためにはアジュバントが免疫系を刺激する機構が重要。
Feb 16, 2022 6 tweets 1 min read
SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種は、スパイクタンパク質に対する胚中心B細胞応答を誘発する。その持続期間は少なくとも6か月とのこと。 ワクチン接種後のリンパ節では、胚中心反応が起こります。この胚中心反応は、免疫応答を起こしたB細胞が、より質の高い(抗原に親和性の高い)抗体を作るB細胞を選別していくための反応です。